ブルーベリーの坂農苑で色んな意味でびっくらこいたのち、一路、茨城県鉾田(ほこた)市の村田農園へ。村田農場といえば、1月にアップしたこの写真のイチゴを生産しているひとです。
着いてみると大・大・大フェスティバルの真っ最中であった。
なんていったって、ハウスが林立する道路脇にずーっと車が列をなして停まっている。そりゃ、ここにくる手段としては車しかありえないもんな。
この方が村田和寿さん。実ににこやかで低姿勢、こころがいきとどいている方とお見受けした。
なにより、この村田農園ではタイなどから研修生を受け入れているようなのだが、彼らがすべてニコニコ笑顔で、対応が丁寧。こういうのは、雇い主とよい関係を築いているからであって、よい人のところでなければこうはならない。一瞬でお人柄がしれた。
「あーっ高橋さん、よく来ていただけました!」 と瓢亭・高橋ヨッシーとの握手。
そう、瓢亭ではイチゴのシーズン中、村田さんのものを出しているのだ。
「知り合いから紹介してもらって、たべてみたら素晴らしかったんで、出してるんです。僕も初めてやったんで、きょうは来られてよかった!」
さてその村田農園感謝祭、こんな感じでブースの準備がなされている。
すでに、水戸市内のバーで村田イチゴを使用しているお店が開店中。
摘みたてのいちごをたっぷりつかったカクテルなど、ゴージャスである!
さてつぎつぎと人が来場するなか、一定の人数がまとまって、イチゴ摘みとなる。この感謝際のキモなのだが、一人2000円の入場料を払うとイチゴの箱を手渡される。これに、ハウス内のイチゴとり放題!なのである。
なんかすごくもったいない!と思うのだが、村田さんによれば、
「もう収獲終了で、最後にみなさんに摘んでいただこうという主旨なんですよ!」
とのこと。
セブンイレブンに高品質なパンを納品するリバティフーズの社長、鳥山さんご一家も箱を持ってスタンバイ!
林立するハウスがグループごとに指定されるので、そこに入っていく。
ちょっと暗いのでわかりにくいだろうけれども、採り終わりといいつつ、すっごくたくさんの赤い実が残っているではないか!
花芽もバンバン出てきていて、まだまだ穫ろうと思えば穫れるという、ちょっともったいないタイミングである。
みんな、わーーーーっと声を揚げつつ、そしてすぐさま黙々といちごつみ開始。
要領のよい人はすぐさま、こんな感じで箱が満たされていく。
わーい、と美人さんの箱も良い頃合いのいちごがぎっしり。これ観ても分かると思うけど、けっこう大きな実が残っているのだ。
ていうかね、これは村田農園のスタッフのみなさんが、感謝祭用に摘まないで熟させておいてくれたのですよ、どう考えても。
「もう収穫祭後だから」なんて鵜呑みにしちゃいけません。村田農園の、ファンに対する計り知れない好意しかここに存在していない。頭が下がってしまう。
ヨッシーも大汗かきながら、大喜び!
みな真剣に収獲しています。
子供がまた、うまく穫るのだ。しかもこの子、ツル付きで収穫してる!偉いぞー
こうして、すべて赤熟した実は穫られてしまったのでありました。
さて、収穫したあとは、ブースに並んでおなかに美味しいものを入れるタイムである。
外からの糖分補給無し、穫ったばかりのいちごジュースの美味しいこと!
さあそして、朝から一緒に行動していた「格之進」の千葉ちゃん、ここでおもむろに十キロ超の肉をカットし始める。
「今日はね、36ヶ月肥育のメスの黒毛を10ヶ月熟成したものですよ!変態ですよ!」
このカッティングは、火を通した後に繊維を断ちきる方向でカットすることを前提としたBBQカット。
これを、盛大に熾った炭火で焼く!
脂で炎が立ち上る!
これをみていた、村田イチゴのユーザーである「日本橋ゆかり」の野永さん、ヨッシーの二人が腕をまくってテント内へ!「僕らも手伝いますよ!」
ということで、千葉君が焼き、日本橋ゆかり&瓢亭チームが切って盛りつけるという夢のチームが結成された!
