以前に竹鶴酒造の石川杜氏に連れられて大満足の一夜をおくった北千住「バードコート」を再訪した。単に食事をするためだけではなく、僕の雑誌連載の企画にご登場願うため、ご挨拶も兼ねている。とはいってもメインは食いしん坊であり、編集者と共に眼を爛々と輝かせながら入店した。奥様でホールご担当の千寿子さんが案内してくださる。店主の野島さんはまさにリング上で串と真剣勝負の真っ最中だった。 にもかかわらず、合間にこちらの話に相づちを打って頂いたりして、非常に恐縮。野島さん、本当にこんな売れっ子なのにも関わらず、腰が低く物腰柔らかで、謙虚な方なのだ。ちょっと有名になるとすぐ天狗になってしまう人が多い中、こういう方に出会うと我が身を反省せねばと思うことしきりである。
バードコートでは、焼き鳥は勿論絶品中の絶品なのだが、他のアテも丁寧に吟味されており、旨い。特に僕が好きなのはレバーペーストだ。下の写真のように、大きめのバター片のように切って出てくる。これをバゲットにコテコテと塗りつけて口に運ぶ。全くレバー臭のしない、典雅で強い旨味と甘み、そして深いコクがやってくる。これには実は赤ワインが合うような気がする、、、高そうなので頼んだこと無いけど。バゲットは適当なタイミングで追加してくれるので、かなり楽しめる。お得な一品だ。
そして今回旨かったのは、これも初めてだが、食後のプリンだ。詳細は尋ねなかったが、当然奥久慈シャモのタマゴなのだろう。味は、、、画像のごとくである。これにもコクとまろみがあり旨い! もう完全にノックダウンなのであった。駿河若シャモとは全く違う奥久慈シャモ。何が違うかと言えば筋繊維の強さ。奥久慈シャモは繊維感については若シャモを寄せ付けない。噛むとプチンプチンと音を立てて弾けそうな感触なのだ。
平日でもほぼ予約をしないと入れない店になりつつあるバードコート。日・月は休日。しかも焼き鳥としては破格の値段を覚悟する必要がある。でも、死ぬ前に一度は行っておくべき店だと思う。