外回りの仕事が一段落ついた後、産業総合研究所の江渡君と加賀谷と落ち合い、現在作成中のデータベースシステムについて会議をした。
江渡君は、ネットワークやメディアアートの世界では超有名な、日本有数の頭脳だ。彼の業績はここをご覧いただきたい。ちなみに僕は彼の結婚式の友人代表スピーチをしている。マブダチなんである。
打ち合わせ後、江渡君いきつけの焼鳥屋、「東京やきとり亭 六義園店」に行くことに。江渡君もなかなかに食事にうるさい人なので、期待できる。
産総研の入っているビルからすぐのところにあるやきとり亭では、看板に誇らしげに「名古屋コーチン」と書かれている。名古屋コーチンの焼き鳥は相当に単価が張るだろうなぁと思いながら入店する。
焼き物を出す店だが、店内はきれいに調度されている。酒の冷蔵ケースを覗くと、いくつかの銘柄焼酎とワイン、日本酒にはおきまりの黒龍と、明鏡止水がおいてある。品書きを観ると、なんと僕の好きな静岡の銘酒「正雪」本醸造があるので、これは絶対に飲もう。
あとは江渡君の手引きで注文。3000円・2000円のコースとかもあるが、1000円で正肉、だんご(つくね)、腿肉の三種が来るセットに、単品で正皮、肝、元気鍋、釜飯を頼んだ。
肝心の焼き鳥だが、いわゆる木串での焼き鳥ではない。焼き場でいい感じに仕上げた肉を数片ずつ皿に載せて持ってきてくれる。このため正肉などは串に刺さず肉片が3切れ乗ってくる。地鶏は大好きだが、コーチンはとにかく高くてイカンなぁと思う。コストに見合う味かといわれると、何ともいえないというのがいつも抱く気持ちだ。しかし、この店では苦労しながらも、割安に食べさせる工夫をしていると思う。一皿の分量は少ない(僕にとっては)が、満足感はそれなりに味わえる用になっている。基本的には塩味ベース。肝のみがタレで供される。ここの肝が旨かった。肝自体は勿論だが、タレが旨いのである。濃厚な色のタレは舐めてみると醤油の香りが立つが、それほど甘くない。特に水飴っぽいとろみが余りなく、しつこくない。これを飯にかけて食べたい。
焼き鳥が出てきた後は元気鍋。コーチンとキャベツ、ごぼう、ネギ、ニラ等がスープで煮込まれた鍋を、コーチンの卵入りポン酢で食べる。コーチンの肉はほんとにチョビッとしか入っていないが、これはスープを味わう料理だろう。具を食べ終わるとうどんを入れてくれるが、そのうどんがなんと稲庭うどんの最高峰、佐藤養助商店のものだ。絶対に機械打ちをしない、本当の稲庭うどんだ。これを鍋で熱くして啜る。
釜飯は一般的な鶏釜飯だが、奇をてらっていない味で好感がもてる。この辺で江渡君が「もう食べられない」とギブアップ。そういうやつは大好きである。残りは俺様が食べました。
ビールと日本酒を飲んで、3人で12000円強。コーチンの店としてはリーズナブルな店だと思う。
店を出てのんびりと歩く。別件があったので巣鴨まで歩いて打ち合わせ。その後、乗り慣れない三田線に乗ったら、反対方向に5駅くらい行ってしまった。戻っているうちに最終電車の時刻になり、大江戸線の清澄白川駅で電車が終わってしまった。自転車がある門前仲町まで徒歩20分。かなり気温は低いが、Tシャツでぐんぐん歩いた。これはこれで、いい気分だった。