母校である自由の森学園高校の生徒に、「日本の食の現状と今後」ということで授業をしてきた。大教室に集まった生徒が静かに聴いてくれるかどうか心配だったが、生徒達はそこそこの集中力を発揮して聴いてくれていた。しかも、ハッとするようなひらめきを見せる生徒も居て、うんうん、やっぱり我が母校、と嬉しくなった。
「ありがとうやまけん、昼飯は食堂でなんでも食っていってくれ!」
と校長の鬼沢さんが言うので食堂に勇んでいく。自由の森学園の食堂は、「食生活部」という部門で運営される、全国的に極めて珍しい中高生に対する食育を20年以上続けてきた食堂だ。詳しくは過去ログをどうぞ。
今度、僕が所属する食生活ジャーナリストの会という組織の勉強会の一環として、この自由の森学園の食堂を見学・食事をさせていただくという会を、10月~11月の平日のどこかで企画している。一般の方も、数人くらいは参加出来る可能性あり。午前中から行くので、仕事に就いている人は難しいかも知れないが、もし希望されるひとがいれば僕にメールをいただければと思う。食堂のバックヤードや、保存食なども見られるはずなので、貴重な会になると思う。
さて食堂にいくと、泥谷(ひじや)さんが待ちかまえていて、「さあ、やまけんちゃんには全部食べて貰うわよ!」と、その日のメニュー全てをお盆に載せてくれた!
この日のメニューはポークソテー、筑前煮、甘塩鮭(自由の森の塩鮭は実に高品位のものが使われていて旨い!)。これに、カレーとスパゲティカルボナーラという布陣だ。生徒は食券機で食べたい定食や単品を買い求め、列に並ぶということになる。
もちろんパスタなどに使用される原材料もすべて吟味されている。目の前に座った高校生達にも分けてあげながら、ワイワイと食べた楽しい昼食だった。
さてその帰り道、タクシーで飯能駅まで(自由の森学園から飯能の駅までは車で15分。つまり歩くと1時間、山道を進むことになるのだ!)向かう最中に、「あ、運転手さん停めて停めて!」と叫ぶ。
飯能銘菓である「四里餅(しりもち)」を買うためだ。
運が悪いと午後早めに売り切れてしまうこともあるのだけど、この日は3時近くなっても残っていた!
こしあんと粒あんの双方入りを買い求める。10個入りで950円くらいだったかな。これ、伝説的に旨いお菓子なのだ。
極めてフカフカと柔らかい餅。その中には程よい甘さの餡が詰まっている。
この餅の部分が、本当に本当に柔らかい!
あまりに魅惑的な食感!
自由の森学園卒業生の多くが、この味を忘れられないで居るのだ。
餅、みよ~んと伸びるの図。
ああ、俺は飯能にいってきたんだな、と強く実感する瞬間だ。
ちなみに一つ伝説がある。大学2年生くらいの時、同期の本城しんのすけをこの自由の森の公開研究会という、外部の人たちにオープンして授業内容などを公開するイベントに呼んだことがある。思えばしんのすけはこの時から教育を主な関心事としていたのだなぁ。
その帰り道、同行していたうちの母が、「しんのすけ君に四里餅かってあげるわよ」と、たしかこの10個入りを(20個いりだっけ?)買ってあげた。そこで別れたんだけど、夜飯は腹一杯、飯能で食べたにも関わらず、その夜のうちに「旨い!旨い!」と全ての餅を食べてしまったのだという。あれ10個一気食いはどうかと思うぜ、しんのすけ。
でもまあ、気持ちはわかる、それだけ旨いんだ、四里餅。飯能にはまだまだ一杯、旨いものがある。住田屋のつけ麺とかね。今後もちょびちょびと書いていくことにしよう。