僕にとって大阪と言えばカレー「インデアン」がある聖地である。それ以外にも街を歩くとカレー専門店が多く、はっきりいって大阪の方が東京のカレーより文化的に成熟しているように思う。そういえば大阪って、カレー以外にも専門店が多い。串カツとかね。東京では何でも揃えた店が多いが、大阪には専門業態で勝負する一徹者が多いということだろうか。それだけに一点集中型の凄みを感じるのである。
さて大阪のとある市場を歩く。やはり葉物野菜を中心に品不足が続いており、今年度で経営が成り立たなくなる業者がスゴイ数に上りそうだ。
写真は、はっきりとは書かれていないがおそらく輸入の白菜。今まで輸入品を安く叩いて来たのに、食料がなくなるとすぐに外に頼らざるを得ない。あまり殿様商売を続けていると、総スカンを食らってしまう。業界全体で、少量の安定供給を考える時期に来ていると思うが、、、
そんなことを考えながらも腹がへって仕方がない!
本日の昼飯はやはりカレー!大阪きたらカレーなんである。しかも、以前にコメントでタレコミいただいた「船場カレーのスジネギカレー」が気になってしょうがないので、行くことにした。向かうは「本町」である。センタービルという建物の北側にあるというので、それらしき立派なビルを探し当てたが、カレー屋なんぞどこにも無い!電話をすると、
「そっちのセンタービルじゃなくて、もう少し南にある『本町センタービル』ていう建物なのよ~」
という。なんだなんだと歩くと、東京の大手町のような印象の大通りではなく、雑多に店が軒を連ねる、いい感じのストリートが拡がっている。そこに船場カレーがあった。
■船場カリー
http://www.curryhouse.co.jp/
Webは小綺麗にまとまっていたので、よくあるフランチャイズの店かと思ったら、適度に庶民的で食欲をそそる外観である。こういうの好きだ!
階段を登り小さな店内に入る。Webにキャラクタとして登場しているおっちゃんと女将さんの二人で切り盛りしをしているらしい。
メニューを観る。
ビーフカレーなどあるが、コメントに書いてくださった方が「とにかくスジネギカレーを食べるべし。イカ墨が混ぜられていて、辛くて旨いです」と書いていてくれているので、スジネギカレー(950円)大盛り(200円増し)を頼む。
「あ、電話してきてくれた人? 申し訳ないんですけどネギが切れちゃってないんですよぉ~」
おおお残念! それでも仕方がないのでスジカレーの大盛り(1050円)を頼む。
「すぐ隣の建物にアネックスっていう支店があるんですけど、そちらだったらまだネギもあるかも知れませんよ。」
と言ってくれたが、どうせなら本店で味わいたいので、スジカレー大盛りを通すことにした。
「かなり量がありますけどいいですか?」
そんなん俺に訊かないでくれ! 全然OKです!
、、、ほとんど待たずに出てきたそれは、実に豪快かつ旨そうなカレーであった!
照り照りと艶やかに黒く輝くルーは、粘度が高い。インド系カレーが欲しい人にはまったく向かないと思った方がいいだろう。量的には確かに多いが、大盛りでこれくらいはあって欲しいという量だ。ちなみにインデアンカレーのご飯大盛りは僕には足りない、、、
ご覧いただければおわかりの通り、黒みが強いのはイカ墨の練り込みのせいだろう。これは実に旨そうだ!カレーの香りも強力にビンビンと立っており、ガツガツと食いたくなってしまった!
口に運ぶと、粘度の高さからまったりとした印象があったが、すぐにスパイスの香りと辛み、そして深い旨味がドワッと拡がる。こいつぁ旨い! ジャポニカ米に合うカレールーはこれだ。この粘度とアタックの強い旨味。イカ墨のせいか、辛さがダイレクトではなくまろやかにかつしなやかに身体全体を火照らせていく。
具がよく煮込まれた牛スジ肉なので、ブルンとした食感。けっこう肉がゴロゴロ入っており、満足度高い。これにネギの小口切りがばばんと乗っていたら、確かに旨いだろうなぁ、と思う。スジ肉だけではタンパク質多すぎ感が否めないのだ。でも、スジカレーだけでも標準レベルを遙かに上回っている。文句なしである。
いや、食った。旨かった。いい気分で店を出て空港へ行こうと思うが、さきほどこの船場カレーを探しながら見つけてしまったもう一つの店が気になって仕方がない。それは、こういうカレー屋さんだ。
■得正(とくまさ) 本町店
http://homepage3.nifty.com/tokumasa/
「この味一筋40年」と書かれた看板に引き寄せられどうしても食っておきたいと思ってしまうのであった。スジカレー大盛りを食ってはいるが、胃袋のキャパは全然問題なしである。行くしかあるまい。
入店すると、これまた専門店的簡素なカウンターのみの店である。
メニューを観ると安い!なんとカレーは400円である。
とりあえずカレーとピクルスを頼む。いろんなトッピングがあるようだが、基本で攻めてみるのだ。そしてほどなく盛られてきたカレーを観てびっくりした、、、
インデアンカレーのスタイルそのままではないか! 下記にインデアンカレーの玉子オプション付きの画像を掲載しよう。(ただしこちらは黄身が2つ乗っている「目玉」バージョン」)
どうだろう、楕円の皿の形と言い、スタイルは全く同じである。
まあこういう場合、どれが本家とかそういうことはないはずだ。大阪ではこのスタイルのカレーが広く受け入れられている、ということだろう。ただ、この店、400円のカレーに最初から黄身が乗っているところといい、非常にリーズナブルだ。インデアンよりは確実に安い。
食べてみる。まろやかな一口目から、少したつと辛みがわき上がってくる。これもインデアンスタイルの味の構成だ。しかし、全体的にややぼやけ気味の印象。おそらく船場カレーの強いアタック、濃い味に慣れている舌が、全体的に控えめな得正カレーの印象をより柔らかくしてしまっていると思う。ま、それを引いても、価格が安いだけあって、旨味やインパクトなど総合的にはインデアン、船場カレーには及ばないとは思う。
しかし、この店も僕は好きだな。400円という庶民的な価格で、黄身のせまでやってくれて、非常にハードルが低い。僕みたいに船場カレーみたいな濃いカレーを食べてから入店する人なんてあまりいないだろうから、その場合はきちんと美味しいと感じるはずだ。今度、何も食べていない状態で大盛り辛口を食べに来ようと思った。
ということで図らずも2店探訪。 おお!空港に行かねばならない時間だ!ていうか時間ないじゃん!ということで今回はインデアンには行けず。けど、インデアン以外にもカレー王国大阪の懐を、垣間見ることができたので大満足だ!
伊丹空港は初めてなので行き方に迷う!乗り換え案内で調べたら全然間に合わない!地下鉄を乗り継ぎ走りまくって、空港に20分前に着く。チェックインしたら、まだ余裕で間に合うらしくホッと一安心。
そして帰京し、その足でトルコ料理を食べに行ったのでした。順序が逆になっちゃった。