飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を拡大しつつある通信会社であるウィルコムのマツケンこと喜久川さんから「また飲みましょう」というお誘いをいただいた!それというのも、喜久川さんと僕の共通の知り合いがまた発覚したからである。
なんとも面白いことに、以前政府関連の仕事でご一緒したTさんの弟さんがウィルコムの大株主となった投資会社カーライルのウィルコム担当者であり、そのことから喜久川さんもその兄貴さんをご存じとのこと。と字面で書くとわかりにくいけど、当事者にはかなり意外な取り合わせで驚きつつも笑ってしまった。
場所は阿佐ヶ谷のトルコ料理「イズミル」。年末にバードコートで喜久川さんと飲んだ際にお薦めしておいたのだが、ご夫婦でちらっと行かれたらしい。
「すごく美味しかったですよ!で、W-ZERO3で写真を撮ってたら、店の女将さんに『もしかしてヤマケンのお友達?』って言われましたよ(笑)」
ということだ!エリフ、貴方は勘が鋭いなぁ!
でも、その時は喜久川さんも何が旨いのかが分からなかったらしいので、再度イズミルにて私めがご案内しようという趣旨である。僕をイズミルに紹介してくれたおうさるさんが居ればベストの布陣だがまあ仕方がない。役不足ながらイズミル案内をば引き受けましょう。
いつも店内が綺麗なことに驚くイズミル。そういえば食い歩きを生業とするさる御仁も、店の清潔さと美味しさは比例するとおっしゃっていたな。そういう店ではイズミルは楽勝で合格だろう。
店にはいると、エリフとスレイマンが出迎えてくれる。女将のエリフは最近オーバーワークで疲れ気味だったようだが、少し元気が戻っていた。
「今日はヤマケンが注文しなくてもどんどんスレイマンが料理を出すって言ってるョ!」
いいじゃない、どんどん出してよ!
スレイマンがトマトソースを煮込んでいる。「何それ?」ときくと「イスケンデルケバブ!」といっていた。ああ、俺の大好きなイスケンデルのトマトソースはこうやって作っているんだな。
さて喜久川さんとTさんがやってきて、早速食事開始!
Tさんは元々は日本を代表する投資銀行で働き、そして今は某社で投資関連の仕事をしている。って書くと何が何だか分からないが、僕と彼が顔を合わせることになった政府関連の会議の席上で彼が喋っていることは10分の1も理解できなかった、、、とにかく難しい仕事をされているのである(笑) ちなみに彼の通称は”BFB”。ビッグファットブラザーの意味であり、当然100Kg超の食いしん坊である。
■レンズ豆のスープ
野菜や豆を多用したトルコ料理は、優しい味がベースだ。
このレンズ豆のスープも、レンズ豆をブイヨンで煮たものをミキサーでドロドロにした感じのポタージュで、実に優しい味わい。そしてこれについてきたレモンを搾って酸味を足すと、がぜん輪郭のはっきりした、ぴしっとした味わいのスープに変化した!
■トマトのドルマ
喜久川さんが先日食べた時に絶品だったというドルマ。
「でもね、この料理は温かいともっと美味しいと思うんだよなぁ」
とおっしゃっていたら、、、
「今日は作りたての温かいのがあるよ!」
とエリフ。喜久川さん、よかったですね!
温かいドルマを割ると、中から出てきたのはプレーンな米ではなく、松の実や様々なナッツ類とスパイスで味付けされた、濃い色の米である。一手間かけたなスレイマン!通常の優しい味に深さがプラスされている。冷えたドルマも美味しいが、人肌程度にぬくもりの残ったドルマだと、旨味が活性化してダイレクトに味蕾に感じることができる。
「おっ これは美味しい!」
と喜久川さんもご満悦であった!
■前菜の盛り合わせ カルシュク・メゼ
いつみても美しいこの盛り合わせを、円盤形パンであるエキメッキにつけてわしわしといただく。この時点ですでにBFBことT氏は「ウマいっすねぇ、トルコ料理いいなぁ、ヘルシーだし!」とかなりの系統ブリをみせていた。
■キュウリ、トマト、スマックのサラダ
キュウリとトマトのサラダはトルコでは定番らしく、チーズを加えたり色んなバリエーションがあるが、本日はトルコ特有のスパイス「スマック」をまぶしたものだ。これがなんとも形容しがたい風味で、日本にはない香りを与えてくれるのだ。次回からサラダこれにしよう、マジ絶品。
■名前、分かりません。
トルコ風肉じゃがだろうか。これも見た目通りゆったりとしたマイルドな煮込みだ。トマトのオレンジかと思うがそれほど酸味は効いていない。ホロホロと崩れるまで煮込んだ鶏肉とジャガイモがあまくしっとり混じり合う。滋味。
■スレイマンスペシャル
出た!
