さていよいよ決戦の日がやってきた!三日目、WCC(WorldCocktailCompetition)の予選とセミファイナルが開催される!予選を戦うのは48人。つまり48カ国の代表達である。ヨーロッパ、北米、中南米、アジア、オセアニア、南アフリカなど非常に多数。しかし多いのはやはりどうしてもヨーロッパ勢で、とくにフィンランドに近い北欧・東欧の選手団の数がひときわ多い。でも負けねーゾ!
ちなみに朝飯はビュッフェ。フィンランドの料理レベルは結構高い。いや僕らの泊まったホテルといったレストランに限っては、ということだが、明らかにマズイものは少ない。
特にパンが旨い!北欧特有のライ麦含有量が多い、白くないパンの醗酵した風味が実に素晴らしい。
それと名物の鮭などを使ったマリネなどが文句なしに旨いのだ。
この温燻にしたサーモンのマリネが美味しくて、毎朝さらに山盛りにして食べている。
ただしどの料理も甘味が強い。寒さに対抗するためにクリーム系と糖分がかなり多用されているのだと思うのだが、まだ三日目なのにもうその甘さに負けそうである。このサーモンももう少し甘さを控えてビネガーを効かせてくれれば最高なんだけどね!
昼飯はワンプレーとにサラダやクスクスなどを載せて食べる。クスクスにはトマトにドライフルーツが結構入っていて、その組み合わせが旨い。けど甘い。けど旨い。けど甘い。けど、、、(反復)
こちらでよくみかけるベリー類をさっと煮たもの。砂糖は使われていないが驚くほどに芳醇だ!こんなにフレッシュで旨いベリーがあればジャムとか食べたくなくなるね。
と、そんな感じで食事を楽しんでいる。けど日本人とくに水リンのお母さん達は、すでに醤油欠乏症にかかっているようである。実を言うと俺もそうです。どうやら、日本で慣れ親しんだ旨味の世界とかけ離れた食文化にはいると、滞在日数に関わらず日本食が恋しくなるのである。
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さてWCCの会場は、ホテルから歩いて五分のフィンランディア・ホールだ。ホテルから歩くとは誰も訊いていなかったのだが、その道すがらに湖があり、とても美しい。ホールもとても美しく荘厳な建築で、一室ではオーケストラが練習をしていた。優雅だ、、、
これが会場だ。思ったほど大きいスペースではないが、2Fロビーにステージがしつらえられ、椅子席が並んでいる。こういう会場レイアウトになるということも前日くらいまでは誰も知らず、情報が入ってこなかった。
この会場や、プロモーションで流される各酒メーカのロゴの膨大さを観ていると、IBAという組織が世界的に重要な位置にあることがよくわかる。日本からもサントリーの欧米担当者さんがロンドンから駆けつけていた。会場内には各メーカがブースを出店していて、その場でカクテルが楽しめる。残念ながらフリードリンクではなく六ユーロ(千円近く)のチケットが必要。
世界大会だけあって、出場している国々のテンションは相当高い!ナショナリズムがもろに出まくるお祭りだ。
大会一時間前に座った僕らの席の横についたデンマーク人達。いい歳したおっちゃんおばちゃんが、ワーワーキャーキャー騒ぐ。素晴らしい大会である!
バーコートに着替えた水リン登場。
今回はほとんど緊張していないようだ。彼は人一倍緊張性なのを、今回はメンタルトレーニングで克服してきた。その成果は非常に大きかったようだ!
さて時間になる。フィンランドのIBA参加組織の代表達によるクールな挨拶とアナウンスメント。日本ならば堅苦しく、笑いも全く交えない挨拶で始まるところだろうが、こっちの人たちはそんなつまらないことはしない!軽快なジョークで皆を笑わせ、必要最低限のことだけ伝える。実にいい感じの進行だ。
さて選手達がコールされる。48人の出場順は当日に発表される。なんと水澤君は41番目。どんじりから2番目の組で、審査員に印象が残りやすいいい順だ!
選手達は4人ずつ壇上に上がり、自分の申告した材料が揃っているか確認をし、審査員に囲まれながらスタートの合図を待つ。
競技スタート!各選手、自分のスタイルでカクテルを創り出す。
しかしこのスタイルっちゅうのがみなバラバラである。
日本の競技会を観ていると、きちっと所作を決めてかっこよく演技をしているのをみるのだが、どうも世界大会ではそういう優雅なバーテンダーとしての所作をつきつめている訳ではないらしい。いや、綺麗な所作を決めている選手も多いのだが、全く優雅さのないバタバタした作り方の選手もいる。
実はこの大会の基準というのを知らなかったのだが、要するに「旨いカクテルであるかどうか」が一番重要なんだそうだ。つまり、技術・技能と味覚という2つの流れの中で、圧倒的に味覚重視の審査がなされるということなのである。さあこれが吉と出るか凶と出るか!
ちなみに言い忘れていたが今回の大会のカクテルのテーマは「ファンシーカクテル部門」である。来年は「プレディナー」というようにこのテーマが変わっていくのだが、今年の「ファンシー」がどういうもんなのかを理解するのがまた時間がかかった。可愛いとかそういう意味じゃないらしい、、、ちなみに各選手が創り出しているのはこんなカクテルである。
会場内は、自国の選手を応援する人たちで興奮のるつぼだ。いい熱気が充ち満ちている!外は寒いが中は熱い!
ちなみにうちの嫁さんは、この日も和服で登場。ていうか、雨がぱらついていたんだけど、
「着なきゃ審査員がビビらないだろ!」
と僕が駄々をこねて無理矢理着てもらった。日本びいきを多くするための作戦である!
いやしかし一度に4人の競技なので、48組÷4人=12組は長い!制限時間は一回7分なのだが、セミファイナルまで含めると昼から7時間くらいは優にかかってしまうのだ。おおお疲れる~
と思っているうちに、水リンの登場である!前の組が競技をしている中、準備を始めるのだ。最前列で僕はカメラを構えた!
水リンの親族や日本応援団がぐわっと集う!さていよいよ戦いが始まるのだ!