やまけんの出張食い倒れ日記

オリンパスE-P1で、自宅モードの堀江純一郎の料理を撮った。外部フラッシュを使うとこんな風に撮れる。しかしながら、オリンパスオンラインショップの対応は稚拙だ。

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オリンパスのE-P1はかなり好調な滑り出しをみせているようだ。オリンパスアンチがけっこう多いので、画質がどうの、デザインがどうのと言われるけれども、実際に使ってみるととても優秀なカメラだ。もちろん完全無欠ではなく、欠点というか欠落している部分が多いわけだけども、ユーザーはそれはわかった上で買っているのだからね。単純な画質でいえば、これまでのフォーサーズ史上、最もよい部類に入るだろう。フラッグシップ機であるE-3を所有しているが、正直、そのボディの中にE-P1のエンジン部を載せ替えたいくらいだ。

で、購入をためらっている人の声の多くがフラッシュを内蔵していないということらしい。そう、E-P1にはフラッシュが内蔵されていない。このため暗所での撮影ができないからイヤだという人がいるようだ。

けど、、、僕にとっては内蔵フラッシュを、実際に光を保管するために発光させて使うことはほとんどない。理由は簡単で、レンズが向いている方に光があたった写真は、影がくっきりぎちっと出てしまい、使えないからだ。暗所撮影の場合でも、ISO感度をおもいきり上げて撮るほうがまだマシだと思う。E-P1は前にも書いたように、歴代フォーサーズモデル史上、もっとも高感度の性能がよい部類に入る。それに加えてボディ内手ぶれ補正がかなり効くので、厳しい条件でもけっこう手持ちで撮影が可能だ。

ただし、僕の撮影スタイルでは外部フラッシュは欲しいところだ。今回、E-P1のオプションとして売られているフラッシュは、先に書いたようにレンズの向きにしか光を当てられないものだ。これじゃ、使えない。ので、E-3やE-410に着けていた外部フラッシュFL-36を装着して、料理撮影をしてみた。

料理人は、しばらく前まで麻布のラ・グラディスカのシェフを務めていた堀江純一郎氏。もう識っている人も多いだろうが、8月からなんと奈良にて、東大寺の真ん前で新店「イ・ルンガ」という店をオープンする。

実は岩手県からオファーされている、短角牛の料理人向けセミナーでの調理を、今年も堀江君に担当してもらうことになっていて、実際に出す料理を事前に試食することになっていたのである。しかも堀江君の自宅にて!

(以下、撮影はオリンパスE-P1、レンズはMZD14-42mm)

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某所の堀江家からの風景。

今回の短角セミナーは、料理人と料理ジャーナリストに向けたクローズドなもので、テーマもちょっとマニアック。短角牛の、スネや肩やネックなどの、いわゆる硬くて不人気な部位を使う技術についての会だ。サーロインやヒレは何も言わなくても売れるが、本当は人気の低い部位がうれてくれないと意味がない。

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「肩でもウデでもネックでも、料理人の腕があれば美味しくできるよ!」

というのが堀江君の言葉。頼もしい!

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「このネック(首肉)みてごらんよ、ゼラチンがこんなにはいってスゲー旨そうだろ!」

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すでに奈良の新店の準備が進んでおり、仕込みはそちらでしてきたものを東京に持ってきているのでスピーディー。

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これはメイン。まずはすね肉のボリートを酸味の効いたバニェットソースで。

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すね肉の周辺についている脂はプルプルになり、ホワッと溶けてしまうくらいの柔らかさ。ソースの酸味と合って、シツコサもなくさっぱりと美味しい。

「そういやさ、奈良にもなかなかスゴイ肉があるんだ。やまと牛っていうんだけど、黒毛なのに、赤身がものすごい味なんだよ。」

と彼が出してくれたのが、未経産で32ヶ月齢と長く飼った黒毛和牛のヒレ。

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ふうむ

E-P1の話に戻るけど、塩を振ったり胡椒を挽いたりという突発的で動きの速い場面では、フォーカスを合わせるのがちょっと間に合わない。置きピンをしようと思っても、マニュアルフォーカスに切り替える間に動作が終わってしまいそうなので無理。ま、これは「決定的瞬間」を狙うためのカメラとして設計はされていないのだから仕方がない。

でもストロボを使ってバウンスしての撮影だけど、かなりいいでしょ?

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このやまと牛のヒレ、もの凄く美味しかった! 黒毛のみに特有のあのぶどうのようなコッテリした香りと、奇跡的にサシが入っていないことで赤身中心となったヒレ肉の旨味が実によいのである。堀江君も「ああ、黒毛の佳さが凝縮されてる、、、」と目をつぶって味わっていた。

黒毛はこんなにも旨い肉質なんだから、頼むから意図的にサシを入れないA1~A2くらいの肉を充実させていただきたいと思ってしまう。

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さてお次はパスタ。

「本番では肩肉のラグーを使ったパスタだけど、今日はもう一品、つくってあげるよ」

と、生ポルチーニのタヤリン(タリオリーニ)を作ってくれた!

