史上初!? 宮崎市田野町の大根やぐらの下で大宴会! 干し大根料理を食べながら焼酎を飲む。数万本の大根が干し並ぶこの風景は後世に残すべき文化的景観であり、佳い食の源であると実感した!(写真圧倒的に多数!) 後編

2016年2月12日 from 出張

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(前編はこちら

大根やぐらの時期、晴れていると日中はぽかぽかなのだが、午後3時くらいからだんだんと寒くなっていく。そして日が暮れる頃はもう寒い寒い!宮崎が南国であろうとやっぱり寒いものは寒いのである。

さあそんな暗くなった後の大根やぐらの下で大宴会をやろうという企画。やぐらの下でストーブに火を入れて大根が凍結しないようにしながら、その下で番をしながら酒を呑むというのは、これまでもやられてきたことだ。しかし、大勢を集めてそこで宴会をやろうというのは、公式にはやられてこなかったという。

マジで?

こんなに面白そうなのに!?

ということで「やりましょうよ!」と熱望していたら、「やりましょう!」ということになってしまった。しかもこんなポスターまで!

 

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ということで藤野さん家の大根やぐらの下で、宴会なのである!なんと人数は80名。というか、もっと来たいという人が居たらしいのだが、初めてのことでもあり、関係者にしぼってその人数になったとか。

現地に行くと、綺麗な下弦の三日月のもと、日が暮れてうっすら地平線がオレンジ色の中、ボウッと大根やぐらの中に灯されたあかりがじつに幻想的。

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すでに準備は万端!大勢の人達が準備にいそしんでいる!

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もうね、みてくださいよ、こんな風景、こんな宴会場みたことありますか? 大根やぐらの中に蛍光灯が渡されて、実に壮観。実はこのやぐら、ズーッと向こうまで前長100mはあるらしいのだが、それを真ん中で区切ってある。つまり収容しようとおもえば250人くらいは軽く入れるということだ。

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初の大根やぐら宴会のため、地域の方々がお煮染めなどのご馳走を準備してくださった!

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うっひょう、最高に美味しそう、、、 こちらは大根の各種漬物類、もちろんすべて手造りだ。

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あっという間に、干し大根で創られた創作料理が並ぶ! ちなみに、紅や紫の大根があるが、これは「紅(くれない)の大根」という、この地域特有の色つき大根でつくったものだ。

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紅の大根は、宮崎の在来品種である「糸巻き大根」の仲間で、これを元に固定した地域大根だ。

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アントシアン色素なので、酸に触れると鮮やかに発色する。

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育種に関わった方から聞いたが、DNAを分析すると、中国系の大根だそうだ。中国系の品種は甘さが乗ってバリバリとした食感になりやすい。一方、トロット煮崩れる食感が好まれる煮物には向かないこともあるのだが、この紅の大根は煮物にしても美味しいそうだ。

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さあそれでは宴会の開始!

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なんと宮崎市の副市長まで駆けつけてきてくれた!みんな、やぐらの下での酒盛りに興味津々なのである。

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ということでカンパーイ!

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それにしても寒いっ! ブルーシートで風が吹き込まないようにしているといっても、それはもうブルーシートですからね。断熱できるわけじゃないので、やっぱり寒い!

なのでこの日、「霧島酒造」から焼酎の差し入れがあったんだけど、お湯わりにしてガンガンいただきました。

けど、どんなにお湯わりを飲んでもあったまらない!(笑) 大根やぐらに人を呼んで酒盛りするためには、とにかく寒さ対策だな。これ、コタツでやったらどうだろう(笑)

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ラーメンどんぶりのごときどでかい器に入ってまわされているのはイノシシ汁。骨付きでゴロッと肉が入っているのだが「これって3人前?」と思ったら、ひとり一鉢でありました(笑)

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これも紅の大根なのだが、やはりしっかり身肉が残っていて、食感もいい。なかなか面白い品種だ。

それにしても料理が旨い!

