さて帯広の夜はまだまだ終わらない。ここまでで、寿司一人前に焼き肉一通りと大盛りご飯を食べている。間に実は、帯広では知らぬ人の居ない雑居ビル「五番館」のスナックを挟んでいるのだけれども、そこでJA幕別の岡坂さん、相澤さんが「よしゃ、あそこ連れて行こうかぁ」と思い立った店があるのだ。
「ヤマちゃん、ギョーザ好きかい?かなり旨いギョーザ屋があるんだけどなぁ。」
「そうそう。ただそこはギョーザだけじゃなくてさ、スゴい麺があるのさぁ。」
そこでピンと来た!以前、こういう話を訊いていたのだ。なんでも豚丼の具、つまり厚切りの豚ロース肉を甘辛く焼いたものを載せたラーメンがあるということを、、、
「もしかして豚丼の具が載ってるラーメンのことスか??」
「ピンポーン!正解。さあいこうかぁ!」
うーむ 餃子だけならいいけど、また重そうな麺だなぁ、、、と思ったが、実は餃子もただ事ではなかったのであった。
名門通りから暫く歩くと、怪しげな看板を発見!
ラーメンとギョーザ、そして「ぶためん」とあるではないか!
■聚楽(じゅらく)
帯広市西1南9 サトウビル地下
0155-23-9787
「ヤマちゃんここだよぉ」
と言って地下に続く階段を下りていくと、カウンター席と座敷2角という店が拡がっていた。
品書きは通常のラーメン屋のメニューである。
が、その横に誇らしげに「ぶためん」と書かれている!830円という、ちょっと半端な価格は一体どういう意味があるのかわからんが、豚丼+ラーメンで考えると安いかもしれんと思うのであった。
「ここのオヤジはさ、『紅の豚』の主人公みたいな感じなんだよ」
と相澤さんがささやくが、まさにそう言う感じの渋いおっちゃんである。
正面から観ると立派な髭があるのであった。
「ギョーザ、3人前とぶためん2つ。」
ちなみに配分としては、僕と十勝やっちがギョーザ二人前とぶためん2つを担当する。しかし若い十勝やっちも「もう俺、かなりパンパンッス」とのたまっている。しっかりしてくれ!
などと言っている内に調理終了。
「はい、ぶためんどうぞ!」
来たぁああああああああああああああああ!
これがぶためんである!
まさに「豚丼の具を載せたラーメン」である。
それ以外にこれを形容する言葉はないと言えるだろう。よく見ると豚丼の具は、片栗粉でトロ味がついて中華餡のような感じになっている。試行錯誤の結果、これがベストと言うことになったんだろうな。
割り箸を割ってさっそく頂く。麺は中太の少しだけ縮れ麺。スープには、まあ特筆すべきところはない醤油味だ。しかし具の豚がとにかく多い!
この豚丼の具餡は甘めに調理されている。トロ味がついていることからも、正確には豚丼の具とはいえないかもしれん。味はナカナカ乙なものだ。もしこの店に夕食一軒目に来るのであれば、このぶためんにライスを頼んでディナー終了でもいい感じである。
しかし!
このぶためんと同じくらいのショッキングな物体が運ばれてきたのだ!
「はい、ギョーザ。」 (ドドーン!!!←擬音)
でけぇ!
とりあえずタバコの箱との対比で推測していただきたい。
しかも見るからに、皮が分厚くモッチリモチモチを通り越して腹に溜まりそうなプレゼンテーションである!
「聚楽の餃子は皮が命だからなぁ」
いやそうかもしれませんが、、、
しかし!この餃子が実に旨いのである!
予想通りもっちんもっちんとした皮と、きちっと熟成させた感のある、旨味と香りの強い餡が実にマッチしている。皮と具のバランス佳し!
「ヤマちゃん、ビックリダレってのもあるんだけど、食ってみな!」
と運ばれてきたのは、ニンニクと豆板醤のミックスされたようなタレである。
これがまた旨い!皮が厚いのでともすれば飽きそうになるのだが、このビックリダレの刺激はそれを忘れさせるのである。女性とデート中は食べない方がいいかもしれんが、、、(デートでぶためんとギョーザは食わないか?)
しかしこの辺で十勝やっちが完全に音を上げる。
「やまけんさん、もう俺無理ッス!」
ということで、ギョーザは1.7人前僕が食べた。でも、実に旨かったのであまり苦しまなかったゾ!
いやいやご馳走様でした!
JA幕別の皆様とはここでお別れ。
「んじゃ、わねんじょのこと頼むよヤマちゃん!」
と、代行で去っていく岡坂さん、相澤さんを見送り、そして十勝やっちと共に歩き出す。
さて、これで帯広の夜は終わったと思うだろうか?
昔からの読者さんは僕の行動パターンをおわかりであろう、、、
そう、このあと、最初にいった吟寿司に戻り、牛トロ寿司5貫つまんで行ったのでありました。
あー長かった。まだ一日目が終わったばかりだ。そして舞台は札幌へと移るのである、、、