島根県の反田組の若頭から連絡があって、実は先日書いたごぼうがあと一ヶ月くらいで収穫だそうだ。ので、もしかすると都内でも買えるかもしれない。その際はまたここに書こう。
ちなみに現在の牛蒡はこうなっているようだ。
すでにビニールのトンネルは取りさられ、大きく成長フェーズになっている。素晴らしい!収穫が楽しみである。
さて
一夜明けて、同じホテルに泊まった木次乳業の佐藤社長に見送られながら、講演時間まで産地を廻らせていただく。
まずはJA斐川(ひかわ)。斐川町は松江と出雲の間にある街。斐伊川という、宍道湖に流れ込む大きな川があるため、肥沃な土地がしかも平野で拡がっている、農業にはとても条件のよい地域だ。
そしてこの街は、農協が新しい商品を企画・開発し、農業者を引っ張っているよい事例に数えられるのである。
この方が営農部長の石川さん。昔、食品関連の展示会に参加したときに、斐川にはなーんも売るもんがない!そしてなーんにも顧みられない!ということに衝撃を受け、米などを漫然と造るだけじゃなく、積極的に商品開発に関わらなければならないと開眼したという。
そこから試行錯誤を続け、さまざまな斐川のキラーコンテンツが産まれたという。いま、非常に人気が高いのがハトムギ。斐川では全国的にトップレベルの作付け(100ha!)をしており、最近、雑穀商品で有名なメーカーであるベストアメニティ社の契約栽培をしているという。
ハトムギは漢方の「よくいにん 」という立派な効果をもつ作物。これを発芽させたもので麦茶にしている。
味も芳ばしくてよし、しかも発芽しているので栄養成分も期待が出来る。発芽ハトムギと通常ハトムギでは3倍程度の有効成分量の差があるということだ。
営業一課の飯塚さん。
この農協の人達は、眼がとても活き活きしている。
第一、事務所内の女性達がはきはき、シャキシャキと仕事をしておられた。
僕はいろんな農協に行っているが、女性事務員達の挙動、挨拶の対応のしかたなどでだいたい、その農協で働く人達のモチベーションがみてとれるようになった。やっぱりやりがいのある、責任を持たせる仕事の仕方をする農協は、勢いがいい。適度なハリが、事務所内の空気に満ちているのだ。 ここ、佳い農協だと思う。
実際、隣接した直売所には毎朝開店前に行列ができるほどだという。
「山本さん、実はうちのもう一つの名物がこれなんですよ!」
なんと、ひまわり(向日葵)油 である!
最近、菜種油などの国産油脂植物に多分に関心を持っている僕だけれども、向日葵油はなかなかお目にかからない。そう、実は向日葵は観賞用でもあるけれども、油脂植物なのである。
このいかにも高級そうな一品は日清オイリオのギフトに選ばれた商材だという。日本で500円! うん、それくらいしていいと思う。
これ、僕の事務所にも贈っていただいたので、後日ぜいたくに揚げ物に使ってみたい。その際にはレポートしよう。
その他にも、向日葵油を塗った手延べうどんやそうめんなど、つぎつぎと開発商品が出てくる。これは面白いなぁ! 課長さんも、展示会で得たショック・屈辱を昇華してバネにして、いろんな食品メーカーと対峙して、ここまで来たという。いい顔の農協職員がいる地域は、農業も活気があるのである。「農協って悪いんでしょう?」という単純な二元論は、役に立たないのである。
さて次の産地への移動中、あまりにいい感じの風景に車を停めていただき、撮る!
気持ちいい景観だなぁ、、、
農業を守らなければならない理由として僕は何より、この農村風景に価値があるという一点を重視したい。東京の荒涼とした風景の中にしか生きられなかったら、僕は死んじゃう、、、出張の多さで、こうした景観に触れることでかなり気持ちのリフレッシュを出来ていることは否めない。
さて次は「今在家(いまざいけ)」という地域の農業生産法人だ。
平野部ながら、稲作農家が集まって集落営農をしている組織だ。
稲作主体で、組合員の土地を区切って再配置しながら作付けしている。
ただし稲作だけでは、、、ということで、観光ぶどう園・いちご園を展開している。そこで年に数回、消費者向けイベントを 行う際に「だんだんネギ焼き」というのを造るそうだ。うわーーーーーーーそれ食べたい!と思ったけど今日は無理とのこと。残念だ!
こちらのネギは典型的な青ネギ。
これをたっぷり使ったお好み焼きのようなものらしい。今度はぜったいに食べるぞだんだんネギ焼き!
さてここが直売施設。
いちご園は高設ベンチでの栽培。
選果場内では組合員のお母さん方が選別作業をしている。
品種、なんだったっけ。章姫だったかな、、、
「この辺が美味しいから、食べてご覧!」
とお母さんが声をかけてくれる。
中までしっかり完熟していて美味しい! コクのある甘みである。イチゴは糖度よりもコクだよね。
こちらがぶどう園。かなりいろんな種類のぶどうがハウス別に植えられていた。
視察時はまだ若芽が出るくらいの時期だったが、今頃はもうそろそろ花から実に変わりつつあるだろうか。
さてここから会場に向井、講演開始。
そして次回は、、、久しぶりにサシのたっぷり入った黒毛和牛を食べることになる。しかしながら絶品!きちんとした血統できちんとした肥育をかけた黒毛は旨いというのを再認識したのである。
こうご期待!
これから淡路島に行って参りま~す。