納豆メーカーの組合である全納連さんとのおつきあいについては以前書いたとおりだが、その後も月イチで段ボール一杯の納豆が届く行事が続いている(笑)
先月送っていただいたのは、東京都は青梅市にある菅谷食品!
ここの納豆、いろんなラインナップがあったけれども、僕が気に入ったのはこれ。
え、なにが?と思われるかも知れないが、容器に注目して欲しい。通常、こうした納豆容器に使われているのはPS(ポリスチレン)容器。コストが安く、温度管理しやすく、湿度も保たれ、均一に菌がまわってくれるということだ。でも、僕は以前からこのPS容器の乱造が気になっていた。
菅谷食品が取り組んでいる納豆容器は、サトウキビから糖蜜を搾り取ったあとに残る残渣であるバガスから作られている。種子島や沖縄などの製糖工場では、大量のサトウキビが搬入される。こんな感じだ↓
ちなみに畑ではこんな感じで刈り取られる。
小さな製糖工場では、こんな感じでローラーに手でサトウキビを差し込み、汁を搾る。
この後の、汁を搾られた滓がバガスである。
このバガスをパルプ状にして納豆容器として再利用するというのは非常に素晴らしい取り組みだと思う。石油製品であるPS容器を使うより好ましいはずだ。もちろんコストは高くつくはずで、それはちゃんと買う側が支えていかなければならない。
菅谷食品の国産有機大粒納豆。このシリーズで小粒納豆もある。タレも有機、からしも無着色とこだわっているところに注目。
菅谷食品は納豆の製造方法もかなりこだわっている。まず、通常は原料大豆を釜のなかで蒸すのだが、この時すこし圧力をかけてしまうので、煮汁と共にじゃっかんだが風味が飛んでしまう。これを避けるために特注の蒸し釜を使い、せいろ蒸しの原理で下から上記を柔らかくあてる方式にしている。そうすると、味や風味が逃げない。
こうして蒸し上がった豆に納豆菌を混ぜて醗酵させるわけだが、醗酵室にまた仕掛けがある。室内で炭火を炊いて、遠赤外線で暖めて醗酵を促進させているというのだ。
果たして、菅谷食品の納豆は豆の風味がしっかりしている。しっかりしすぎて雑味成分のようなものまでも感じてしまう製品があるくらいだ。バガス容器で気になる納豆の醗酵度合いもきちんと菌が廻っており、良好。
こういう製品を造っているメーカーは応援しないといかんでしょう。
菅谷食品というメーカーの納豆を見かけたら、容器に注目!ぜひ買ってあげてください。