この国のお酢の中で、きちんとお酒であるもろみを醸し、静置醗酵して丁寧に造っているものは本当に少ない。その一つである「富士酢」の醸造元である京都の飯尾醸造と、就農塾を通じて縁が深くなったのは先記の通りだ。
その飯尾醸造の若旦那である飯尾君から便りが来た。
「昨年6月に獲れた紀州の梅、南紅梅と白加賀と氷砂糖を、紅芋酢と黒酢で漬けた『うめ紅酢』と『うめ黒酢』をお送りします。香りを楽しむお酢として、ヨーグルトやアイス、果物などにデザートソースとして使ってみてください!」
という文面とともにこの美麗な色のお酢二種がどっさり入ってきた!
梅酒は焼酎で青梅を漬けるが、お酢で漬けるというのは初めてだ。
早速お猪口に入れて味を観てみたが、酢酸のむせかえるような感じは皆無で、甘く綺麗な香りで美味しい!
デザートソースとして、という話だが、調度その日は海鮮丼を食べようと言う日だったので、そのご飯の酢飯に使わせて頂いた。氷砂糖が入っているのが、寿司酢の甘みの代わりになるかな、と思ったのだ。
ひろっきいのミルキークイーンを硬めに炊いて、「うめ紅酢」を少々回しかける。これだけで食べれば旨味を添加していないので酢のポテンシャルが分かるはずだ。
それにしても紅芋酢がベースにあるだけあって、アントシアン色素の赤がきれいに出ている!
今日の海鮮丼はゴージャス。マグロの漬けにブリの胡麻醤油漬け、そして頂き物のイクラ、そしてJA幕別の和ねんじょをすり下ろしたもので食べる。
結果的にこのうめ紅酢、寿司酢としてやや甘めだが素晴らしく美味しく使える!
梅のほのかな香りが、すし飯とびたっと合うのだ。濃いめの具を載せたのもよかった。紅酢のほうはこうやって飯粒がピンクに染まり、華やかな感じだ。これは使えるゾ!
そしてもう一方のうめ黒酢は、骨太な香りと味でこれもいける。すし飯にはちょっと香りが強いが、デザートソースにはこちらはかなり芯の太い、筋の通ったものになるだろう。
この二品、本日から新宿伊勢丹で飯尾君と彼の双子の妹さんが販売するそうだ。
本日より! 新宿・伊勢丹「伝統とモダンの競演 京都展」
1月11日(水)~1月16日(月)。午前10時~午後8時(最終日は6時終了)、本館6階・催事場にて。双子の兄妹、彰浩と淳子が皆様のお越しをお待ち申しております。(06.1/11up)
観に行きたいところだけどいけるかなぁ
飯尾君はともかく、可愛いと評判の妹さんに会いに行きたいと切に願うのであった。