2015年8月18日 from ドライエージングビーフ,首都圏
さて、このブログでは久々に登場!
もうかれこれ11年のつきあいになるんだよなぁ、、、小池俊一郎、来月はあのトップシェフの読む雑誌に登場するという。この街場の小さな店が、、、素晴らしいことである!
で、愛媛の山本牧場からきた若き生産者を彼の店に連れてきたのは、これを食べさせるためである。
マルヨシ商事による、北十勝ファームの短角牛の130日ドライエージドビーフである。
通常、マルヨシ商事はすべてカビを除去した状態で出荷するのだが、シュングルマンはよほど信頼されているのか、原木のままである。
中身は、余計な水分が一切抜けて、実に食べ頃感がみてとれる。
で、今日はこういうコース。
焼きトウモロコシの冷製スープ、今年一番の美味しさはこの店だった!
素晴らしい。トウモロコシを食べるよりもトウモロコシが粒状に凝縮されている。
ツブ貝も鮮度バッチリ。肉の旨い店は海鮮も美味しいものだ。
そして、相変わらずすべてを一から、ぜーんぶ一人で仕込むシャルキュトリー群。いいかげんに人をいれればいいのに、自分でやらなきゃ気が済まないのだろうか。
野菜の下にはバーニャカウダソースが忍ばせてある。
シャルキュトリーはぜんぶで八品目。「お盆明けなので材料が薄くて」というが、十分でしょ!
温前菜はなんと梅山豚とキノコ!
早松やアワビタケ、サマーポルチーニなどのソテーと低温真空調理の梅山豚、そして焼きナスが下に敷かれて、照り焼きソースのように甘酸っぱいシェリービネガーソースでいただく。
「これ、前菜ですか???」
と山本君が訊いてくる。そうだよね、それが正しい反応だよな。
こいつが実にうまかった! アオリイカの肝と墨をつかったソースサルミ風。
アオリイカのしこしこした身肉に絶妙な火を入れ、肝と墨を使って、ジビエでよくやるソースサルミ風にしている。
これは素晴らしい創意工夫! 実は創作フレンチ界の巨匠が訪れて「これは旨い!」と言って、こんどは店のシェフ達を連れてきて「これだよ、このイカ旨いんだよ!」と食べさせていたという。ムッシュ、こんど僕もご一緒させてください(笑)
さてこの時点で腹八分目になってるけど、肉登場。
もう、見た目でがつーんと殴られた感があります(笑)
手前が短角牛のDAB、奥の直方体は佐賀牛だ。 え、佐賀牛!? そうか、通常の黒毛との食べ比べをさせてくれたのだ。
短角牛のDABは素晴らしい仕上がりと、炭火での火入れが抜群。脂身はチーズのようなふくよかな香り、赤身部分のテンダネスも極まり、実に美味しい。これぞマルヨシドライエイジングの味だと言える。
佐賀牛、おそるおそる食べたけど、さすがにこれもマルヨシ商事の引いた個体、現代的な黒毛にしては美味しかった。でも、やっぱり二口でズシーンと身体に来ますね。
「さてやまけんさん、お食事は?」
と小池君が訊いてきたとき、山本君が「ええっ?」と声をあげる(笑) でもね、これはたべようよ、鮎パスタ。
鮎の肝をうるかのように熟成させて、アンチョビのようにしてパスタに絡ませる、小池君のスペシャリテ。
鮎料理の中でも最高傑作だと思うおいしさだ! 山本君も 「あっ これは旨い! これなら食べられます!」と結局たべていた。
ドルチェは、チーズケーキと飯尾醸造の紅芋酢アイスに、蜂蜜いり紅芋酢をかけて。
黒毛の脂でうわーんとしていたのが、さっぱりに!
快進撃を続けるシュングルマン、実に小池色を強めていました。 ごちそうさま!美味しかったよ、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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