最近、僕たちの世代で地球は終わってしまうのではないだろうかと、なかば本気で思うようになってきた。毎日毎日、アスファルト上で熱波を感じる。東京だけかと思いきや、岩手の二戸でも32度。山の上に登っても暑いのには参ってしまった。その暑く強烈な日差しの中で、短角牛の子牛が暴れるのを押さえて予防接種をしたりしている杉澤さんらには頭が下がる。
温暖化の進行によって、今後は日本の農産物の産地が変わっていくだろう。ある品目の栽培に適する土地を「好適地」というが、昭和から平成の現在にかけて、基本的な作型というものが定義されてきた。つまり、関東では耐病総太り系大根の播種(種蒔き)はいつ頃がよくて、収穫はいつごろ、、、というカレンダーだ。しかし、数年前からそうしたカレンダー通りにはいかなくなってきている産地が多いようだ。今日もある大根産地の方々が来ていたのだけど、「今年の播種時期をどうするか、みな迷っている」ということだった。
温暖化を止めるためには電力消費やCO2排出量を削減することが重要と言われているが、さすがに僕もそうは思いつつ、ここ数日の暑さでは日中の冷房をとめることが難しい。でも元来、人間は食べ物で熱さ対策をしてきた。夏野菜の中でも、とくに瓜類は体を冷やす作用が大きい。キュウリ、スイカ、メロンなどはてきめんだ。ナス科の果菜類、トマトやナスもそうだ。夏場に体を冷やしすぎると、秋頃から腎臓が重く感じて調子が悪くなるのだけど、でもこういう暑さが続くと、そんなことも言っていられない。
で、キンキンに冷たくて旨いものを食べるのが吉、というわけだ。賀茂ナスが届いていたので、分厚くカットして、高温の油で素揚げし、タッパーに濃いめの下地を満たした中に漬けて一晩寝かす。生そばを茹で上げて、これもキンキンに冷やした水で〆て、キンキンに冷えた汁で冷やかけそばにする。油と出汁を吸った賀茂ナスのとろけそうな食感と香りがたまらないご馳走だ。写真に撮る間もなく、ナスの断面が美しい一杯目食べてしまい、お代わりにナスの端っこ部分を乗せたのが写真。ほんとは中央部を分厚く切った賀茂ナスがいいんだけどね。
明日からは藤沢から送られてきたスイカを食べる。その分、ちょっとでも冷房を止められることを祈るばかりだ。