注:本文中にある6店舗にカボスが到着するのが今週木曜日以降になりますので、それまでは頼めません。申し訳ありませんがご了承ください!
1ヶ月以上前になるが、大分県で講演をすることになり、県のご担当者さんからカボスをいただいた際にエントリを書いたのを覚えている方もいるだろう。
■この時期、香りカボスを存分に楽しもう!https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/09/post_636.html
その時期のカボスは、実に清々しい濃い緑色のカボスだった。被写体としては実に綺麗な、そうねぇ17歳くらいのまだ少し青い(実際に青いけど)少女といった風情の果実で、僕も自宅に即席でつくり上げた撮影環境のもとで気合いを入れて写真を撮ったのであった。
この、濃い緑色がカボスの完全版の色だと思っている人も多いだろう。しかし、、、実は違うのだ!
柑橘類は、未成熟の段階では全て緑色である。これが熟してくるとオレンジ色になったり黄色になったりする。ということは、、、そう、カボスも本当は黄色い果実なんである。
その黄色く完熟したかぼすがコレである。
どうだろう?これが完全版というか、本当に熟し切ったカボスの色なのだ。大分県の産地の人たちはもちろんこれもよく見かけているだろうが、関東などでこの話をしたり写真を見せたりすると、例外なくみな驚く。まあそうだよな、カボスといえば市場に出回っているのはすべて濃緑色のものだからね。
これはまあ流通上の政策というかそういうものなのである。濃緑の、未成熟ゆえに酸味と香りが強く、秋刀魚などの香りづけによいというイメージで売り込むためのものだといえる。
しかし、このカボスという果実、実は完熟してからの方が数段美味しくなる。
これは誤解をしてはいけないのだが、濃緑色の通常出回っているカボスが美味しくないわけではない。ただそれは、味よりも香り・酸味を主張するものとして売られているのである。対して樹上で黄色くなったカボスは、皮に入っていた香り成分が果汁に溶け込みまろやかな酸味になり、そして樹の養分を吸い込み
実に深い旨味が生成される。おそらく誰もが味わうとビックリするくらいの濃厚な旨味成分が存在するのである。
しかしながら
この黄色いカボス、実はほとんど出荷されていない。だって、周りでみかけないでしょ?
そう、流通政策上、販売ができるのは夏から出回る緑色のカボスだけだったのだ。売りにくいモノは売らないという市場の特性上、カボスのイメージとして強く印象付いている濃緑の玉しか売れないというのだ。
しかし
大分県人は知っている。本当は黄色いカボスの方が旨いんだけどなぁということを。
で、大分県のカボス担当の人たちも、そして大分におけるカボスの元祖・産地である臼杵市(うすき)の人たちも、この黄色のカボスの本格的な販促に乗り出している。
僕はこれを応援したい。だってマジで旨いんだもん!
本日山のように届いたカボス。さっそく何にしようかと思ったんだが、今日はトレーニングに行ってきたので甘酸っぱいモノを欲している。早速下の小さな店でサイダーを買ってきて、黄色カボスを絞り入れた。
これがもうマジックのように旨い!
ただのサイダーが、高貴な味と香り豊かなアペリティフになってしまった!
輸入レモンのように酸味だけが強い果実だとこうはいかない。豊かな旨味を含む完熟かぼすだからできることなのだ。
実はこのカボス、先述の大分県臼杵市から送られてきたものだ。臼杵では「うすきいろのカボス」という、実に洒落たネーミングでこの完熟カボスを世に広めていきたいという。そして先日の大分では、思いがけない展開でこの臼杵市長さんと出会い、臼杵市のカボスを味わい尽くしたのである。
その辺をこれからちょこっとお話ししていきたい。
その前に予告だ。
この完熟カボスを味わえるように、僕の大好きないくつかのお店に段ボールいっぱいに送ってもらえるよう、臼杵のカボス産地にお願いをしておいた。
「もちろん、喜んで送りますよ!」
そしてそれらのお店で完熟カボスを使って料理やデザートを作ってもらえるようにお願いをしてある。昨年はフレンチのカストールでカボスパイが登場した。今年はなにが出てくるだろう?
送ってもらう手配をしたのは、
寿司処 匠
日本橋ぼんぼり
日本橋ぼんぼり京橋店
ムニロ
バードコート
Bar オーパ 門前仲町店 ただし現在水澤君が海外出張中なので、対応は来週月曜日以降になります!
である。
今週中にはカボスが届くはずなので、水曜日以降くらいに上記の店にいって、もし興が乗っていればぜひ、「カボスでなにか」とオーダーして頂きたい。
では、時間をみながら大分・かぼす編を書いていきたいと思う。