和歌山は山海の幸すべてが旨いのだが、やはり魚とくに白身の魚は絶品の旨さである。味が全体的に上品でほの甘く、風味が濃い。香を楽しめる魚なんてそうないだろう。その代表格として思うのは実は太刀魚だ。僕のお袋は愛媛出身なので、よく埼玉の実家では太刀魚の塩焼きが食卓に上がったが、実は関東では最近まではマイナーな魚であった。だから、太刀魚を刺身で食べるなんていうと、びっくりされていたものだ。しかし関西では、太刀魚の刺身なんてけっこう当たり前。だって旨いもんね!
その心の味に久しぶりに会えたのであった。和歌山にきて魚が食べたければぜひここに足を運んで欲しい。
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■活魚料理「たか屋」
和歌山市東長町5-75
073-433-6388
※和歌山県庁のそばです
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ここは漁船から直接仕入れているような店で、店主のたかやさんがお若いのに非常に研究熱心で、むちゃくちゃ質の良い魚介を食べさせる店だ。実は僕の和歌山案内人であるT氏の高校での同級生でもあるらしい。
まず何は無くとも刺身だ。
この中にくだんの太刀魚の刺身があるのだ。どうだこの美しさ!↓
薄ピンクの柔らかな身は、繊細に迅速に包丁で引かないと、崩れてしまう。これを角を立てて引き、銀色の皮であしらいをつける。実に芸術的ではないか! これを若干甘めの仕事をした醤油に浸しいただく。限りなく甘くトロリととろけるのが、太刀魚の身上だ。素晴らしい。この太刀魚の刺身で丼をつくってくれないだろうか、、、
太刀魚だけではない、イカも旨かった。北海道のウニとイカのお造りは、独り占めしたいのが叶わぬのがまたよいのであった。
さてこの店、一品料理も非常に気が利いている。たか屋の品書きも、あの煌く(きらめく)品書きである。つまりどれも旨そうなのだ。
一品料理で際立って面白かったのが「お好み揚げ」。どういうもんかと思ってたら、本当にお好み焼き風の天ぷら料理だった!
海老などをフンワリカリっと揚げたものにソースとマヨネーズ、青海苔で食べるのだが、これがサクサクと楽しい食感にマヨソースがからまり、旨いのだ。こういう遊び心は、好い。
いろいろ食いながら、やはり冬ということで鍋が出てくるのである。はじめて行った時にはフグ鍋、二回目には真鱈の白子、真たこ、穴子のしゃぶしゃぶ であった。もう死んでもいいというラインナップである。
この豪華狂乱鍋のあとにウドンをぶちこんでもいいのだが、、、実はこの店の最大の旨い飯がある。それは、、、季節の魚を土鍋で炊き込んだ魚飯だ。これが絶品なのである。
若干柔らかくなりすぎのきらいがあるのだが、もう本当に滋味あふれる一品だ。
どのくらい旨いかというと、土鍋にこびりついたご飯粒を一粒たりとも残さないようにむしゃぶる俺が居るほどに旨いのである!
これでも足りないと言うと、なんと真鱈の白子寿司を作ってくれた!この冬何度目かわからないが、この壮観な軍艦たちを見よ!
ちなみにこの店では時々忙しいときに手伝いに現れるママ(たかやさんの実母)の存在もまた嬉しい。飲みだすともうブレーキが利かない最高なおかあちゃんなのである。
ああ、魚が旨い。残念ながらこの店でまだ会計を持たせていただいたことが無いので、いったいご予算いくらかはわからん!のだけど、ぜひ県外の方で和歌山の魚を堪能したい方は、電話を入れて足を運んで欲しい。土鍋ご飯はぜったいにリクエストするように、、、