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「キノコは、焼き色が付かないと旨味が出ないからね。水分を飛ばしてもっと火を入れる。」と、強めに火を入れる堀江君。短角牛のブロードを注ぎ、味を調整。

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イタリア北部ではタリオリーニをタヤリンと呼ぶ地方があるという。そのタヤリンを手打ちにしたものを用意してくれていたのだが、

「これ、奈良の新店用の秘密兵器。」

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むむむっ この緑は何の色!? 実はこれ、新店オープンまで秘密。きいてちょっとビックリ、そして納得の食材が練り込まれているのだ。

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うーむ、フライパンをあおっているところは、正直E-P1での撮影では追随ができない!

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完成!牛のブロードに塩胡椒とシンプルな味付けだが、たっぷりのポルチーニの味わいと香りは逆に前面に出る!そしてこの謎の緑の風味が、その旨さを際だたせてくれた!

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さて、本番用の肩肉のラグーも。

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すでに仕込んであるラグーを温める。

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麺は中空の穴あきパスタ、ブカティーニ。

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できあがり。

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ブカティーニのぶっとい、しかもシコシコしたアルデンテの食感と、肩肉のサクサクというような適度な硬さの肉の食感がまたマッチしている。これぞラグーだな。挽肉のミートソースと、こうしたカタマリ肉のラグーとはちょっと違う感じがする。

そしてセコンドの、ネック肉のローズマリー風味ロースト!

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煮込みに見えるが、これはローストなのである。肉を焼くときに香味野菜を一緒にいれて、その野菜の水分が肉に移るようにすることで、肉がバサバサにならずネットリ焼き上がるわけだ。

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ネットリとした食感に焼き上がった濃厚な首肉だが、ハーブの香りが ほのかに効いているので、飽きることなく食べることが出来た。

そして最後の最後、スネ肉の赤ワイン煮。

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こうしてみると、どの肉も断面に特徴がある。スネ肉はやはり繊維感がつよいかんじだ。

いやー堀江君ご馳走様。で、昨日開催されたセミナーは大・大成功に終わったのでありました。その模様はまた今度書きましょう。

 

さてE-P1である。いつもの僕の写真と同じと思ったかも知れないが、これはE-P1にストロボをつけた、冒頭の画像のようなスタイルで撮影している。

この時、ストロボの向きは上か横に向け、白い壁面か、または厨房のステンレス部分にあてて、できるだけニュートラルな色の光が被写体にあたるように考えて撮影している。そうすると、こんな風に撮ることができるということだ。

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バウンスだけだとできることに限界はあるが、それでもストロボ無しよりはぜんぜん進歩していると思う。外付けストロボがでかいから、結局コンパクトなシステムにならないじゃないかと言っている人もいるようだけど、いやいや一眼レフのシステムとは比べものにならないほど小さいシステムになるよ。

 

しかし!

本題とは全然違う問題がある。今回僕はオリンパスのオンラインショップで予約購入をした。買ったのは本体にレンズなど全部入りセット(最も高額)である。

それなのに、、、送られてきた荷物のなかには、保証書に貼るための販売店シールがついていない。それどころか、依頼しておいた領収書もついていない。領収書が別送でくることはよくあることなので、3日ほど待ったが、音沙汰内ので連絡。

「あ、領収書ですねー 承ってますので、別送しますね。そこに保証書用シールも同封します」

しかし、、、その電話をして5日経つが何もきません、、、

保証書と予約購入票をあわせてキャンペーン事務局に送ると、これまでのフォーサーズ用のレンズをE-P1に着けることが出来るアダプタをもらえるので、速攻で手に入れたいのだ。なのに、保証書として機能させるためのシールがない。オリンパスからはなんの音沙汰もありません。

なんのために小売店や量販店ではなくオンラインショップで買うのか。安い値段で買いたければ、発売後しばらくすれば、量販店にいけば安い値で買える。しかし、少しでもメーカーに近いところでおつきあいをしたいという、ユーザーの気持ちがあるから、予約で定価で買っているわけだ。なのになぁ、、、こんなんじゃぜんぜんだめだ、オリンパス。

ある雑誌でE-P1のレビュー記事を書くことになっているんだけど、このままだとその撮影に、フォーサーズアダプタの入手が間に合わないような気がしている。それならそれでしょうがないけどね。

ところで、僕のブログを読んでいる人づてにきいたんだけど、「最近、カメラの話題が多いね。もしかしてメーカーからカメラもらってるんじゃない?」という疑問を持っているひとがいるようだ。

、、、(笑)

ぜひ、貰いたいもんだねぇ。けど、一切無いんだね、これが。

カメラメーカーはすでに一流のプロカメラマンに機材を提供しているわけで、ブログに細々と書いている人間なんて相手にしていないんでしょう。全部自腹でごんす。でもそれでいいのだ。好きなこと書けるからね。

ということで、大阪に出張行ってきます。