温暖化の影響か、日本の産地も大幅な気候変動に見舞われている。従来、「ここは●●が美味しいんだよ」といっていた産地が、日中の気温が上がってしまうことで栽培好適地ではなくなるというケースが本当に多くなってきている。
作物の美味しさに最も直結するのは日中と夜の寒暖差だ。イメージとしては、日中に光合成したエネルギーが、夜間も暑くなってしまうと消費されてしまうという感じ。だから、昼と夜の温度差が大きければ大きいほどよい。山間地の米が旨い理由はそれだ。で、長野の東御市周辺は、そういう意味では面白い産地になりつつあるのだと思う。
永井農場は、マルイの溝口さんから紹介していただいた。その前から、ウェザーバケットの横山社長からも「意欲的で面白い農家さんがいますよ!」と教えていただいていたので、会うべくして会ったなぁ、という感じだ。 ずどーんと大柄な体躯にオーバーオールがトレードマーク。永井進君は、僕と同い年の37歳。この年代、最近スゴイやつにあたりまくりだ。
永井農場は米20ha、酪農25頭、畑作、ブドウといった複合経営をする農業法人だ。スタッフはみな若く、女性率も高く、実にエネルギーに満ちた経営体だ。 右側は農場町である永井君のお父さん。これまたオーバーオールがよく似合う!
その永井農場の中でワイン事業部としてあったものを、さきごろ独立した会社として発足させたのがリュードヴァン Rue de Vin という会社だ。その中心人物が小山英明さんだ。
写真はそのブドウ畑。シャルドネ、カベルネ、メルローなどの各種ワイン用ブドウが栽培されている。その栽培理論をいろいろ伺ったが、実に素晴らしいものだった!
200本しか製造されていない、2007年度のシャルドネをいただく。なんとその産地であるブドウ畑の目の前で飲むのだ。
うーん、コレ本当に日本のワイン?と叫んでしまった! 非常に強い凝縮感。これは遠からずものすごい評価を得ることになるんだろうなぁ、ということが約束されたような味だ。
一泊二日の旅で凄まじく色んなところを廻ったのだけど、最も心に残ったのはこの東御市の環境だった。
さて、これから大阪~滋賀~京都~青森~高知の連戦。今週は東京にはほとんどいません。