やまけんの出張食い倒れ日記

金華豚とフジロックの掛け合わせ銘柄豚は、凄まじく旨かった!

 さて昨日のエントリにて紹介した豚をダッチオーブンで調理してたべたのだが、、、期待を大幅に上回る驚愕の味だった!ので報告しよう。

 コメントで何人かが心配してくださっていた通り、雨になってしまったので、三浦半島でのダッチオーブン大会は中止になったのだ。う~む残念。でも食材は買い込んでしまっているので、親友のしんのすけ宅にて急遽、室内ダッチ大会をすることになった。豚は1.5Kg買ってあるのでさすがに一人じゃ食いきれん。ちょっとホッとしたのであった。

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 さて金華豚とフジロックの掛け合わせ豚(まともな名前がついてないのである)の肩ロースブロックには、強めの塩をまんべんなくすり込んでおいてあるだけだ。本当は、タンパク質の消化分解酵素を持つパイナップルジュースに漬け込んで風味と柔らかさをつけよううかと思ったのだが、試食段階でその必要がなさそうだということがわかったので、本当にシンプルにローストするだけに方針転換。その代わりに、ソースだけ少し手をかけることにした。

 本城家で早速調理にとりかかる。プレヒートした12インチダッチに豚肉塊を投入し、外側をこんがりと焼き付ける。この時点で「おいしそぉ~う」という黄色い声が飛び交う。そりゃそうだ朝からなにも食ってない人ばかりだもんね。

 肉に焼き色が付いたら、本来的なダッチの使い方であれば、下の炭火に加えて上蓋にも炭を載せ、上下から火を入れる。この時に蓋を閉めれば、重い鉄の蓋で圧力がかかった状態になり、蒸し焼きとなる。ただし水分がこもるのでポットローストのようになる。今回は外側をカリッとさせたいので、蓋なし。ちょうど、しんのすけ亭にはガス火で300度まで出る強いオーブンがあるので、蓋をはずしたダッチごと放り込んで加熱することにした。

 ソースはパイナップル&マスタードクリームソースにした。ソースの材料担当である加賀谷に買ってきておいてもらったパインジュースを使ったのである。豚肉には酸味を足してやるとよい。アメリカでよくリンゴを豚の付け合わせにしたり、クランベリーなどのベリー類をソースによく使っているのもその理屈だ。今回はパインの酸味と甘み、そしてマスタードの酸味と尖った辛みで、旨味の濃い豚肉に方向性を与えることにした。

まずタマネギとニンニクをバターで蒸し煮し、味のベースを作る。

白ワインを瓶の半分くらい注いで、3分の1になるまで煮詰める。

そこに100%のパイナップルジュースをタップリ注ぎ、これも3分の1になるまで煮詰める。

そこに生クリーム1カップを投入し、同じく3分の1になるまで煮詰め、最後に粒マスタードをドカンと大さじ5杯ほど入れてなじませ、塩こしょうで味を調える。この間、豚から出た脂を少し足し、コクを入れた。これでソースの完成。

豚は20分ほど火を入れて余熱で蒸らす予定だったのだが、火を停めたと思ったら別のボタンを押していたため、余分に5分ほど火が入ってしまった!うわっ と思ってすぐ取り出し、アルミホイルに包んで肉汁を落ち着かせるためのベンチタイムを置く。

 ソースの最終調整をし、肉が落ち着いたかなぁというところで包丁を入れる。

理想的には中央部がロゼ色になって欲しかったが、中まで火が通ってしまっているようである。ああ、、、空白の5分が痛かった、、、

 ちょっと堅いんじゃないかな、と思ったが、香りを嗅いでやってきた志乃ちゃんと文ちゃんに一口ずつ食べてもらうと、、、

「お、おいしぃいいいい! 何コレ、すっごく美味しい~!」

という反応が来る。なに!?大丈夫なのかも!

ということで肉を切り分け、ソースをかけてみんなに供する。僕自身この段階では端肉しか口にしていない。

 食べてみて驚いた!なんちゅう柔らかさとジューシーさ、そして旨味のある豚肉なんだろうか。そして風味がとても穏やかである。これはいい飼い方をされた豚だなぁ、、、
 ソースをまったりと濃い目の味にしたのだが、豚の旨味はきっちりと伝わってくる。とにかく柔らかい!火の通しすぎということは無かった。旨味たっぷりの肉ジュースがタップリと含まれていて、噛むとジュワッとしながらやわらかく歯で引きちぎれる。特に肩ロースの脂身周りの、サシが多量に入った部分の柔らかさは特筆ものだ。そして、昨今のはやりの豚のように味に特有の癖がないのが素晴らしい。前にも書いたように僕はあっさり淡泊な味の銘柄豚は、逆に味気ないと思っていたのだが、この豚はそんなことはない。ねっとりとまとわりついてくる旨味は、ソースなしの単体で食べると、たっぷりとしたコクが乗っている。上々である。

 居合わせたみんなが肉に殺到し、またたくまに無くなる。後から来るひと用にとっておいた半身も 「もう食べちゃおうよ!」 という一言ですぐさま無くなってしまった。

 この豚肉、かなり問い合わせが多い。この豚を育種した静岡県中小家畜試験場のハム師匠である関さんによれば、また出荷頭数もそれほど多くないということだ。

 どうしても欲しい~ という人は、下記の肉屋さんに相談してみるといいだろう。「とんきい」というこ名前の肉屋さんだが、生産者さんが直営・直売をしている、すばらしい豚肉屋さんだ。

■ ポークショップ とんきい
注:このWebで通常販売している商品とは違うので、電話をして「金華豚の血がはいっているヤツ、欲しいんですけど」と相談すること。僕の名前を出しても安くはなりません。

 しかし、この豚を生み出した静岡県中小家畜試験場はスゴイ!駿河若シャモも素晴らしいが、この豚にはマジでびびった!ハム師匠の関さん、貴方は素晴らしい!本当にどうもありがとうございました。