国産小麦の逆襲! 北海道産小麦にこだわることは、製法にこだわることでもあった! 望月製麺所のラーメンを食べてみないか!?

2009年1月 5日 from 出張


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北海道・札幌の朝、ベジカフェ マークルでの朝食後、泉田社長の車で一路伊達・登別方面へと向かう。
PB064667 泉田さんが社長を務める望月製麺所は、登別にある。この辺は、昔のドラマに地名が使われていたよなぁ、くらいしか僕の中では登別の名前が存在していない(失礼!)という地域だったりする。伊達周辺もあまり縁がなかったので、本格的には今回全く初めてということになるのだ。工業地帯を抜け、コンビナートのようになっている地域を横目にみながら登別に入る。

ちなみに泉田社長とは、昨年中にブログを通じて知り合い、麺を送ってもらった。へえ、北海道にも気骨のあるメーカーさんがいるんだなぁ、と思ったものだ。その後、僕が北海道では必ず食べるラーメンサラダのことを書いたら、「ラーサラ三郎」を送ってきてくれたのだ。そう、この記事だ↓

■ラーメンサラダが家で作れるなんて、なんていい時代になったんだ! 望月製麺所 泉田さんとの邂逅
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2008/07/post_1193.html

その後、「ぜひ伊達周辺の農家を集めるから、話しに来てよ」といっていただいていたのだった。んで、昨日の札幌・江別での仕事に絡めて、今回伊達での講演が実現したわけだ。

「ここがうちの会社です。狭いけど、工場みてってください」

ちなみに望月製麺所は、泉田さんの奥様のご実家だから、姓が違う。泉田さんはもともと建築デザインの仕事をしていたのだけど、しばらく前から製麺所の仕事を手伝って欲しいといわれてこちらにも参戦したということだった。
PB064668 オフィス内に入って、奥のスペースに通されると、横尾忠則の大判ポスターが3枚飾られたポップな部屋!そして泉田さんが使う端末は、もちろんマック(笑)!
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アナログのプレーヤーが滑らかに針をなぞっている。車の中で話をするだけでも面白かったけれども、泉田さんは相当に楽しい遊び人なのであった。 PB064744 だから、会社の雰囲気も実にキッチュでポップ。中央が奥様で、左側の方が社員さ。お猿さんはなんのためにここにいるのか、、、(笑)
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「さあそれじゃあ、 うちの専務が工場内をご案内しますから」

専務さんとは、奥様の弟さん。実質的に製造段階すべてを監督する方である。PB064743

「そうですね、まずは粉の倉庫に、、、」

といって通された粉置き場には、当たり前のことだけど北海道産の 、国産小麦ばかりである。粉の袋をみていると、いろんな銘柄がある。素材である小麦については商品知識がそれほど無かったので、非常に面白い。PB064679 PB064680 「道産小麦といってもいろいろありますからね。でも、ここまで道産小麦にこだわった製品作りしているメーカーもあまりないと思います」

さていよいよ製麺の現場へと階段を下りていく。
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綺麗な卵色のロール状になっている生地を発見!
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ラーメンマニアであれば垂涎ものだろう。最近、自家製麺をするラーメン屋さんが多いから、製麺行程をみることができる場所が多くなっては来たけど、専門製麺所はやはり規模が違う。
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生地を練り、圧延して熟成させたものをさらにここからローラーにかけて西面していく。このローラーがすげー長いのである!
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こんな遠い道のりを経て延ばされた生地がカットされ、そしてちぢれを入れられて、麺になって出てくるのだ!
PB064709  PB064715 おお!なんとも美しい麺姿ではないか、、、
PB064708 ここで専務に、疑問に思っていたことを尋ねた。

「あのですね、こうやって望月製麺の面を見ると、とてもふんわりした印象の麺だし、実際に茹でると柔らかめですよね。これは麦の性質なんですか?」

「いや、違うんですよ! よく札幌ラーメンの店でみかける、ちょっと堅めでのびにくい、透明感のある麺がありますよね。あれは、粉末状のグルテンを多めに加えて硬度を高くしているんです。そうすると伸びないし、袋のなかで汗をかかない(結露しない)ようになるんですが、残念ながらせっかくの麦の風味がでなくなります。」

あーーーーーーーーー あのゴムっぽい麺はグルテンを添加することによってできる麺なのか!

「そうです。もちろんそれがいいというお客様もいらっしゃいますし、取り扱いがよくなりますから悪いものではありません。けれどもうちとしては、せっかく北海道産小麦にこだわってやっているので、麦の味と香りを前面に出したいんです。ですから、グルテンをあまり加えません。」

