2006年7月19日 from 出張
いやぁ、久しぶりに興奮大爆発である。やっぱりこういう地域食・B級ネタは燃えるなぁ、、、
巾着茄子三昧を味わった後、小林さんとお別れした後、ジンが車中で言うのだ。
「やまけんさん、長岡市民のソウルフードを食べませんか?「イタリアンと餃子」っていうんですけどね、、、」
「イタリアンと餃子」?なんじゃその組み合わせは、、、?
ジンがクックックと笑みを浮かべているということは、なにかひねりがあるに違いない!
「もちろん行こうじゃないのぉ!」
ナス三昧におにぎり数個でけっこうお腹はふくれているものの、こうした話に乗らない僕じゃない。
大きな街道を走っていると、ロードサイドの大型店が建ち並ぶ中、「フレンド」というレトロ(というか本当に古い感じ)調な看板が見える。
「ここですここです!」
とジンが駐車場に入っていく。
ドライブスルーと書かれた店外受取所があるが、見た目はケーキとかの製造直売工場みたいな建物である。そしてメニュー板には、イタリアンと餃子が確かに書かれている。へぇええ、スパゲッティのファーストフードか、それは珍しいな。銀座・ジャポネ、大手町・リトル小岩井のようなものだろうかと思いつつ入店する。
店内は客席が異様に広く、テーブルやソファが60~70席くらいあるだろうか。
アメリカンな接客カウンターにメニュー群が立ち並ぶ。
ちょうど、昼のピークが過ぎ去った1時くらいということもあってか、女の子が一人で切り盛りしているようだ。さっそくメニューを見てみる、、、
餃子・イタリアンが各300円である!安いねぇ、、、
しかしその取り合わせすごいなぁ。
その横にはカレーイタリアンなるものも。
「じゃあ、イタリアンと餃子、カレーイタリアンで行きましょう!」
とオーダー。すると店の女の子が、厨房奥の鉄板でジャッジャッと炒め始めた。
そして数分後、、、
衝撃の一品が僕の眼前に置かれたのである!
む?
こ、これって、、、
焼きそばじゃないか!
焼きそばの上にラグーのようなソースがかかっている!?
そしてこっちは、焼きそばの上にカレーソースがかかっている!?
餃子は、かなりきちんとした餃子だが、、、
これが長岡市民のソウルフード、「イタリアンと餃子」なのである!
ぐぁああああああああああああああああああああああああああああ
久々の衝撃だ! ハートを打ち抜かれた!
もう、カメラマンの八木澤さんも興奮しまくりである。
「いやぁーこんなベタなのって久しぶりだよ」
ジンも、はしゃぎまくる僕たちをみながら大笑いしている。
「俺たちがガキの頃って、このフレンドに入って、イタリアンと餃子とソフトクリームっていう黄金のトライアングルを食べるのが夢だったんですよ(笑)。おそらく長岡市民すべてが食べているのがここのイタリアンです。」
なるほどぉ、、、本当にソウルフードなんだな。
さてこのイタリアン、はっきり言って大好きな味である!
中太の、歯ごたえを残した蒸し麺を、薄味にソースで炒め焼きそばを作った後に各種ソースをかけるというこの手法、かなり買いだ!確かに中華では焼きそばに餡をかけることがある。ただその場合には、麺自体にはそれほど濃い味付けをしないのが普通だ。その伝からいえばこのフレンドのイタリアンは実に独自なものだと言える。創業者さんは偉い!
しかも笑ってしまうのは「カレーイタリアン」である。焼きそば上にカレーソースがかかっている。ということは「イタリアン」という要素が何も入ってないにもかかわらず「カレーイタリアン」なのである(笑)
素晴らしいではないか!
ソースの味はチープな感じだが、週に一度食べたくなる味である。僕はカレーイタリアンのほうを気に入った。
ちなみに餃子のできはかなりよい。
自前の工場で作って居るんだろうけど、野菜餡がたくさん入った、非常に良い味出してる餃子である。
「この店はかなりこだわっている部分もあるんですよ。ドライブスルーは、実はマクドナルドより古い歴史があるそうです。日本で初めてドライブスルーを始めた店なんじゃなかったかな。休日は今でもドライブスルーに車が鈴なりになることがありますよ!」
なんと!
時間的に閑散期にきてしまったから僕らだけしか店内にいないが、この地域の子供連れ家族には大人気の店なのだそうだ。そういえば壁に「幼稚園・学校の遠足むけ注文承ります。雨天キャンセル可能です」という張り紙がかかっている。50個、100個単位で子供達に配られるイタリアンのテイクアウト箱が目に浮かぶ。それにしても「雨天キャンセル可能」が実に味を出している。
コーヒーもなんだかこだわっているみたいだし、この店、実に面白いのである。長岡に1週間くらい滞在する用事があれば、毎日通って全メニューをオーダーしてみたいと思ってしまった。
これまた実にチープで良い感じの味わいのソフトクリームを食べながら店を出る。この店、ハプニング的に寄ったわけだけど、あまりに気に入ってしまったので、後日、本部に取材許可をいただき、この時のことを週刊アスキー誌面に載せさせて頂いた。こういう地域食が、僕は大好きなのである。
その後、町中に入ってから、フレンドの店舗を発見!写真だとわかりにくいだろうけど、、、
「実はこういうタイプの店がもう一軒あって、そこではなんとホワイトソースをかけたやつもあるんですよ!」
まじ?
また行きたい店が増えた。
新潟県長岡市のソウルフード「イタリアンと餃子」は、本当に心に響く地域食であったのだ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
本サイトの著作権はやまけんが保持します。出版物・放送等に掲載される場合はご連絡を下さい。トラックバックはご自由に。