今年も家に、最高のコンディションの千住葱がやってきた!
千住葱は、北千住駅からほど近い場所にある、全国でも唯一の「葱専門市場」で取引される、長葱の最高ブランド品だ。詳しくは下記の過去ログをご覧いただきたい。
この千住葱、ほとんどが料亭や料飲店、そば屋といった高級な業務用に廻ってしまうため、個人で入手するのはなかなかできない。が、先に挙げたエントリにある葱茂では、個人向けにも宅配便で送ってくれる。
ただし!
量は半端じゃない。
縄でくくられたその束には少なくとも30本くらいがみっしりと結わえられているのだ。
一本一本がずしりと密度の濃い、先から根本までほぼ一直線に太さのブレがない立派な葱だ。
ちなみに葱商から買うと、このように葱の根っこがグワッと付いたままで取引される。
実はこの根っこを囓ると、葱そのものの味がして美味しい、ってのは過去エントリに書いたとおりだ。根は茎を模倣する、いやその逆なのか?植物は面白いのである。
同い歳、てことは年男?の葱茂の跡継ぎである安藤君に電話で作柄をきくと、まったく聞き難いしゃべり方でがなり立ててくる。意訳するとこのようになる。
「あのね、今年の葱は最高! マジで旨いよ! 最近のなかでグンバツだね!」
それはそうだろう、冬野菜の超豊作が続く好条件の中で初期生育をし、そして気温がようやく下がってきて、寒にあたって甘みと辛みが増してきているはずだ。このずしりとした存在感のある葱を手にしたら、スーパーの店頭で買うのがためらわれてしまうのだ。
まずは一本全部を使って長ネギパスタ。今までアーリオ・オーリオを作るときにはニンニクと鷹の爪を弱火でじっくり火を入れて薫りだししていたのだけど、今月号の「専門料理」ではあるシェフが「一気に強火をいれて香りをギリギリまで引き出す」という書き方をしていたので、最近試しているのだ。そこへ大きく斜め切りした葱を放り込み、諸井醸造所のしょっつるを2ふり、糖度12度の熊本県八代産・塩トマトのざく切りを入れて蒸し煮。強めの塩で茹でたリングィーネがまだ硬い内に投入してサルターレ。
そんなに火を入れていないのにトロトロになる白ネギの甘さは凄まじいものであった!
魚醤との相性も最高。30本全部使い切るのは大変だが、これは全部俺が食う!