PB064737 いやーなるほど、麺づくりの方程式のなかに、その答えがあるのであった。たしかに望月製麺所から送られてくる麺類は、冷蔵庫でほうっておくと麺がくっついてしまって、さばきにくかったりするのがある。「なんだよー面倒だな」と思ってしまうこともあったのだけれど、あれは風味を保持するために断腸の思いで選択している結果なのだった。 PB064739 「最初はかなりクレームも来たんですけどね、、、でも最近では、やっぱり他のメーカーさんと比べて「あんたのところの麺じゃないとダメなんだ」といって下さるお客様も増えてきています。実は本州のお客さんがとても多くて、わざわざ神奈川県まで発送したりしているんですよ。そういうお客さんの場合、例えば陳列するまでこれくらいの温度の場所に保管してくださいなど、お願いをしたりしています。」
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同社の麺が関東でも買えるというのは、ちょっと嬉しい話だ。
やっぱり、望月製麺所の麺は明らかに旨い。関心のある人は、この記事の最後に掲載した同社のネットショップから中華麺を買って、スーパーに並んでいるものと食べ比べをしてみて欲しい。明らかに、麺だけを食べたときにプンと強くただよう麦の香りが違う!道産小麦は旨いのだ。PB064691 もちろん中華麺だけではなく、うどんや蕎麦も製造している。このラインでは日本蕎麦を造っていた。もちろんそば粉は道産だ。
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こちらは茹で蕎麦の製造段階。   PB064717 初めて見たけれども、こういう風になっているのか!
バケット状の網の中で茹でてさまして処理する。
PB064719 PB064721 PB064722 PB064730 うーむぜひ大人の社会科見学コースとして組み入れたいものだ。
こんど、望月製麺所と道産小麦の見学というのをやってみたら、面白いだろうか?PB064733 こちらは特産物のアロニアという果実を使ったうどん。
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こちらは特別栽培小麦を使ったうどんと、伊達の小麦を 使った商品。望月製麺所はこうした新規開発のスピードが異様に早い。泉田社長に連絡をすると「いま、○○をテスト中でねぇ」という返事がよく帰ってくる。PB064742 「うちは商品開発は積極的にやります。大手にはできないところで頑張りたいのでね!」というのがポリシーなんだろう。

専務の言葉の中で印象に残ったのは、下記のやりとりの中にある。

「道産小麦を使いたいというニーズは、最近の穀物高騰で出てきたニーズなんでしょうね」

「いや、やまけんさんそれは違います! 道産小麦は明らかに外麦に比べて美味しいんですよ!それは毎日製品をイヤと言うほど造っている私たちが、自信を持って言えます。美味しいから、他県からも引き合いが来るんですよ!」

ふうううううううううううううむ

いままで粉モノには造詣が浅かった僕だが、これはきちんと勉強してみないといけないなと実感したのである。

それにしても中華麺の味の方程式について、専務にはよく教わった。今度、違った観点で望月製麺所の製品を味わってみたい。

「さぁて、じゃあ講演前にラーメン食べてもらいましょうね。」
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なんと、望月製麺所は飲食店も展開している。その中で、地元のショッピングセンターのインショップにあるラーメン「鉄平」に連れて行っていただいた。
PB064755 PB064759 社長の趣味が出まくった、凝りに凝った格好いいインテリアである!
PB064787 店長をまかされているのは、ご実家が地元の中華料理屋さんだという御仁だ。
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ラーメンラインナップは結構いろいろとある。
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「どれ食べたらいいですかね?」

「うーん 力をかけたのは塩だけどね。でも味噌も醤油も旨いよ」

じゃあ、塩と味噌をいただきまーす! 醤油は、泉田さんのをスープだけ分けてね。PB064769  これが塩ラーメン。
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ちなみにこの店は「無化調」である。

スープを啜ると、鶏に魚介系を合わせた濃いうま味が強い。ラーメンだけはさっぱりしたのが好きな僕には、ちょっと旨味が強すぎるとも思ったが、美味しいスープだ。

こちらは泉田さんが頼んだ醤油味。かなりおごった仕様で、再仕込み醤油をタレに使っているらしい。
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みよ、このてりてりと美味しそうな黄色に輝く麺を!PB064775 こちらが味噌ラーメン。
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札幌系の濃厚さではなく、かなりすっきり上品で、しかしリッチな味わい深さが保たれている味噌味だ。PB064780
ここのラーメン、3杯とも全部、実にレベルの高い味だった!
結論としては醤油が一番好きだ。とっても奥深さが表現されたタレだった。

旨味がたっぷり過ぎるラーメンをあまり食べない僕としては、もう少しスープのアミノ酸量を抑制しても佳いな、と思った。

「うーん 本当は僕はもっと単純な味を求めてるんだけど、店長がいろいろ実験するんですよ(笑)」と泉田さん。

なんと、ここに限らず、飲食店で出す料理の味はすべて泉田社長が決めているという。

「ラーメンのブイヨンの仕様も、タレの中身もすべて僕の脳のなかに保持してます。」

うーむ、底の知れない人だ、、、 PB064783
昨年、なにかと話題になった餃子。もちろん国産どころか道産小麦の餃子である。
PB064784 ラーメン二杯+餃子でかなり満腹になりながら、講演会場に向かう。
北海道中小企業家同友会が企画してくれた講演会場には、地元のスーパーさんなどいろんな業種の方々が集ってくださった。

二次会含め、盛況。もっとゆっくり情報交換したかったが、それは次回へとつなげたい。

それはともかく、泉田さんの望月製麺所は楽天でショッピングも行っている。今回紹介したものも含め、かなり面白いラインナップ。道産小麦麺の味をきちんと識りたい人はぜひ訪れて欲しい。

 

■望月製麺所
http://www.mochizuki-seimen.com/index.html

■楽天内のショップ
http://www.rakuten.ne.jp/gold/mochan/