ペッパーミルに黒胡椒以外のものをを入れて挽いてはいけない!というのはどうやら常識だったのね、分解掃除するハメになりました。悔しいので胡椒について。

2015年12月18日 from 日常つれづれ

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我が家で使用しているペッパーミルがおかしくなってしまった。挽いてるのにぜんぜん出てこない。あのプジョー製の高級な、木製ペッパーミル。

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10年前の結婚プレゼントに、いまをときめくdancyu副編集長にして酒呑み姐さんであるカンキさんがプレゼントしてくれた記念の品だ。以来、大切にハードに使い込んできたのだが、さすがにもう使いすぎて摩耗しちゃったのか?と思ったりした。

違った。

原因は他のところにあった。実はちょっと前に黒胡椒のストックが切れてしまったので、ピンクペッパーとグリーンペッパー(あまりつかわないので余ってた)を入れて挽いてたのだ。最初の方こそ快調に挽けてたのだが、しばらくするとなにも出てこなくなってしまった。

調べていたら、そもそもプジョーの説明に「グリーンペッパーやピンクペッパーなどは油分が強く、詰まるのでダメ」ということが書いてある! やっぱりトリセツは読まなければいけませんね、という話。

そうなんだった、ピンクペッパーって実は胡椒とは違うものなんだった。

黒コショウは完熟前のコショウを摘み取って発酵と乾燥をさせたものでピリッと辛みが効いているものだ。白コショウは完熟した実の皮と果肉を取りさって乾燥させたもの。辛みは柔らかで、香りの方が強く感じる。

問題の緑コショウは外皮が黒変しないうちに乾燥させたもので、味香り共にマイルド。

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しかし、、、

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ピンクペッパーには三種あって、しかもそのうち二種はコショウではない。ひとつはコショウを完熟させて真っ赤になったのを塩漬けにしたもの。そしてコショウとは違う種であるコショウボクの果実を乾燥させたもの、もしくはセイヨウナナカマドの実を乾燥させたものだ。

写真は日本で最も一般的なコショウボクの果実で、噛むと少し甘く香りが立つ。

で、これらの黒白でないコショウは、ペッパーミルに入れちゃダメ!

どんな精密機器なんだとビビって分解はしないでいたんだけど、送付して直してもらうとエライ値段になりそうなので、意を決してエイヤっとネジを外して分解掃除してみると、、、意外と簡単だった(笑)

ごらんください、挽かれるギア部分にびっしりと、緑色のペーストになっちゃったコショウが詰まっている様を。

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あららららら、、、

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すべての溝が埋まっちゃってるわ。こりゃ、無理だよね。なんも出てこないわけです。

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歯ブラシではかきとれません。爪楊枝も使ってるうちに先がつぶれる。ということで、精密ドライバーの細いのでかきかきしました。

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こんなの入れちゃダメっ!

15分ほどで、綺麗に生まれ変わった(?)ペッパーミルに!あっでもまだ黒コショウ買ってないから、挽けるかどうかは分からないけど、おそらく大丈夫なはずだ!

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ちなみに、なかからこんなに出てきました、、、

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ということで、ペッパーミルを使うときはくれぐれも取扱説明書を読みましょうね。

ところで。

肉や魚の下ごしらえをするときによく「塩・コショウを少々」という定番の言い方がある。僕はこれがあまり好きではない。というのは、下味をつける際に欠かせないセットとして、何も考えずに使われていることが多いからだ。

肉のテイスティングをしようとしているのに、その準備段階で無意識のうちに塩とコショウをかけようとするシェフがいる。そのどちらも、肉の個性を変えてしまう可能性があるものなので、最初はできれば何もかけない方がいいと思う。100歩譲って塩はアリでも、コショウは使わない方がいい。

なぜならコショウのせいで美味しくなってしまうのだ! それじゃあテイスティングになりません。

コショウは、それ単体でとても個性的な調味料でありスパイスである。嘘だと思うなら、豚肉の薄切りまたは鶏のササミか胸肉を買って、二つに切りわけ、片方は塩だけ、片方は塩とコショウをかけてしばらく置き、焼いて食べ比べてみるといい。そうすればきっと驚くはずだ。

「コショウってこんなに個性が強かったの!?」 と。

素材にいやな匂いがあるときには、コショウはその匂いを取り除く役割を果たしてくれる。逆に繊細な味の素材のときは、コショウの香りが強くなりすぎて味わいを損ねるかもしれない。つまりコショウを用いる際には必ず「コショウを味付けに使うんだ」と意識しながら使わなければいけない、そんな調味料なのだ。

なーんていいながら、ミルの使い方もしらなかった俺でした。カンキさん、いただいたミルはまだまだ現役でございます。