岡山県高梁市の職員であり、僕のブログの読者であり、そして昨年の今頃に築地の「うまいもん屋」にて奇跡的に遭遇して意気投合した友達の徳田君が、とある仕事の件で上京。
「はい、おみやげは例のモノ。」
と、どさっと保冷バッグごとくれたのは3-4kgくらいのイノシシ肉だ。
イノシシ肉。そう、あのエントリを思い出す人は何人くらいいるだろうか。昨年もこうしてもらったイノシシ肉をシシカツにして食べたのだが、中身をレアめにして揚げて食べたところ、「寄生虫がいるからしっかり火を通さないとダメ!」とご注意をいただいてしまった、例の事件である。
■いのしし旨い!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/12/post_695.html
■いのししは生で食べてはいけない! という反省。
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/12/post_696.html
これをふまえて、今回はもうきっちりびっちりとダレからも何も言われないような食い方をしよう、と決意しているのである!
さていただいた猪肉は実に色んな部位が入っている。脂の乗ったバラ肉は猪汁にして、スネ肉等はラグーに煮込み、そしてロース肉をカツに揚げることにする。今回の猪は若干年齢の高めのものかも知れない。なにせ、ロースにびっちりと脂がへばりついているのだ。この猪の脂をラードがわりに溶かしてカツを揚げることにしよう。そういう意図のもと、ロースを切り分けていく。
左上に脂塊がみえるだろうが、実際にはこの5倍くらいの山盛りの脂身がとれた。これを中華鍋に入れ、じくじくと弱火を入れて脂を出していく。鍋半分くらいの脂がたまり、脂身は肉粕と化した。こいつを焼きそばにいれれば富士宮焼きそば風になるな。
こちらはラグーにする用。赤ワインで数日間煮込んでトマトペーストと香味野菜のソフリットをぶち込み、肉を食べた後、ラザーニャのラグーソースに使う予定。
そういえば徳田君と一緒に来ていた近藤さんから、高梁市のある地域でしか採れないというゴボウをいただいた。
これで作ったきんぴらも持ってきてくださっていたのだが、これがマジ絶品。
ゴボウの香り、歯触りはキッチリとしながら、筋張ったものが全くなく、歯がすんなりと入っていく。しかしそれは「軟らかい」という食感ではなく、ゴボウを食ったという満足感が残るものなのだ。非常に上品なゴボウ。
断面を観ると筋っぽいものがまったくない。美しいゴボウである。品種は特に変わったものではないらしく、とにかくその地域の土質によってこの性質が顕現するらしい。こんど高梁市に行った際にはぜひ産地を訪れてみたいと思う。ちなみにこのゴボウはぶつ切りにして、味噌ベースの猪汁に投入。
猪肉は煮込めば煮込むほど軟らかくなり、味も抜けない。
バラ肉の半量をカリカリになるまで炒りつけて、それで出汁を取ってから、最後の方に半量のバラ肉を投入する。そうして食べてみると、最初に投入して出汁ガラとなったはずのカリカリ肉の方が旨いと感じるのが不思議だ。
そして、、、メインイベントだ!
今年のシシカツはキッチリと火も通し(そのために若干薄切りにした)たので問題なし。
塩も強めにしておいたのでそのままカリッと噛みしめてみる。獣臭ではない、猪のコクのある香りがブワンと口中に満ち足りる!
旨いぜ!
ちなみに僕は亥年生まれ。次の3月で36歳、年男です。その僕が猪を食うのは許されることなのだろうか、、、なんてことは考えず、ひたすら肉を摂取するのであった。
徳田君、ごちそうさま!
あれほどあった猪肉は順調に消費されています、、、