タイの畜産物加工メーカであるベタグロ社に向かう途中、バスがガソリンスタンドに泊まった。トイレ休憩の一時、併設された売店に行くと、ソムタムを作ってくれるコーナーがあった。
いい感じに渋いおばちゃんが作ってくれるらしい。「ソムタム、タオライ」と値段を聞くと、20バーツ(65円程度)だというので、つくってもらうことにした。
ソムタムのソムとは青い未成熟パパイヤのことだ。これを切り干し大根状にしたものを辛い和え物にするのだ。タイ北部のイサーン地方の名物料理だが、基本的にタイのどこでも食べられるようだ。このソムタム、路上で売られていることが多い。材料は多いが火を使わないので、簡単に店を出せるからだろう。
ソムの他に唐辛子、小さなニンニク、ライムトマト、長いインゲン豆、その他多種のスパイスを使う。まず、ピッキーヌーより大きめの唐辛子をクロックという鉢に投入。
「何本?」と訊かれたので、「すこーし」とゼスチャーする。ソムタムは辛くすると本当に辛い!自信のある人でも注意した方がいい。
その他にんにく等を入れると、木の棒で叩き始める。これがクロックですりつぶしたり叩いたりというのがタイの料理のベーススタイルだ。
ここにナンプラや化学調味料(←タイでこれが入らないのを観たことがない)などを入れ込んでいく。干しえびも入り、味が作られていく。
いんげん(ささげ)も生で投入。日本では豆を生で食べる習慣がないが、アジアやヨーロッパでは結構生で食べている。これがまた美味しい。
このあたりでようやくベースとなる味ができ、ここにソムの千切りを投入。そしてひたすら木の棒で叩いていく。この叩き加減が強いとパパイアの組織が壊れてしまうし、弱いと味が染みない。絶妙な加減が必要らしい。
しばし叩くと、完成。
完成したソムタムはビニール袋に入れて輪ゴムで留められる。これにパップン(空心菜)とキャベツの生のぶつ切りが一緒にいれられる。あとで混ぜながら食べるのかな。ここまで所要時間が3分程度か。実に熟練の手際であった。
バスに戻り、道を揺られながらソムタムを食べる。甘辛い香りと、微細にニンニクが効いていて旨い!本場イサーンでは川蟹の塩からなどを入れてもっと旨味を出すようだが(蟹に寄生虫が居るとヤバイらしい)、そういうのがない簡易版のソムタムでも十分に旨い。
タイに来たらやはり屋台だな、、、20バーツでこれだけの者を作ってもらえるのだから。
実はこの直前に、ガソリンスタンドに併設された綺麗なコーヒーショップで、練乳がどっぷり入った甘~いミルクコーヒーを買った。
これがなんと80バーツ。タイ人の日給の半分以上である。やってられん。観光客相手とそうでないところの差が出ている。食い倒ラーは迷わず屋台なんである。