炭火&網で表面に焼き目を入れ、鉄板上でじゅくじゅくと内部まで火を通した肉を、ヨッシーがかごで運ぶ。こんなシーンがみれようとは!
それを野永さんが切る!
ヨッシーも参戦!
仕上げに日本橋ゆかりでつかっているという山塩をぱらり。
野永さんとこの可愛らしいお嬢さんが、女将さんばりのてきぱき度でお手伝い。いやー最高な手際でした。
ちなみにお好みで、日本橋ゆかり特製の納豆ダレをかけると肉の旨さが倍化!
この肉、実にいい感じの熟成加減だった。脂肪融点がすさまじく引き下がり、水のような脂質に。くどさが消えて、本来的な黒毛のよい香りが前面に出てくる。あまたある、腐った肉を出して「熟成」といっている店と、まったく一線を画すあじわいだ。千葉ちゃん、いいじゃないか!
長蛇の行列で、1時間少しで20キロあまりの肉が完売。
「やまけんさん、これカブリの部分ね」と、さくさく食感のカブリ部をくれる千葉ちゃん。
これで打ち止めかと思いきや、ランチ営業を終えてやってきたのか、イタリアン軍団がパスタをあおりまくり始める!
このパスタがやけに旨かったです。今度店で食いたい、、、
と、村田さんが「やまけんさん、うちの親父の写真、みてやってください!趣味なんですよ」というので、えっと思って部屋にあがると、、、
趣味どころではない! すっげーギャラリーではないか! しかもどの作品もハイアマチュアレベルを超えてるぜ!
きけば村田パパ、ペンタックスの67を二台担いで山に登り、三脚に二台取り付けて露出を変えて撮りまくるのだと。マジかよ、、、
鉾田市長も「素晴らしいですね、、、」と見入っている。こんな人がいたのだな、、、
ステージ(?)では、さまざまな協賛品を入場番号でビンゴ。僕もかりんとうをいただきました。
えらいなーと思ったのは、なんと茨城県の副知事↓が出席しておられた。しかもきっちり村田農園を褒め称え、輸出も見据えて茨城の農産物をチアアップしていきたい、という決意表明もさわやか。こういう人が行政トップにいるのはとてもよいね。
それにひきかえ、とある市町村レベルの行政トップの人。
村田さんが「こちら、京都の瓢亭さんの若旦那です!」とヨッシーを紹介していたのだが、「ふうーん、、、」と瓢亭のこともしらなさげな対応。まあ料理に関心ないならそれは仕方ないと思うけど、何を言うかと思ったら「京都からは電車で来たんですか?」と、どーでもいいことを。その後、会話続かず。
行政の首長って、そりゃ忙しいんだろうけど、村田農園が感謝際で読んでる飲食店の人達なんだから、言うべきは「茨城県の、いえ●●の農産物をよろしくお願いします!」ってことを言うべきでしょう。この人まさか、感謝際に感謝されに来たつもりなのかな。ホント、ダメだなと思ってしまった。県の副知事と市町村レベルの違いなのかね、これが。
でも、そういう人もふくめさまざまな立場から応援されている村田農園はスゴい。数百人の人が集まり、そしてユーザーがブースを出してシェイカーや鍋をふり、肉を切る。イチゴというひとつの品目でこんなに集客できるなんて、なかなかないだろう。お見事です。
と、ここで村田さんの顔を出したいところだけど、良い写真を取り損ねたので、肉チームの集合写真。ヨッシーの次の予定にぼくらも便乗して、車をだしていただいて土浦まで一時間少しの旅。いや、茨城は広いね!
けど、やっぱり首都圏に一番近い大産地の底力を識りました。村田農園のいちごはこれからシーズンオフになるけれども、また寒くなってから美味しいイチゴをたくさん出荷してくれるだろう。またその際に、遊びに伺いたいと思う。
村田農園さん、そして美味しいブースを出展してくれたみなさん。ごちそうさまでした!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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