「どっちの料理ショー」は、おそらく初めてといってよいほど「素材」とそのつくり手にスポットが当たったエンターテインメント番組である。家に早く帰れるときは観るようにしている。しかし、番組の思うツボというやつだが、毎回毎回歯軋りする思いだ。大体、応援している方が負けてしまうのである。
今回は北海道帯広名物の「豚丼」vs「海鮮丼」だ。僕の豚丼偏愛嗜好は以前のblogで書いている通りで、北海道といえばまずこれだろう、という好物である。
その豚丼が負けた、、、悔しい。何が悔しいかと言えば、海鮮丼に負けたことである。今回の海鮮丼は、ご飯に北海道の海の幸を並べたものである。新鮮極まりないスルメイカの刺身や超特大ボタン海老などをこれでもかと並べた一品。そりゃ、旨いだろう。
しかし。
海鮮丼は、はたして料理として優れているか? 豪華な食材をご飯に並べて出すというだけのものではないか。いや無論そういうのもスキだ。目の前にあったらガッツリ食べてしまうだろう。けど、本道ではないと思う。豚丼は、豚肉を炭火で焼き、タレを絡ませご飯に載せる。このシンプルさではあるが、それだけに素材とタレと焼きという工程で化学変化が起きる。1+1が2以上になるのだ。それが料理の奥深さと言うものではないか。この点で海鮮丼は、単に素材力のみで勝ちあがったと言える。それが納得いかない。
嵐山幸三郎氏も、数年前のdanchyu誌の丼特集の中で、鮭とイクラの親子丼に対して同じようなことを言っている。
「鮭とイクラを乗せても、その二つがぶつかることで相乗効果を出している訳じゃないからなぁ。その点、鶏と玉子の親子丼は全く違う。」
というような内容だったと記憶している。そういうことだ。
ま、とにかく番組では負けたが、僕は豚丼を愛している。帯広よ、、、待ってろよ~また食い倒れに行くから!