あいにくの雨の10月30日、代々木公園で開催されたスリランカフェスティバルに行った。農業講義をした中央大学の学生達(一部先生)が運営にボランティアで関わっているということもあり、みんなの顔を見にいかなきゃなぁと思ったわけだ。
代々木公園というかNHK裏の催事場では、こういった地域特産展的イベントがよく開催されるので行ったことある人も多いだろう。原宿から歩いていくと、おお、こんな立派なの作ったのかぁというようなゴージャスな門がそびえ立っていた。
中にはいるとテントが建ち並んでいる。スリランカの紹介ブースがあったり色んなものが売っていたりしていて、驚いたことに結構人が集まっている。雨の中だが、集客力はかなりのものだったということだ。
まあしかしとにもかくにもメシ!スリランカ料理を食うぞ、と食べ物屋が集まる一角に移動する。日本のスリランカ料理店が軒並み出店しているようで、僕も昔よく通ったコートロッジなど10店くらいが軒を連ねていた。売られているものはスリランカビールなどのビバレッジと、サモサなどのスナック類とチキンを焼いたもの、そして圧倒的に多種多様なカレー!嬉しい限りだ。
どの店にもかなり人が並んでいるので、適当に見当をつけて並ぶ。屋台とは言っても、どの店もかなり本格的だ。厨房設備を仕込んで、鍋をぶんがらぶんがらと振っている。
大量のワタリガニを素揚げしているのは、あの絶妙な蟹カレーを作っているんだろうなぁ、、、その横では、タイ料理でよく出てくるような幅広の麺(おそらく米の麺ではないか)を炒めた焼きそばを作っている。ん~ ここにしよう。店の名前はようわからん!
とりあえず店に並ぶ間もスナックを摘む。チキンロールとサモサを食べるが、どちらも本格的な造りだ。
特にサモサは、中身のスパイスがきっちり効いていて旨い!ジャガイモ餡になにか甘みの要素が入っているようで、囓るとほんわりと甘さを感じる。その後、各種スパイスが立ち上り、少し辛い。この「甘→辛」の変化は、インデアンカレーでもそうだが、かなり蠱惑的だ。
さてなかなか前に進まぬ行列だが、この店、鍋がいくつか並んでいる。一番手前には、まるで酢豚じゃないの?というような真っ赤っかな炒め物。
その奥には豚肉を煮込んだカレー。
そしてなんとも旨そうに真っ赤なカレーの鍋。
この3種を食いたい!値段をみたらビックリすることにどれも300円でご飯が付いてくるようだ。そりゃ全部頼むわな。
3つのカレー料理を手にして別の方向に歩くと、中大の総合政策学部の敏腕先生であるモモが、ゴミ箱コーナーで分別の呼びかけをしているのに遭遇。この人が素晴らしいのだ。そもそも彼女が昔スリランカで開発関連の仕事をしていたことが、今回のフェスティバルで中大生達がボラをするきっかけなのだそうだ。再会を喜びつつモモお奨めのスリランカ料理の店を教えてもらう。
「そうねぇ、辛いけどこの店がお奨め。」
と教えてくれた店でフィッシュカレーを買い、そろそろ持ちきれなくなったので、混み合っているテーブル席をかきわけ何とか座って、箱を開ける。
キーマカレーが旨そうにほかほか湯気を上げている!早速食べると、強い香りが口に充満。スパイスが効いて先鋭的な味だ。インド料理とも違うこの個性、なんとも形容しがたい。
ポークのカレーは、地味な見た目通りに、渋い地味な味がする。
そうそう地味ということばは人を揶揄する言葉ではない。華やかさやけばけばしさがないことを言うのである。そう、スリランカのカレーは、ハレとケでいえばケの香りがする。一部のインド料理店で出てくるような油がかなりもたれるカレーとは違って、毎日食べても飽きない感じだ。
そして、酢豚みたいだと思った料理は、やっぱりスリランカ版酢豚という感じの味だった。
違うのは、チリペッパーがかなり多量に投入されているというところだろう。甘いんだけど辛い!
この時点で相当に舌が痺れてくる。辛い~
スリランカ料理の辛さは、だんだんと蓄積されていくな。食べれば食べるほど、舌の上の辛さは凝縮されていく感じだ。雨が降っていることで蒸し暑いのと絡んで、汗がダラダラと流れ落ちてきた。
これだけ違う店で買ったフィッシュカレー。これは700円だった。
これも非常に地味な作りの好感がもてる味だ。ライスは各種スパイスと一緒に炊かれたもので、これがまた渋い香りで旨い。
総じて、スリランカ料理は、一発目のインパクトがそれほど強くないものの、じんじんじんじんと効いてくる辛さと蓄積されてくるスパイス類の香りが印象的なものだった。いや、旨いです。毎日食べてもいいなって感じ。
それと、面白いものを見つけた。Barオーパでモスコミュールを頼むと、ジンジャーエールではなくジンジャービアをスミルノフと調合して作ってくれるのだが、スリランカにもジンジャービアがある!
当然こいつを片手に、汗がダラダラと流しながら食いまくったのであった。
いいイベントだった。来年のフェスティバルは晴れるといいな。