いやー 本当に秋田県の内食文化はスゴイ!
過去数回の秋田編に密接に絡んでくださっている、県職員の佐々木一生さん。昨年後半に秋田再訪をした際に、全ての行程をアテンドしてくださった彼が、別れ際にこういっていたのだ。
「僕も秋田を売り出す仕事をしていますけど、イズシをはじめとする伝統食品を自分で作るってことは、これまであまりしてこなかったんです。けど、今年の冬はオフクロにイズシの造り方を習って、うちで嫁さんと漬けてみようと思っているんですよ!上手くできたら送りますから!」
イズシとは飯寿司で、つまり魚を米麹で乳酸発酵させた保存食だ。金沢のかぶら寿司や、鮭やホッケ、カレイなどを使った北海道のイズシと同じものである。しかし、佐々木さんもまさか本当に送ってきてくださるとは思っていなかった。それが昨日、届いたのだ! 本当に頭が下がる、、、
しかもそのイズシは、これまで食べてきた魚のイズシの中で最もダイナミックかつおおぶりなものであった!
でかい!とにかく材料のハタハタがすんごくデカイのだ。ちなみに卵がたっぷり見えているのがメスのハタハタ、つまりブリコである。卵が生っぽいけど、ダイジョブなんだろうか。こんなスゴイの食べたことないので、ちょっとこわごわと腹の部分にかぶりついてみる。
瞬間、イズシ特有の乳酸発酵された自然な酸味と、たおやかな発酵香がルルーッと鼻を通っていく。葉に力を込めると、ルチルチルチッとブリコが強く弾ける! 骨も全く気にならず、そのままがぶがぶとあっという間に一匹丸ごとを食べ尽くした。しかしブリコの強い弾力に、顎が疲れる! けれど、、、こいつぁ 最高に旨い!
思わず感動して、夜分にもかかわらず佐々木さんに御礼の連絡をしてしまった。
やはり日本の醗酵文化は素晴らしい。そして日本中に分布するなれ鮨のバリエーションの幅に、ひたすら感服するばかりだ。
佐々木さん、ごちそうさまでした!
日付が変わって本日、柴田書店主催の食材研究会だ。大根まみれになってきます!