2015年10月16日 from 食材
RICOH GXR 50mm Unit
お米についてはいつも信頼して相談している山田屋本店の秋沢社長より、今年はじめて世に出る新品種で、しかも新米という二つの「新」のつくお米を送っていただいた。
ひとつは青森県で初の「特A」を獲得した「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」。
もう一つが、新潟県でこれまで新潟103号という開発ネームで、さきごろその正式名称が「新之助」ときまったというこれだ。
この新之助はH29年度に出てくるということで、いまのところお試し品として米業界内で出回っているものだ。
コメの品種開発は、長ければ10年ほどかけて数万通りの掛け合わせを試して、目標にあったものを選抜していく。ペレット上の試験はともかく、実際に播種しての生育試験は一年に一作しかできないこともあって、年数がかかるわけだ。その最終段階で絞られたのを多めに試験農家に委託して栽培し、関係者や流通業界に配付する。それと並行して名称や米袋のデザイン、売りこみ戦略を考えると言う算段だ。
山形の「つや姫」の発表の際、そのブランド推進会議のメンバーとして審議に関わった時、なるほどね、こうやってコメを世に出していくのかというひととおりを体験できたのは幸せだった。つや姫、そのネーミングはあまり好きでなかったが、結果的に大ヒットしたのでよかった。
その前後から、各県における新品種のブランド化競争が過熱してきたように思う。おそらくだが、コシヒカリ一辺倒だった時代が終わって、目移りしやすい消費者に売り込むチャンス!と捉えているのだろう。
とはいいつつ、コシヒカリのH27年産の作付けシェアは36%でダントツ1位、2位のひとめぼれが9%なので、あとは本当に団子状態という感じだ。ここ10年で出てきた新品種はどれも1%いくかいかないかで、つや姫0.8%、ゆめぴりか1.3%に過ぎない。やはりコシヒカリは依然として強いのである。
重要なのはこうした新品種のライフサイクルがどの程度のタームになるのか、ということだ。10年もたずに消えていく可能性だってある。青天の霹靂と新之助がずっと愛されるためには、食味がよいことはモチロンだけれども、それ以上に農家にとって作り易い・耐病性が高い・収量がよいというメリットがないと難しいだろう。だから、あと数年またないと本当の意味での評価はできないのではないだろうか。
なににせよ、このお米、早速持って帰って食味チェックをしようと思う。楽しみだ!
ちなみに秋沢社長、気を利かせて下さったようで、つや姫の新米も送っていただいた。
それに加えて、茨城のお弁当製造業者さんである万年屋の鈴木良成さんからも茨城県産のお米をいただいてしまった。
ということで、どれがどんなだったか、きちんと食べ分けねば。でも、鍋がそんなにないんだよな、、、(涙)
秋沢さん、ありがとうございました!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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