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このお寿司、全部に紅の大根がつかわれている。バッテラの上にも薄い紅の大根の酢漬けがのっているのだ。

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お稲荷さんには、九州らしくいっぱい具が入っているんだけど、、、ボリッと強い食感がする!

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そう、やはりここにも塩と酢で締めた紅の大根が仕込まれているのである!

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巻き寿司にもこの通り。ざくりとした食感が実にアクセントにいい。また、青菜みたいにみえるのがあるが、あれは紅の大根の葉だ。この大根の葉は、毛じが柔らかいらしく、塩漬けにすれば美味しく食べられるのだ。

こちらは地元の飲食店さんたちが共同でつくったという、「わにつかおろしハンバーグ膳」。これ、ひとつしかつくってなかったのを、メインゲストということで私だけいただいてしまった。

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「わにつかおろし」とは、地域の鰐塚山から吹き下ろす寒風だ。この風があるからこそ、理想的な干し大根ができる。その「わにつかおろし」と「紅の大根おろし」をかけたのだろう(笑)

わにつかおろしハンバーグには干したくあんが入った和風のハンバーグだ。その周りには、これまた地域の「まだか漬け」という漬物入りのいなり寿司、抹茶塩おにぎり、お茶うどんのグラタン、干したくあんとクリームチーズのアミューズ、紅の大根のお焼き、などなどが盛り込まれている。

そのまま食べようとしたら、このプロジェクトを主導した湯浅まき子さんから

「ああ、ちょっとお待ちを! このおろしにレモン汁を垂らすと、、、」

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そう、酸によって色が紫からピンクへ!これが完成形なのである。

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おろしとたくあん入りハンバーグ、美味しかった! これ、レギュラーメニューで訪れる人達がたべられるといいな。

こちらは紅大根のピッツァ!

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じつはこれ、JA宮崎中央の理事さんの庭先にある石窯で焼かれたもの。この理事さんが僕のブログの熱心な読者さんだったとかで、昨年大根やぐらを撮りに廻ったとき、担当の里脇さんが「なんじゃやまけんがきとるならなぜわしを誘わん!」と起こったそうだ。まあそりゃ里脇さんもそんなこと識らんもんね(笑)でもありがとうございました、ピッツァ旨い。こんどは庭先で食べさせてください。

この日一番のビックリはこれ。

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なんと紅大根入りのロールケーキ、、、マジ? でも、意外にこれが美味しいのだ(笑)

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喜んでかじり付くF嶋ちゃん。 「あれっ 冗談ぽい味かと思ったら、本気でイケます」と真顔で言っていた。

それにしても、、、 この大根やぐらの下の空間、最高だ!

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こんな規模で開催するのが初めてだなんて、ウソみたい。現地のみなさん愉しんでいただけてただろうか。

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田野の大根やぐらの光景は、昼に見ると壮麗で美しい。例えばこれを車で周り、そしてどこかのやぐらで大根がけ体験をさせてもらう。

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収獲した大根を漬け込む工程を工場で見学し、たくあん漬けでお茶を一杯。

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そして、夕方になったら、町が特別に借り切って常設宴会場になっているやぐらの下で酒盛り。地元のご婦人会などの手料理、理事のピッツァなどでおもてなし。

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へべれけになったらホテルにお送り。

こんなツアーがあったら、すっげー面白いんじゃないか!?

本気で、参加したいと言う人は多いと思う。

さて宴もたけなわ、万歳三唱をして閉幕だ。それにしても、寒すぎてぜんぜん酔わない(笑)

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宮崎市田野町の大根やぐら、シーズンはそろそろ終わり、やぐらの片付けに入る。来年は11月から、ずっぽりと現地に入って撮影しまくるぞ。そのためにまた一年、準備だ。すでに撮影するためのマップはできている(里脇さんありがとう!)。

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大根やぐらよ、ありがとう!