いやー いろんなイベントをやってきて、初めて満員にならないという自体になるかと思ったスローフードディナー 短角牛ナイトだったが、最後の数日間で驚異的な伸びを見せて見事満員となりました。お越しいただいた皆様、本当にどうもありがとうございました!
場所は、みなとみらい線の元町・中華街駅の4番出口からすぐ目の前にある、マリンタワー。僕も社会人一年目は横浜に住んでいたのでこの辺はよく遊びに来ていたけれども、こんな素敵なスポットはなかった!
34階の展望タワーもいいが、実はこのタワー内のホテルが非常にカッコイイ店ばかり。今回、3Fのスペースを1週間くらい貸し切りにして、スローフードディナーを連夜開催するのだ。
スタッフの皆さんに挨拶してさっそく厨房を覗くと、奈良の「イ・ルンガ」から駆けつけてくれた堀江純一郎シェフが、明日の「奈良ナイト」のための手打ちタヤリンの準備をしていた。
彼の家で短角ディナーを食べたときのエントリにはこの緑色の正体を明かせていなかったけれども、もう彼の店がオープンしたから解禁だ。これ、ヨモギを練り込んだタヤリンなのである。
うーむこれもくいたい。けどこれは本日の夜のお客様分。そうそう、まだ席に余裕があるらしいので、今夜の飯が決まっていない人はぜひ行ってあげてください。
ところでこのマリンタワーのレストラン、実にシックでエレガントでいい!今年の5月にオープンしたばかりということもあって、もったいないくらいのいいスペースだった。
本日のメニューはこんな感じ!
(以降、私が写っている写真はすべてカメラマンさんの撮影です)
お客様も揃ってスタート!まずはヤマブドウジュースのスプマンテ割りを乾杯して、前菜を食べながら短角牛の基礎知識のお話し。15分ほど私めが話しをさせていただいたのでした。
皆さん熱心に聴いてくださって本当にありがとうございました!
■前菜三種盛り
三谷牧場のモッツァレラチーズ、ハーブとシシリアンルージュのサラダ
三谷牧場は、前にここで紹介した金のヨーグルトの生産者だ。かれがシェフの好みに応じて造るモッツァレッラは、堀江君の気に入ったようだ。ソースはシシリアンルージュという、トマトソースのためにあるような調理用トマト。
スネの茹で肉スライス バニェットソース添え
「この料理の印象が強かった!」と某・料理雑誌の発行人さんが仰った、すね肉のバニェットソース添え。あまじょっぱいソースが、柔らかく茹でられたすね肉に見事にマッチしている。
ロースのタリアータ 雑穀サラダ添え
堀江君は、この岩手雑穀もまた気に入ってくれているようだ。クスクスのように使っているけど、クスクスよりもしっかりとした食感と食べ応えがある。タリアータにしたロースの質も上々。
そしてお次は、僕の印象に最も残ったリゾット。
短角のブロードを使ったパルミジャーノのリゾット
短角牛の姿は見えねども、短角の超良質なブロードをたっぷり吸ったイタリア米は、十分に短角の存在感を醸し出していたのである。
堀江君によれば、「短角牛というのは、一言で言うとコンソメをとってみると驚くほど美味しい牛。コンソメをひいたときに美味しいというのは、つまり肉が美味しいということです。黒毛和牛だとこうはいきません」とのこと。
そう、短角牛の赤身部分には、黒毛和牛の赤身の2倍もの遊離アミノ酸を含んでいるという分析結果が出ている。そのアミノ酸がコンソメに引き出されたとき、無敵の味わいになるのだろう。この料理、ぼくの心に染みました。
ウデ肉のラグー ロンブリケッリ
ウデ肉のラグーを絡ませているのは、太めの手打ちパスタであるロンブリケッリ。よくあるの手打ちパスタは玉子とオリーブオイルで打つが、これは強力粉と塩、水だけで打ったもので、いってみればうどんだ(笑)
しかしこれがラグーと絡むと超絶に旨い! 堀江君のラグーがまた、味がビシッと決まっていて素晴らしい出来だったのだ。
ネック肉の赤ワイン煮 熟成ジャガイモのピューレ
うーん これは素晴らしい!
ネックが元来持っているゼラチン質と硬い繊維が、煮込みによってネットリと溶けるような食感に変化している!
前回、料理人向けのセミナーで造ってもらったときよりも美味しいと感じてしまった。座ってゆっくり食べたからかな?
ドルチェはやまぶどうのムース 栗のモンテビアンコ仕立てだ。
いやー旨かった。コースが終わったところで堀江シェフと、マリンタワーの総料理長である木島シェフに出てきていただく。盛大な拍手!
ということで無事、終了。皆様よろこんでいただいたようで本当によかった。
今回のイベントに関しては、とにかく集まっていただいた皆さんへの感謝!としかいいようがない。どうもありがとうございました!
さて明日はスローフードイベントで朝から講演だ。