冷たい雨のそぼ降る中、車を走らせて富山市の田畠という地区へ。
ガソリンスタンドか、とおもいきや、JAのSSの跡地を借り受けて、ここで活動している女性グループがあるということだった。
農事組合法人 味彩おおやま。味彩は「あじさい」と読む。この地域はなんといっても米作地帯であり、主力の商品は餅。
これ、なんだかお分かりだろうか。北陸や北国の人たちならよく知っているだろうが、、、
餅(これは黒豆昆布を刻んだものをいれたものだ)をうすく切って干す。
このへんの寒~い冷気のなかで干しておくと、凍って溶けてを繰り返して、内部に気泡のようなものが沢山できてくるのだろう、こいつを焼くと、こういうお菓子になるのだ。
愛媛県大洲市で食べたカラフルなやつと似たものもある。
北陸ではご年配の方が「ああ懐かしい!」と飛びつく商品だそうだ。
もひとつここの名物がなんとモロヘイヤ茶とモロヘイヤせんべい。
せんべいとかうどんはよくあるんだけど、さすがにモロヘイヤを茶にしたものは初めて観た!
「センセ、これをPETにしたのがあるんだけど、知名度がなくてまだあまり売れてないのよぉ~」 とおっしゃる。
うん、まず名前が悪い! モロヘイヤのお茶だってのが、ぜんぜん伝わってこない。あと、冷やして呑むよりは、リーフのまま急須にいれて温かいのを呑んだ方が美味しいね。
そしてこのグループの目玉商品のもう一つが、みょうが寿司。
この地域はみょうがが特産だそうだ。みょうがの最大の産地である高知県産品に比べると、歯切れがよいという。そのみょうがを夏場に大量に漬けておいたのを使って押し寿司を作る。みょうが漬けの刻んだやつを寿司飯に混ぜたものを台にし、上にはこれもまた富山名物のマスの切り身、そして姿のママのみょうが漬けを一つ載せ、笹で包む。
とっても綺麗な一口(いや、二口くらいかな)サイズの押し寿司だ。
マスは北海道から仕入れるそうだが、それ以外はほとんどが地元産で、もちろんそれを手作りしたものだ。一つ125円だったかな?安いと思う。
「あまり安いって言ってくれるひと居ないんですよ~ でも、高いっていいながら買った人が、食べて慌てて走ってきて「もっと買う」って言う人が多いんですけどね(笑)」
そういうだけあって実に美味しい。みょうが漬けは絶妙な酢加減で〆られていて、しゃきしゃきとした食感がいい。
そして、もう圧倒的に米飯が旨い。寿司飯のネッチリした食感、甘みは最高である。コンビニ商品とは5次元くらいの隔たりを感じてしまう美味しさだ。
お寿司や餅商品をつまみながら懇談。
最近は評判を聞いたスーパーなどにも並ぶそうだが、若い層はなかなか買っていかないという。それはそうだろうなぁ。量より質を求めるご年配の女性が買っていくのがメインだろう。けど、これは大食いガテン系野郎にもアピールする味である。もったいない!
ということで、ぜひこれをミルフィーユ的多層にしたものと、あとおにぎり形状のものが欲しい!と訴えてきた。食いたいですよ、これ。
本日の仕事にはまだ間があるので、名物のます寿司ミュージアムへ。
わっぱに笹の葉をつめる工程はやはり人力だ。おしむらくはお酢がミツカンなんだよなぁ。ミツカンでもいいんだけどさぁ、日本酒の蔵がこんなにあるんだから、地元のお酢とか、無いんだろうか。
さて、昼食はお願いをして、回転寿司(笑) 北陸の回転寿司は旨い、、、
白エビ。
地甘エビ。
これがシラサエビ。初めて聞いた名前。これで180円、、、美味しい。まだまだ識らない食材ばっかりだ。
さてその後、農業関連の施設へ移動。仕事が2時からなのでちょっと時間つぶしにこれをかいているわけです。
この施設の図書館で面白いものを発見。
「農業情報学会」という組織があるが、これがまだ学会になっていなかったころ、「農業情報利用研究会」と称していた。僕はこの会でえらくお世話になり、そして今があると思っている。
この本にもたしか僕の原稿が載ってなかったっけ?と思ったら案の定、載っていた。
97年度はまだ僕は大学院生だったんだなぁ、、、
それにしてもいま読み返してみると時代が全く違う。検索エンジンといえばこの頃はYahoo!またはLycosだったようだ。Lycosですよ!うーん、、、
しかもこの日、僕を案内してくださった西川さんは「えっ やっぱり農業情報学会に関わっておられたんですか!? あそこで活躍しておられる二宮正士さんは私の元・上司のようなもので、、、」
この業界、どこまで狭いのか。二宮さんは生涯忘れられない、僕の恩師である。なんか、しみじみしてしまった、、、
今夜からはどうも雪になりそうな気配。
さて、ではそろそろ仕事してきます。