やまけんの出張食い倒れ日記

今、東京で最も旨いと思う蕎麦屋の画像をアップ。

以前の記事に、この店のことを書いたが、蕎麦にはウルサイ人が多いので、もうちょっと詳しく書いておきたい。

新橋・虎ノ門周辺に行く時には、満腹であろうとなんだろうと寄ることにしているのが、最上質の山形蕎麦を出すこの店「出羽香庵」だ。何と言っても、山形県がアンテナショップとして出しているスペース内に出店しているのだから、県としても最も自信のもてる布陣を敷いてきたと考えてよい。そう、この店は地元の名店「庄司屋」の出店なのだ。その上、県庁の人が「地元より旨いかも」と太鼓判で推薦してくれたので、まずいはずがない。  新橋・虎ノ門界隈には蕎麦の名店が多く、僕も好きな店が沢山ある。しかし、この店で食べてから、周辺の店にはほとんど行かなくなった。一度、この出羽香庵で大盛を食べた後に、もう一つのお気に入りにハシゴして、そこでも大盛を食べたのだ。しかし粋で勝負しているはずの江戸前の蕎麦なのに、出羽香庵と比較すると、愕然とするほど野暮ったいのだ。以来、ぴたりと他の店に入らなくなった次第。

この出羽香庵の画像をまだアップしていなかった。ちょうどいいことに、農協関連の団体の方々と昼飯を食べようということになり、この店に決めた。撮影撮影。  この店に来る際には、時間帯を選ばないといけない。12時になると、周辺の蕎麦好きビジネスパーソンが押し寄せ、果てしない行列になる。ので、11時50分には入店することが望ましい。もしくは、1時以降だ。今回も11時45分に待ち合わせ、比較的スムーズに入店。ちなみにこの店、外観はほんとに展示会のブースってかんじのチープなつくり。食券制で、券売機で買って入店することになる。何にしようか、、、今までここでは、板そばか大盛板そばしか食べていない。本日はかき揚げを単品で頼んでみることにした。

■そば処『出羽香庵』 〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関3丁目8-1 虎ノ門三井ビル 1F TEL:03-3504-8715 FAX:03-3504-8744 営業時間:AM11:00~PM7:00 やまがたプラザゆとり都内 休業日 土・日曜日・祝祭日・年末年始 地下鉄:銀座線虎ノ門駅(3番出口)から徒歩1分

板そば 900円 大盛板そば 1200円 かき揚げ 400円 itasoba.jpg

ピークタイムにはものすごい速さで茹でられているので、すぐに出てくる。画像ではそばの上に一本、赤い線が入っているのがわかるだろう。これは備え付けの七味だ。一般品にくらべとても香りのよい七味で、これをこのようにそばの上で一文字に線を引き 、そばをすすると、香りと辛みが最高のマッチングなのだ。  ちなみにそば屋にしては高い値段設定だが、盛りは普通盛りでも通常の蕎麦屋のセイロ二枚分くらいなので、許容範囲だ。

で、この店、つゆが実に旨い。江戸前そばとの違いは案外ここに集約されるのかもしれない。これは全くの私見だが、そばづゆは、北に行くほど雑味の少ない、透明感のあるストレートな味になるような気がする。福島のてんぐ屋の女将が打つそばもしかり、岩手県紫波郡のロードサイドにある名店「はらぺこ亭」もしかり。このつゆで、湯ごねの麺をすすると、その剛直かつしなやかな太さのそばに程よくからみ、品のよい味の強さで迫ってくるのだ。

ただし、この日は色気をだしてかき揚げを頼んでしまった。これは失敗。ここのかき揚げ、単品ならいいかもしれないが、そばと合わせると、そばの存在感がなくなる。かき揚げの具にホタテが入っているのがバランスを崩す要因となっていると思う。残念だ。

次回はシンプルに、大盛板そばで攻めよう、と思いつつ去るのであった、、、