やまけんの出張食い倒れ日記

島根県は長~い県。だからいろんな食材・文化が点在してる!安来市はドジョウすくいの町ではなく、楽しい食文化の町であった! その5 地産地消に取り組む弁当 「お食事処うえだ」の100%安来産弁当 「やすぎの幸」をいただいた!

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Food Action Nipponという自給率向上に向けた取り組みがあるのをご存じだろうか。
こういう↓マークのやつである。
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■フードアクションニッポンのWeb
http://syokuryo.jp/index.html

例の、「食料自給率の高い人は美しい、、、黒木メイサの自給率は64%、、、」っていうCMのアレである(あのCMみて「マジ?」と思ってしまった)。農林水産省の自給率オヤジと言われた塩川さんに「ご協力お願いします」と言われたので、断りようもなく引き入れられてしまった。

何をやっているかというと、食料自給率の向上に資する食品や取り組みを表彰(顕彰)する「FOOD ACTION NIPPON アワード2009」の委員になっている。小泉武夫先生を筆頭にもの凄いメンバーを集めたものだと思うが、なぜかその中にひょっこり入っているのだ(笑)

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一年目ということもあってかなり大変な選考になると思うけど、真の意味で「食料自給率の向上に資する」取り組みってなんだろうか、ということを突き詰めて顕彰しなければならない。そうなると、実はけっこう考えなければならないことが実に多いのだ。

例えば、大メーカーが自分のとこの国産こだわり商品を出してきたとする。そのメーカーが全体としては外国産の素材を99%使っていて、1%だけそのこだわり品だった場合は、顕彰の対象になりうるだろうか?普通は「なんだよそりゃぁ」となりますな。けれども、その1%の部分が実に消費者の意識をドラスティックに変えるようなインパクトのある商品だった場合はどうする!?意義はあるんじゃないの?など、これからかなり議論をしていかなければならない選考過程になると思う。すでに事務局の方から予想以上の応募件数と聴いている。うーむ選考が楽しみだぁ、、、もちろん、買収は効きませんよ(笑)

 

さてなんでこんな話をしたかというと、安来で面白い取り組みに出会ったからだ。撮ってもわかりやすいコンセプト。「安来で獲れた素材だけで造ったお弁当です!」というものだ。

「やまけんさん、これからお連れする「うえだ」は、本当に力を入れて地産地消に取り組んでいるんです!」

飲食業社が地産地消を旨に営業していくのは、なかなか難しい。野菜や米ならなんとかなるが、それ以外の肉や魚などをすべて地場産で取り揃えるのが難しいからだ。ましてや大手メーカーの寡占化が進む調味料となれば、、、ということを頑張っているお店ならぜひ応援したいと思い、夜の部へと進んだのである。

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■お食事処 うえだ
島根県安来市安来町1643
0854-22-2148

会の始まる前に1Fへ降りて、ご主人とお話。ご主人はもともとは飲食業とは関係のない分野で、県内トップセールスの営業マンだったそうだ。飲食業に入ったとき、どうせなら人のためになる食を、と思いながら、信頼する料理人である「女将」こと天野さんと一緒に地元の生産者さん達とのネットワークを築き上げた。

その結晶がお弁当「やすぎの幸」だ。

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お弁当を目の前に、ご主人が朗々と解説をしてくれる。

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けど、おいらは腹が減った!ので、ソロソロと 弁当の中身をあける。

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二段の弁当の中身はとってもカラフル。彩り美しいだけではなく、かなり美味しそうな 野菜中心の弁当だ。

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ご覧の通り、生産者の名前がぎっしりと書いてある。しかも、単に地元の生産者の素材を使っているというだけではなく、エコファーマー(環境保全型農業を実践する生産者に与えられる認定)や特別栽培農産物を中心としたラインナップ。つまり、「地元」だけではなく環境負荷や品質にもきちんと気を配っているということだ。

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いますぐ喰いたい!と思ったのだけれども、実はこの場は安来の役場や農業関係者が集まった宴会なのですよ宴会。 なので、宿でいただくことにした。

ちなみに「うえだ」は宴会または仕出し料理の店だ。だからふらっと行って「お弁当ください」とか言ってもダメらしい。もし安来に行くことがあるなら、電話してなにか食べられないか聴いてみるといいだろう。お一人様だけだと難しいかも知れないが、、、

さて宴会料理も実に美味しいものであった。

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おナスはエビとの相性抜群でございます。

そして竹谷さんとこの奥さんが育てていた大根菜。

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ゴマ和え、勿論美味しゅうございました。

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ドジョウ?ではなくウナギをつかったうざく。

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島根の甘酢はやはり甘みが  強めだが、それが飯に合う。

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地元の養鶏農家さんの平飼い玉子。これが実に美味しかった!

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お寿司は具材も豪華だが、米が赤米なのである。赤米を出すところはけっこうあるけど、旨いのにあたることはあまりない。しかしここの赤米寿司は実に美味かった! モチ感だけじゃなくうるち米の食感も強く、なんら不思議のない寿司飯だった。

そしてデザートはミスター竹谷の肥後グリーンである!DSC_4178

本来は10日後に食べ頃になる、ということはいま食べてもそれほど旨くないはずだが、すでに糖度16度に達している果肉は実に甘い。 追熟させるとさぞかし風味が乗り、トロッととろけることだろう。それだけに取り立ての実だったのが残念~ 一番食べ頃のメロンを食いたかったぁ!

この日いたメンバーに、もともとは肉牛生産農家への指導で廻っておられていた若手の方が居た。島根県は黒毛和牛の大産地だ。おもわず黒毛和牛品種の系統の変遷について話が盛り上がった。今度ゆっくり話をしてみたいものだ。

そんな楽しい会のあと、宿に戻って弁当をあけた。申し訳ないが一枚も写真を撮ってない。夢中で食べてしまったからだ。

動物性タンパクが大好きな僕にはややヘルシー過ぎる弁当だが、実に美味しかった。本当にご馳走様でした。

それにしても安来市、かなり恐るべしである。