2016年1月25日 from 首都圏
小学校の頃にちょっとだけ通っていたスイミングスクールで、冬になるとプールから上がって寒い時期だけは、フロントに肉まんの蒸し器が置かれて販売されていた。あまり買い食いさせてくれなかった僕の実家だったが、なぜかその時買ってもらった肉まんのあまりの美味しさを、いまでもハッキリ覚えている。
以来、ぼくは肉まんが大好き。それもコンビニで売ってるのが好きだ。もちろん一番美味しいと思うのは中村屋なので、セブンイレブンで買うということになる。
大学生の頃はさまざまなコンビニチェーンで肉まんが違うので食べ比べをした。その当時はローソンの肉まんが画期的で、ほとんど豚肉と玉葱の味しかしないシンプルなのを出していて「おおっ」と思ったことがある。でも、いまや中村屋のしか美味しくない。
これをあるとき、大阪の市場のセリ人達と話したら、どうも微妙に話が合わない。というより連中がしらーっとした顔で僕を観る。
「やまけんさん、こっちじゃ豚まんって言って、専門の店があるんで、コンビニなんかで買いません」
というのだ。そこで彼らのお薦め豚まん店に入ったり、他の友人と豚まんを食べに行ったり、そしてもちろん大阪土産ド定番の551だって何回も食べている。
でもね、もうしわけないんだけど、おれは旨いと思ったことがない。おそらく大阪の豚まんは、酢醤油と辛子をつけて食べる味に最適化されてるんじゃないか。でもコンビニ肉まんはそれがなくて、単体で食べる用に味がついているはずだ。そういう微細な違いからだろうか、僕は中村屋肉まんこそ最高と思っている。
さて、新宿から京王線で2駅の笹塚には、中村屋の工場があるのをご存じだろうか。
この工場の正門前に、なんと肉まんを売る売店があるのだ!
この辺に来たときには、可能な限り途中下車して買っていくことにしている。といっても年に数回だけどね。
ちなみに、店頭で蒸かして売っているのは、コンビニ仕様のものではなくて、中村屋オリジナルの中華まんだ。
ご覧の通り、フカヒレ肉まん486円とか、黒毛和牛すき焼きまん378円といった特別バージョンが売られている。肉まんあんまんも、天成シリーズというもので、契約生産農家の豚肉を使ったものだ。
この店先で熱々を食べるのが、いちばんの至福。
こちらがふかひれ肉まん。マジでフカヒレ?そうなんです、マジなんです。
フカヒレ感よりもフワフワもっちりの生地のほうが印象にのこっちゃうけど、それでも美味しい。
こちらがすき焼きまん。どっちも通常の肉まんより一回り大きい。
おおっ 黒毛と銘打っているだけあって濃厚な香り。甘めの味付けが実に白まんじゅう部分を消費させる!
そして、天成肉まん。
汁が美味しそうに染み出てます。
やっぱりねえ、この味なんですよ。
今からは信じられないだろうが、昔の僕は偏食だった。中でもシイタケは嫌い度ナンバーワン。それが食べられるようになったのは肉まんのおかげである。肉まんに入っている干しシイタケは旨い!
肉まんは豚まんにあらず。大阪の豚まん文化と、関東の肉まんは違うのだ。ということにしておきたい。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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