以前にも書いたと思うけど、いま、満足度が最も高い蕎麦は山形の蕎麦だ。技術的な問題はどうだからしらないが、山形県で食べる蕎麦は日本のどこで食べるよりも、食後感が素晴らしい。そのポイントは、そばつゆにあると思う。東京ではそばつゆは濃いめだが、山形ではたいがいの店が、蕎麦をずっぽり漬けて食べて、それでちょうどよい濃度に設定されていることが多い。蕎麦の旨さに加えて、ダシをけちらぬその姿勢やよし!山形にいけば、なにはなくとも蕎麦を食べる。それはそういう理由なのである。
で、某日、米の新品種「山形97号」の正式名称を検討するために山形に向かった。この日の早朝はNHK生活ホットモーニングという番組に出演したので、それが終了してからダッシュで東京駅にいき、山形新幹線に飛び乗った。
米沢を超えて、上山温泉に至る途中の風景が、実にダイナミックで大好きだ。
山になんだかよくわからないものが覆い被さっているのは、山肌に植えられたブドウ(デラウェア)の雨よけハウスだ。
この辺から、小さな田圃が点々と続く。春になったらこのあたりをレンタカーで、心ゆくまで写真を撮りながら移動してみたいと思っている。
さて、会議が終わり、山形県庁の農林水産課・芳賀さんと一戸さんとそば屋巡りである。
■蝋燭庵(あかしあん)
山形県山形市大字新山161
023-629-2134
とにかくこの店、隠れそば屋のごとくにわかりにくい場所にあるが、直下を川が流れており、素晴らしい景観である。晴天の日にきたら最高だろうなぁ。
僕を山形そば好きの道に引き入れた張本人達が、この芳賀さんと一戸さんだ。一戸さん(右)はそれに加えて、 僕を「まあ・どんな会」に引き合わせてくれた恩人でもある。
いつの間にか一戸さんは折り紙の達人になっていた、、、(笑)
幸いなことに新そばが入荷しているということだ。ここは一発、どかんと板そば(3人前)2100円を注文。
さっそくなにもつけずに数本すすってみる。
「!」
芳賀さんと僕が無言で見合う。 実に実に素晴らしい、そばの強い香り!
程よい硬さに引き締まったそばを噛みしめると、特有の香りがほどけた後から、実に甘い汁がにじみ出してくる。うーん、これは最高だね!
「香りが強いね。もしかして粉は”でわかおり”かな?」
「あ、今日はキタワセだそうですよ」
「そうかぁ、キタワセでも新そばはこんなに香りが味が強いんだな」
そば湯も濃度たかく、これに自家製の梅干しを落として呑むというスタイル。
この梅干し入りそば湯が実に佳い。酸味で口の中が引き締まる。いや、堪能いたしました。
しかし、3人前と書いてはいるけれども、正直なところ僕はもう一枚食える。いや、時間さえあれば食いたかった!もう少し盛りが佳くてもいいぞぉ。
この後、芳賀さんのお住まい近くの農家レストラン「エルベ」にて、これまた懐かしいお顔、須藤さんと再開!
ピザをいただきながら、僕が山形県の方々といろいろ関わりをもたせていただいた2003年あたりのことを回想する。うーん、前の会社にいた頃だ。
あのときと今とでは、状況があまりにも違う。けど、やっていることやマインドはあまり変わっていないように思う。
山形の皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします。芳賀さん、いつもご案内いただいてありがとうございます!ご馳走様でした!