僕が会員となっている食生活ジャーナリストの会の恒例のシンポジウムが今週末に開催される。
「食育」と「地産地消」は、近年では水戸黄門の印籠のように、食の分野での「佳いことの代表格」とされているようだ。でも、全国の事例を見回してみると、まさに玉石混淆。食育と名をつけた製品説明会だったり、大メーカー主導の食育型プロモーションだったりすることも多かった。そういう背景から、どのような食育があるべきなのかということを問うたのが昨年度までの「食育シリーズ」。
そして今年度は、もう一つの印籠である「地産地消」だ。耳に心地よいこのフレーズを聴いた人も多いだろうが、それじゃ現在、地産地消というキーワードにまつわり、なにがなされているのだろうか。そうしたことをテーマとしたシンポジウムになる。
「地産地消」を検証する
――その可能性と限界
そして食生活ジャーナリストにできることを探る――【企画の趣旨】
最近、「食の安心・安全」のために、できるだけ近くでとれた農産物や水産物を食べる「地産地消」という運動に関心が集まっています。
各地でさかんに行われている食育活動でも「地産地消」という言葉が頻繁に登場します。農林水産省も、生産者と消費者との“顔が見える関係”を築くためにという位置づけで地産地消を積極的に推進しています。また、遠方から食料を運んでくることはエネルギーの無駄づかいであり、地球環境にも優しくないからという理由で「地産地消」を提唱する人たちも大勢います。
「地産地消」は、四文字熟語特有のゴロのよさにも押されて勢いを増し、流行語大賞にさえ選ばれそうな気配です。
しかし、食品の安全性も日本の食料自給率もエネルギー問題も日本人の健康と長寿も、何もかもが「地産地消」で解決するわけではない、と警鐘を鳴らす人もあります。
食生活ジャーナリストの会としては、地産地消がなぜ大事なのかということを確認すると同時に、四文字熟語特有のゴロのよさにひかれて「地産地消」が本来の目的とは別に安易に使われていることはないか等々を、いろいろな立場の方をパネリストとしてお招きして、冷静に考えてみることにしました。
ということで、詳しくはこちらをご覧いただき、申し込んでいただきたい。
■食生活ジャーナリストの会 シンポジウム詳細
http://www.jfj-net.com/activity/2008/11/jfj2009.php
僕は、昨年度まで3年間幹事としてやらせていただき、今年度からは年季明け(笑)で一息着いていた。今年度スタッフも協力だ。佐藤代表の小気味よい仕切りを楽しみにしたい。もし会場にいらっしゃる方がいれば、お声がけくださいね。