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2003年09月11日

日々の料理のこと

 以前からだが、最近よく下記のような質問を受ける。

「やまけんはあんなにたくさんのお店で食い倒れをしているけど、家では何を食べているの?それ以前に、料理はするの?」

 お答えしましょう。僕は小学校4年生の頃から料理が好きになりました。高校の3年次では学校の近くに下宿していたので、毎日自炊。大学・大学院はもちろん一人暮らしで自炊。しかもお金が無かったので外食はあまりしなかった。大学生の時、農学部でもなんでもないキャンパス内に畑を創ったのも、自分で育てた野菜を自分で料理して食べたかったからというのが根本的な目的だった。
 このような経緯なので、得意料理とかそういうのは無い。なんでも満遍なく作る。独りなのに天ぷらも揚げるし、学生時代はパンも焼いていた(しかも天然酵母で)。強いていえば、パスタは小学校から好きで探求していたので自信はある。ひところ、僕が連日ラグー(ミートソース)を作っていたので、家族が辟易していたこともある。

 そんなわけで料理は大好きだが、よく言われるのが下記のような言葉だ。

「きっと”男の手料理”って感じなんでしょうね!」

これはきっと誉め言葉なのだろう、、、豪快かつリッチなイメージ。確かに、野外料理をするときにはそういうのも作る。例えばこんなの(3段目の画像が僕)。でも、こういうのを誉められるのはあまりうれしくない。現実には、僕の料理は主婦の料理なのだ。考えてほしいのだが、毎日スペアリブやらステーキといった「ハレ」の料理ばかりを食えるわけが無い。僕がいつも作る料理は「ケ」の料理だ。

 例えば週末の休日には、

・つるむらさきのゴマ和え
・きんぴらゴボウ
・なすの南蛮漬け

といった惣菜を山ほど作って、でかいタッパーに蓄える。それを1週間かけて食べるような感じだ。とくにきんぴらゴボウは僕には欠かせない料理で、よく食べる。なすの南蛮は、夏から秋にかけてナスが出回るとき、大量に作る。串切りにしたナスを高温でさっと素揚げし、鷹の爪を割った酢醤油に漬けて冷やすだけだが、たまらなく好きだ。これら惣菜に、豆腐の冷奴(たいてい一丁分食べてしまう)と納豆をあわせれば、僕の休日の食卓になる。

 日曜日はたいてい寝過ごすので、ブランチとして11時くらいにパスタを作る。トマトソースに自家製のバジルペーストをふんだんに使って、あとは野菜を放り込む。普通と違うのは、麺を200gくらい茹でることだろう。ワンプレートだからふんだんに麺を食べる。うちに来てパスタを食べたことのある人はわかるはずだ、、、

 ま、そんな感じなのです。疑問は氷解したでしょうか、Sさん?
 

Posted by yamaken at 2003年09月11日 00:29
Comments

凄いですねぇ!お嫁さんにしたいですよマジで。日記に載ってるのを見てたら、この人痛風にでもなるんじゃ・・・って感じでしたが、お家では健康的なんですね?ところで農作物に詳しいようなんで私の友達の長年の疑問に答えて欲しいのです。それは「桃太郎の桃の絵って先は尖ってるのに実際の桃はお尻みたいやん?昔の桃は尖ってたん?」あれは絵だけど。。。昔は桃も桃太郎トマトのように先がピンってなってたんですか?

Posted by: miwako at 2003年09月11日 11:27

嫁さんにしてください(笑)
さて桃の件。お答えします!
ご友人、ご名答です。日本の在来品種は、あの絵本のような、お尻が尖った形の桃ばかりだったのですよ。けど、それは現在主流の桃とは違い、とても硬くて小さいものだったようです。明治33年までは各地で栽培されていたのですが、先に挙げた特性から、栽培品種としては不適とされました。
それにさかのぼる明治8年に、中国からいくつかの桃が輸入され、日本の在来種との交配実験がされました。その中でも好成績を収めたのが「上海水蜜桃」という品種との交配品。それが現在主流となっている真円系の桃のルーツなのです。
例えば、有名な岡山県の「白桃」も、明治34年に発見されたものですが、おそらくこれも上海水蜜桃との交配ではないか?とされているらしいです。

ということで、トリビア風にまとめると、

「明治33年以前は、桃の形は、桃太郎の絵本に出てくるような先の尖ったものだった」

ということでした。食べてみたいですね、在来品種。

この手の話題、なんでもこたえまっせー(知っていればね。)

Posted by: やまけん at 2003年09月11日 19:24

このトリビア84へぇ~(笑)
金の脳をプレゼント!
ありがとうございました。

Posted by: miwako at 2003年09月12日 08:35

お母さんと高校から仲良しのおばちゃんでぇす
(二人とも松山では美少女で通っていた)なんてことは無いか!日記読んでると ホント美味しそうに書くね。舌が食べてないのに 感じてしまう。それに表情がお母ちゃんに似ていて 可笑しくなる(失礼)しかしみッちゃんはいい息子製造した。あっぱれ!

Posted by: みっちゃん at 2004年11月20日 22:32

だいぶ前の文章のようですが、今になって目に付きました。それでコメントさせてもらいまーす。

ここで書かれている桃の在来種についてですが、現在でも中国ではそういう「硬くて小さくて先がとんがった形の桃」が流通しています。
(少なくとも江南の上海や杭州で、あるいは雲南や貴州で、またシルクロードの敦煌で出会ったことがあります。町の道端で売っている桃の大部分はその手のものです、というよりも日本のやわらかくジューシーな桃には私はお目にかかったことがありませんでした)
けっこう歯ごたえもありますが香りもよくて、私はとても好きです。

やまけんさんの文章では上海水蜜桃がいまの日本の桃のルーツのひとつになったのだとわかりますが、その一方で中国ではいろいろな品種の桃が存在し続けているようです。
すごく平べったい扁桃とか。おもしろいですよ。日本制覇したらアジアにもさらに足をのばしてくださいね!

Posted by: ゴトウ at 2004年11月21日 23:33