これがスレイマン必殺の料理である。26日に刊行される「食い倒れ日記東京編」にも登場するこの料理、実に手の混んだスペシャル料理なのである。
よく揚がった茄子を半分に割ると、中からシシカバブ様の羊肉とマッシュルームなどの具がボッと出て香り立つ。形容できない風味の絶妙な味付け、肉の塩加減はベリーベスト、これにトロリとした食感の茄子と焼きトマトとあわせ、うっすらとかかっているオイリーなソースを絡めて食べると、もう最高なのである!
「ぉおおおおお これは美味しいね!」
と喜久川さんも大喜びである。
■これも名前わからない
「はいこれ ヤマケンはまだ食べたことないでしょ?」
とエリフが運んできてくれたのが、小麦粉の生地で挽肉を包んで加熱したものをヨーグルトソースで食べる一皿だ。
トルコの肉料理、肉のままだけではなく、なんらかの旨味成分を足していることが多いようだ。例えばドネルケバブは薄切り牛肉を巻き付けて柱にするが、そのてっぺんに羊の脂を載せて、牛肉に複雑な香りが写るようにしている。この料理の挽肉も牛ベースだと思うが、下処理で何らかの味付けが成されていて飽きない。トマトソースとヨーグルトの酸味が絶妙に口中の油分を切ってくれるので、食べ終わってサッパリする。
「この小麦粉の生地がまた絶品ですね。スレイマンさんは本当に粉のマジシャンですね!」
そうでしょTさん!
そして超絶品のイスケンデルケバブが出てきたところで、カーライル社のウィルコム担当のお二人が登場!
「よかったねぇ こんなに旨い料理が終わる前に来られて!でもスペシャル料理はもう食べちゃったよ!ヤマケンさんのブログをみて悔しがりなさい!」
と喜久川さん大笑い。はい、載せておきます。カーライルのご両人、我々こんなの↑食べてました。
カーライルという外資の投資会社に対する知識はほとんど無かったのだが、そこで運用をしているのは実に面白い日本人であるということがわかったので、かなり距離感が解消。特に直接のウィルコムご担当責任者であられるM氏のキャラは凄まじかった!
「この人は飲みに行くと100%寝るんですよ! 初めて僕に会って飲んだ時なんて、ワインバーで僕の肩に頭を載せて寝るんで、周りの人にどう見えるかハラハラしながら飲んでましたよ!」
という喜久川さんの言通り、30分くらいすると目を半開きにしてお眠りになった!その写真もあるのだが、あまりに危険な画像と化しているため(笑)公開できません。
その部下さんであられるT氏はBFBの弟さんだ。なんと彼も前職で僕の友人と同期だったということが発覚。世界は狭い!
もちろんカーライルのお二人もW-ZERO3を常用!
「スケジューラとしても、電話としても使いまくってます!最高ですよこれ!」
そう、実はこの夜、このテーブルを囲んだ6人の中で4人がW-ZERO3を持っているという凄まじいW-ZERO3密度なのである。
一番右が喜久川さんのW-ZERO3、次の赤いのが僕専用シャーポン、次がカーライルT弟さん、そしてMさんのW-ZERO3だ!しかも皆、バリバリ使っているというところが味噌だろう。
しばらくW-ZERO3を使っていて思うのは、各所で指摘されているが初心者にはつらい端末だということ。初心者ってのは、PDAとかPocketPCについてである。PCとはお作法が違うので、慣れるまでに放り出してしまわないかどうかがポイントだ。
でも、付き合い方が分かると非常に心強いマシンだ。実際僕はノートPCを開く回数が若干減った。
W-ZERO3使い、しかも極めて濃いメンツ。この記念写真はかなり笑えるW-ZERO3コミュニティなのである。
さて
デザートは、これもスレイマンのスペシャル、バクラワ。
激甘のこのお菓子、手の混んだ逸品だ。噛むとジュワーッと染み出てくる蜜が堪らない。この甘さを濃いめのチャイで洗う。それと、新作デザートのチョコレートプリン。
これが実に超絶品!
「なんだこりゃ!」
「旨い!」
と声が挙がる素晴らしいものだった。
下半分がチョコレートになっているらしくスプーンを立てると染み出てくる茶色のジュース。プルンプルンのプティング地と混ぜるとマジで最高だったのである。
「デザートが旨い店はホンモノだよね。」
と喜久川さんが納得顔で言う。いやー最高。ちなみにこれを食べた時、カーライルのMさんは寝ていたので口にしていないはずだ。残念!
というわけでさんざん飲んで食った。
もちろん仕事の話は一切抜き!
しかしウィルコムのW-ZERO3やナノセルという技術は農業関連ではかなり使える。僕が運営しているアグリセンサブログで、今度採りあげようと思う。
この夜は不覚にも喜久川さんにおごって頂いてしまった。
「この店、美味しいし店主のコミュニケーションもいいし、何より我々の感覚からすると安いですよ!」
と絶賛していただいた。
素晴らしい夜をどうもご馳走様でした!