和歌山に来ています。和歌山市からみかんの産地である有田へ、卸売業者の津田君の車で移動。
「なんか食いたい食いたいのある?「丸三」の中華でもいっとく?」
と聞いてくれるが、ラーメンという気分ではない。ガッツリご飯ものが食いたいな、、、
「じゃあ、しばらく前に開拓したすげぇ店に行こう!」
と向かったのが、すばらしきネーミングの店であった!
なんと
「フライヤ」である!
なにがメインの店なのかわかりやすい!全編カタカナというのがなんとも昭和の旅情を誘う。フォントもいい感じ漂いまくりだ!
店内は正しき洋食屋の呈。面白いのは、テーブルの並んだ客席スペースよりも厨房の方が広く、しかもオープンキッチンというか、中が丸見えである。
写真ではちょっとわかりにくいが、右の方にもっと奥行きがあり、若い衆がきびきびと立ち働き、清潔な印象が漂う。
さてこの店の名物はタンシチュー1300円(単品)。
「ほぼ7割は、タンシチューにライスをとって食べとるねぇ」と津田君が言う。
じゃあ、じゃあ、タンシチューは食おう!でもフライヤだから他にもね、、、ということで、どどどんと食ってしまった。
■カツカレー
これぞ洋食屋のカレー!黄色みの強いルーはまさに小麦粉から炒めたのが明白。しかし、各種スパイスの香りはかなり強く深く、「家庭のカレーの味」とは一線も二線も画す。
そして、洋食の命であるドミグラスの味の傾向を知りたいのでハヤシライスを頼もうかと思ったんだけど、なんとなく「特製オムライス」が気になる。通常のオムライスの300円増しの違いは何だ?
■特製オムライス
うん、かっこいい!
けど、普通のオムライスとの違いはわからずじまいだな、、、一緒に頼まないと違いはわからんね(笑)
ほどの佳いチキンライス(ハムライスらしいが)は単品でも食べられるようだ。よーくあおって炒めてあるようでぱらりと切れがいい。
しかし出色なのは上にかかっているドミソース! これがまた、小麦粉を極限の二歩手前くらいまで炒めた、もう少し行くとコゲ香と成りそうな、ぎりぎりの炒り加減。強い香りと粘度の高い、まさに白飯を食い進めるためのパワフルドミグラスである!
そしてこのドミソースをフルに使って、分厚い牛タンを三枚煮込んだのがこいつだ!
■タンシチュー
うーむ
外観、最高! テリテリに輝くのはドミソースの衣だ。角度を変えてもう一枚。
この盛りは東京ならば1800~2000円は行くな。奥の黄色いのはキャベツのピクルス。スパゲティにはマヨネーズソースがからめてある。
タンは箸で切れてしまうほど柔らかく、、、では、ない!
実に噛み応えのある程度の強い食感が残されている。これはたぶんに戦略的にこうしているんだろう。飯を食べる時に、柔らか過ぎると満足感がないもんね。タン特有のしっかりシコシコした食感がイイのだ。
それにしても最高なのは、くどいようだけどドミグラス。
この粘性の高さがご飯との相性になっている。ハムライスとのマッチングもばっちり。やばい、次回も再訪したい!
■ミンチカツ
フライヤだからね、やっぱり揚げ物を、、、
どでかい俵型のが一個くるかと思ったら、中型のが二個。
うん、これはまあ、王道の味。衝撃度はタンシチューだな。ちなみに揚げ物のトップに書かれていたのはビフカツ。きっと旨いんだろう。
いやー、満腹。本来は小食の津田君にいつもつきあってもらっていて申し訳ないのだが、チョイス最高。和歌山はかなり食い倒れで遊べる!
そして一路、有田へ。
みかんの会という出荷団体にて近況をききつつ、サンドポニクスという砂を培地に使った養液栽培栽培で大葉(青しそ)を栽培する生産者さんの圃場を視察。
サンドポニクスという名前の通り、培地は隔離ベッドに入った、20センチ程度の砂の層。あまり深く根を張るものはできないが、葉物のならOK。
これが養液チューブ。むちゃくちゃ細い!
ここから点滴のように養液をおとして栽培するのである。
こう書くとはやりの「植物工場」と間違える人もいるかもしれないけど、全然違いますからね。人間の手で肥料の濃度や水分調整をする、技術集約型農業です。
いま、植物工場がフィーバーしているようだけど、経産省の補助が付いて、営業に躍起になっている施設メーカーに踊らされる他産業が非常に哀れだ。正面からいってもうまくいくわけないのに、、、
季節はみかんの花の開花時期。
果樹の中では、みかん類は最も可憐な花を咲かせると思う。本当に可愛いし香りがいい。
めしべの根本に緑色のボールが見えるが、あれがみかんに成長するのである。
ほら、ね。植物の生長と分化は不思議で、精妙だ。
夜のうちにマグロ養殖で沸く串本に移動。今日は船に乗ってきます。暑い一日になりそうだ、、、