最終日は終日フリーだ。食材をたんまり買いこみたいので、昨晩のS女史に教えてもらったオートーコー市場まで行ってみることにした。
この市場は有名なウィークエンドマーケットの側にあるが、残念ながら週末ではないのでこちらは開催されていない。なので、その奥にあるオートーコーに行くのである。
市場があるモーチット駅までは、BTSというモノレールみたいな電車で行く。これが極めてわかりやすく、渋滞もなく、明朗会計で、バンコクで最高の乗り物かも知れない。
モーチット駅から歩いて20分くらいだろうか。車通りが激しい中を信号もないままになんとか渡りながら歩く。「ほんとにあるのかよぉ」と思いだしたあたりでようやく市場らしきモノが見えてきた。ふ~。
ここは市場とは言うものの、日本における卸売市場のような形態ではないみたいだなぁ。卸売をするセリ場みたいなのはなさそうである。小さな販売業者が集まった市場のように見えるのだが、どうだろうか。料理名以外のタイ語が出来ないのできけなかった。
買いに来ているのはどうも主婦が多そうだ。あ、でも時々、業務用と思われるような買い付け方をしているおばさんも居る。しかし、すごい商品数で圧倒された。
青果物の店は、それこそ50カ所以上は出ているだろう。果物屋と野菜屋では、なんと果物やの方が圧倒的に多い。日本と同じく、野菜よりも単価を取れるからだろう。果物屋でマンゴスチンを買うと、2Kgで40(150円くらい)バーツだ。重いからもっと少なくていい、と言っても2Kgが単位だから、みたいに言われて持たされてしまった。
その隣でランブータンも買う。ランブータンはこちらの言葉で「ンゴッ」という。なんだか笑ってしまうが、比較的簡単に発音できる。ちなみにマンゴスチンは「マンクッ」。カッコイイ響きである。
僕が気になるのはやっぱり野菜だ!店先を観ると、多種多様で非常に新鮮。これぞマーケットである。日本の卸売市場は消費者向けの小売を普通はやらないから、はっきり言って市場内を流しても面白くない。(築地市場の場外で野菜を販売したりしているが、あれは場外であって市場内ではないのだ)
タイのこのような市場ははっきりと消費者向けというカラーがあり、とてもよいと思う。
ホムデンという名の小さな赤タマネギを買う。これとタイ独特の小さなにんにく。これに加えて野菜を数種類買った。バイマックルーとカーとレモングラスがセットになったトムヤムクン用スパイスセット、新鮮極まりないパクチー、僕が愛するパッカナー菜、そして世界で何番目かにからい唐辛子、ピッキーヌー。
これらを併せてなんと60バーツにしかならなかった!びっくりした顔をしたら、オヤジが「どや、安いやろ?」というようなことを笑顔で言っていた。タイ語がわからなくても結構いけるもんだ。でも、おっちゃんは「日本人なのに、こんな現地の人間が買うようなもんばっかり買って、どないするん?」という感じの不思議そうな表情だった。いや、食べるんですよぉ、、、
これは、味噌を小分け売りする感じでカレーペーストやカピ(エビ味噌)を売っている。そう、グリーンカレーやレッドカレーのペーストは、本来こうしてフレッシュが売られているものなのだ。いや、本来は家庭で作るんだけど。
美味しそうなのでグリーン、イエロー、レッドの3種を少しずつ買い求める。指を一本立てていたので100バーツかと思ったら10バーツ(30円)だった!うーん さっちんがコメントに書いてあったけど、値切る必要まったくなしだね。ちなみにこの女性は、さっきの八百屋のおっちゃんの奥さんらしい。ひじょーにいい感じである。カメラで撮影してたらまわりのおばちゃん達から、「撮ってるわよ!綺麗に写してもらいなさいよ!」みたいに囃し立てられている。
さて
