出張の合間に料理をする。そうでないと気が狂う。
さて関西の人には表題のような質問をしても「何いうてんの」と笑われるだけだろう。けど、関東の人はおそらくこの名前をほとんど知らないのではないか。
「うすいえんどう」
もちろんえんどう豆の一種だ。さやごと食べる鞘豆とは違い、グリーンピースのように肥大した中の豆を加熱して食べるものだ。関西の「豆ご飯」は、このうすいえんどうを使ったものである。その味わいは、グリーンピースよりも絶対的に繊細で、甘味がある。
産地として有名なのは和歌山県だ。和歌山の人はこのうすいえんどうの話をすると、急に遠い目つきになって、
「あれをね、卵とじにすると美味しいんよぉ、、、」
などと仰る。これを、和歌山出張のついでに買ってきた。無論、豆ご飯を作るのである。
豆ご飯の作り方はそれほど難しくないが、絶対はずせないポイントがある。
1.豆はご飯と一緒に炊いたほうが、見た目は悪いが旨い。
ご飯と炊くとどうしても色味が悪くなるので、別に塩湯でして炊きたてご飯に混ぜると言う人も居るが、僕は一緒に炊いたほうが、豆の味がご飯に移って旨いと思う。
そしてもう一つ、これが実に重要なのだが、
2.豆をとった鞘(さや)を茹でてダシをとり、このダシでご飯を炊くこと。
これを言うと皆びっくりするのだが、、、本当の話である。
==========================================
■鞘から豆をはずす
むいた豆は、薄めの塩水につけて下味をつける。
■鞘を茹でてダシをとる
中火でゆっくり煮込んで豆の味を出し尽くす。途中、味見をしてみると、びっくりするような甘い、いいダシが出ているはずだ。
■材料が揃う
写真の下のグラスに湛えられたダシを見て欲しい。こんなえんどう豆色になるのだ。
これでご飯を炊くだけだ。今回は秋田県「ひろっきー」のミルキークイーンで炊いてみた。
■炊く
水加減は豆がある分、少し多めにしたほうがいいだろう。それと、鞘からとったダシには当分が含まれているため、ガス火で炊くと焦げやすいので注意。僕のは小型のお釜なのでコゲがしっかりと出来た。
あとは、食べるだけだ。
ご飯に豆の甘さと緑々しい香りが鼻腔を抜けていく。豆はほくほくとして、淡い味わいだ。決してキラーアプリケーションではないが、本当にほっとする料理なんである。
和歌山県のうすいえんどうは旨い!
ご馳走様でした!