そばを食べた後は、観光農園で熱帯植物を眺めつつパッションフルーツワインを一本あけ、ドラゴンフルーツ2つを4人で食べる。ドラゴンフルーツの苗、というかサボテンだから挿し木でどんどん増えるのだが、500円でどっさり入った苗が売っている。持って帰りたいが、関東では無理だなぁと思い、やめておく。
観光村に行き、プロのエイサーを観て楽しんだ後は、ホテルで一瞬休憩をした後にすぐさま飲み会である。
居酒屋「音」に卓、キッペイの仲間がワイワイと集まってきた!皆、最高にいいヤツである。ビールはほんの一杯だけ、すぐさま泡盛の水割りに。こちらでは泡盛のことを「しまー」という。島の酒だからだろう。この「しまー」を、「お通り」という作法で飲むのが宮古島の伝統文化だそうだ。
「お通り」は、座の中の一人が親となり、挨拶の口上を述べて杯を干す。そして、座の一人一人に杯を一杯ずつ親が注いで回していく。この杯には親の気持ちが入っているので、これをきっちりと飲み干し、「ありがとう」と返す。そして一巡すると最後に親がもう一杯干して、次ぎの親を氏名する。この連続である。とにかく皆、強い!きっちりと飲み干していく。日頃はそれほど飲まない僕だが、成り行き上ガンガン飲んでいく。しかし、限りなく陽性のエネルギーに満ちた場なので、全く負担にならない。
そういえば、沖縄の居酒屋は安い!ビールやチューハイが100円とかで飲めて、つまみの料理も350円均一という安さだった。350円のつまみ類と言ってもきちんとした料理だ。
■スクガラス豆腐
このスクガラスというのは、小魚の塩辛みたいな、渋いひねりの利いた発酵食品だ。これを、沖縄特有の堅い豆腐に載せて食すのが旨い。
スクガラス、こちらの若い人たちはあまり食べないということだが、実に味わい深かった。
■もやしチャンプル
■ゴーヤーチャンプルー
■グルクンの唐揚げ
■ヒラヤーチー
さてこれらを食し、お通りも8人がそれぞれ親になり一巡した後、次の店へと移動。
「やまけん、旨いもん食わせるよ!」
とキッペイが連れて行ってくれたのが、見た目にはイタリアンか?という感じの小さな洋食屋だ。
■洋食味処 こうちゃん
キッペイ、卓らは超・常連という感じ。
奥の座敷に通り、待望のオリオンビール生を早速やる。すると出てきたのはタコスだ!
「ここ、実はタコスが有名なんだよ」
なるほど、沖縄ではタコス屋というのが珍しくない。関東とかではメキシコ料理屋というカテゴリしかないが、沖縄はタコライスもあるし、タコス屋という業態が成り立つわけだ。
このタコス、皮がパリッとしたタイプのものだが、皮の焼き加減といい、ミートのスパイス旨さといい、サルサソース、サワークリームとの相性も抜群で最高な気分になる。タコスにかぶりついて半分くらい頬張り、オリオン生を口蓋に注ぎ込む。オリオンの軽さとタコスのスパイシー感、そして沖縄の夜の空気が混ざり合って、俺はどこにいるのかという浮遊間を味わう。
この後、仔牛肉のソテーにパルミジャーノをかけたモノなどが出てくる。
イタリアンともテックスメックスともつかぬ料理の中に、すごいひと皿が出てきた!
「やまけん、これ、なんだかわかる?」
「わからんよ、、、何だいこれ?」
「これはねぇ、鰻オムライスだよ!」
なんと!凄まじくそそる一品だ!
スプーンで割ると、卵などがまぶされたライスの上に鰻が載ってカリカリにソテーされている。そこにデミグラスっぽいソースがデロッとかかっているのだ。これは度肝を抜かれる。
味は濃厚。米の固さ、まぶされている卵衣、上にかけられたソースが絡み合って、鰻の濃厚さに全く対抗的な全体像になっている。
「う、うめぇなこれ、、、」
「そうだろ?こうちゃんはこの辺じゃ有名なんだよ。」
実に素晴らしい! と、そこにマスターの「こうちゃん」が顔を出す。
そして卓に「お父さんから、何でも俺のおごりで飲んでもいいよってことですよ」と。そう、川端卓の親父は、沖縄ではちょっと知れたテレビ制作関連の大物なのだ。どの店にも顔が利くらしい。さっそく親父さんのおごりでシャンパンを飲む。シャンパンって、一気に酔いが来る。ちょっとフラッと来たが、気を取り直し次ぎの店へと進む。
「次ぎは山羊を食べに行くぞヤマケン!」
永遠に終わりそうにない夜なのであった、、、