こいつを観て欲しい。なんとカブトガニである。びっくりしたぁ、、、長島勝美君が「カブトガニ食べられるらしいよ!」と言っていたのだが、本当に無造作に置いてあった。どうやら今は旬ではないらしく、出盛りの時期には卵を抱いていて、それをボイルして食べるのが旨いらしい。うーむ 一度くらいは食べてみたいかな。どういう味なのだろうか。次回バンコク来訪の折は、ソンブーンで所望してみたいと思う。本当に旨いんだろうか。丸のママ出てくるのは勘弁してほしいな。
出た!真ん中にあるのは、巨大シャコである。日本の寿司ネタになるようなもんじゃない、ひたすらデカいシャコなのである。こちらでは蒸すか揚げてスパイシーなソースをかけて食べる。割と大味。
そう言えば昔、僕が行きつけにしていた創作寿司屋でこの巨大シャコの話をしたら、「そんなでかいシャコ、いるわけねぇ」と言われ、必死に説明したが信じてもらえなかった。この写真を見せてやりたい、、、
これを寿司匠にもってったら、どういうのを握るだろうか。ふ、寿司、タイでも食いてぇ。
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さて
市場をぐるっと周り、小腹が減る。市場だから当然、飯を食べる場所もあり、奥の一角がフードコーナーだ。小さな出店が並び立ち、テーブルに座って好きなものを注文できるようになっている。
腰を下ろしてみまわす。目当ては、丸の鶏が吊るされているディスプレイだが、、、おお、あった!
これがカオマンガイ屋である。カオマンガイは、鶏のスープで炊いたご飯に鶏のぶつ切りを載せ、タレをかけて食べるというシンプルなものだが、海南チキンライスのように癖になる旨さなのだ。
先日書いた食い倒れクレーマーのハマーさんが教えてくれた名店には行けなさそうなので、ここで食べてしまおう。屋台に近づき「カオマンガイ」と言うと、頷いて作りだしてくれた。あとは自分の席に戻って待っていると、出てきた。これがカオマンガイだ。
右側の小さな椀に入っているタレをかけて食す。この料理は辛いものではない。久しぶりの優しい味わいにホッとする。
鶏肉は柔らかく茹でられていて、タレと絶妙にマッチ。非常にアロイ(旨い)!
食べ終わると、その二軒どなりの屋台で、豚肉のバジル炒めであるパッ・ムー・バイ・ホラーパーをご飯にかけたモノを持っている店おばちゃんが居る。
「それ、作ってよ!」
と言うようなことを身振りで示すと、笑いながらその持ってたのをくれた。なんだ人のではなかったの?
目玉焼きが載っていないのが寂しいが、これにナンプラをかけて食べる。味付けは柔らかく、昨日の水上マーケットちかくの食堂で食べたやつのほうが旨かったかな。
ま、これは日本の定食屋でいう豚のショウガ焼きと同じようなもんで、どこにでもあり、店によって味が違うが、それほど目をつり上げて探求するようなものではないらしい。
それと一緒に、腸詰めを食べる。こちらの腸詰め類は概して旨い!写真のは肉だけだが、中には酸っぱく発酵した米を一緒にいれていたりするのもあって、極めて複雑絶妙に旨いのだ!これこそ買って日本に持って帰りたいが、検疫法があるので無理なのだ。残念。
2皿食べたけど、まだお腹一杯にならない!ので、もうひと皿パッタイを食べようと思ったら、その隣に麺にカレーをかけているのを発見。おばちゃんに訊くとよくわからない名前を言っていたが、わからないので注文した。
これがワンセット。カレーがけ米麺に野菜と各種調味料を混ぜて食べるらしい。
野菜はホーリーバジルとキャベツだ。このホーリーバジルの登場回数がやたら高いのがタイっぽい。
こいつらを混ぜ込んで食べる。どうってことない味だけど旨い。これで25バーツなり。ミネラルウォーター買うのと同じくらいの値段だ。うーん
この後、たんまり食材とお土産品を買い込んで帰着。総量で20kg分くらいの荷物で、重くてしょうがなかったのであった。