2016年2月24日 from イベント
ということで、再来週だと思ってたらもう来週だった!ひえーーーっ
福岡のキャナルシティ内にあるホールスクエア福岡のレストランにて、表題のイベントを開催します。熊本県の阿蘇を守るプロジェクトとのタイアップで、肉の事業を一緒に立ち上げた丸菱という会社が、阿蘇の特別な放牧あか牛を2頭購入。これを広く皆さんに識っていただくためのイベントを開催します。そういう趣旨なので、全編あか牛が出てくるフルコースなのにほぼ儲けなしの税込6000円。東京じゃ絶対にやれませんね。ちなみにシャンパーニュ一杯がつきますが、それ以上のワインとかは別予算でお願いします(ちなみにワインも相当に取りそろえてます)。
今回食べるくまもとあか牛は、阿蘇の産山村、上田尻牧野の井 俊介さん達が育てた、「完全放牧ではないけど、放牧経験がべらぼうに長いあか牛」だ。
阿蘇の上の方、産山村ではあか牛生産にトライしている方が多い。村からちょっと車で走るとこんな光景。スタの写真の真ん中あたりに、放牧されているあか牛と黒毛がいるのがわかるだろうか。
こんな環境のなかで、母牛と子牛達が育っているわけだ。短角のように、オス牛をこの中に入れて自然交配させる「まき牛」方式ではないのだが、子牛時期だけでも放牧で草を食べておくと、その後の肉質にはカルニチン含量が上がるなど、よい影響がでることが確認されている。
この光景の中に大きな牛舎がひょこっと出てくる。ここでは、繁殖メス牛ではなく肉牛の肥育が行われている。
先般終幕したイタリアのミラノ万博では、この阿蘇で育ったあか牛の肉を現地に持っていき、多くの人々に食べてもらったそうなのだが、じつはここで育てられた牛なのだ。
「やまけんさん、そのミラノに行く牛がこいつなんですよ。」
なんとこいつかあ!驚くほどに丸々と太っている! ここの肉牛は、子牛のうちの2シーズンを放牧で育て、仕上げの数ヶ月は牛舎の中に入れ、ときたま放牧させて草を食べさせるという、放牧と牛舎飼いの折衷で育ったというのだ。
このあか牛、ほれぼれするできばえだった。いいなあ、このあか牛どんな味がするんだろう、食べたいなと呟くと「あと一頭、同じように育てた牛がいましてね、、、」と耳打ちされる。そのミラノ号(?)の隣に、また立派な体格の子が居たのだが、この子である。
それならばてっとり早い、僕がお手伝いをしている熊本の高級食材スーパー「ホールスクエア」でぜひ!ということになり、昨年11月にドライエージングを施した阿蘇の放牧あか牛の肉を食べる会を実施したのである。
この子のお肉がこれ!
えっ、、、 すっげーサシはいってるじゃん!
実は井さんたち、後半にのみ、穀物飼料をけっこうな分量与えていたのだそうだ。この牛ちゃんのお味は、、、
グラスフェッドのオージービーフと比べて、とてもとてもリッチ!
硬いスネを赤ワインにしても、、、
サーロインをビーフカツにしても、実に美味しい! 実はこのイベントの時、集まってきたシェフ達がみな目を輝かせ、
「放牧っていったら、味気ないのが出てくるかと思ってたけど、旨い!」
と喜んでいたのだ。
もちろん、不人気部位とよばれる部分をシャルキュトリ-にしても美味しい。
にこごりと、コンソメスープも素晴らしい出来だった。この放牧経験の長いあか牛、実に評判がよかった。
でも、、、
ちょっと穀物あげすぎかな?と僕は思ってしまった。
「そうなんですよね、つい食べるもんで、上げちゃったんです」
いやいやいやいやいやいや
あか牛のよさは粗飼料で育ってくれるところでしょ?ぜひもっと穀物をあげないで、草で育てましょうよ、、、
とお願いしたところ!
「あと一頭、この県のプロジェクト用の牛がいるので、そっちは穀物あまり与えないで育ててみましょうかね」
ということになったのだ!
ちなみに俊介さんは産山村の中で、農家レストランを開いている。そこで出している肉はこんな感じだ。
サシはわりと入ってるけど、赤いじゃん!今度のはこれよりもっとサシ少なくてでいいよ。
井俊介さんの牛と、水源地があって名水が湧き出る産山村のお米、マッチング最高。
ということで、この上田尻牧野でそだった、すこし穀物飼料を少なめにして、赤身度を増した放牧あか牛を食べる会を開催するわけだ!
生産者のみなさんも来場します!
7種のフルコースの料理内容は、島根出張中にまたアップします。再来週だと思って宣伝してなかったから、ちゃんと埋まるか心配だ!福岡周辺のみなさま、ぜひおいで下さいませ!
阿蘇の放牧あか牛のフルコース 全7皿
2016年3月2日(水)
18:30開場 19:00~21:00
ホールスクエア福岡内 AWESOME GRILL
会費6000円(税込・シャンパーニュ1杯サービス)
25名様 完全予約制お問い合わせは092ー982ー1008 ホールスクエア福岡まで
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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