2015年5月18日 from 出張,常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす
しばらく前の話なのだけれども、印象的なお店なのでアップ。沖縄そばの美味しい店は多々あれども、その中で「本当に佳いなあ」と思える店は少ない。というか、沖縄そばに求めるものがどんなものかによって「佳い」は変わるからだ。
例えばこのエントリの後にまた書くけれども、地元民に圧倒的に支持される低価格帯・庶民向け沖縄そばも最高な風情だ。一方で、食材を吟味し、出汁や製麺にもひとつひとつ気遣いを見せる店もある。どちらも正しい沖縄そばだし、受け取る側のコンディションやTPOによって評価は変わる。
で今回は例によって、僕にとって最良にして最初の沖縄の導き手であるタクに連れて行ってもらった。いや、タクの父君である卓パパに連れて行ってもらったと言う方が正しいかな。卓パパって誰!?というあなた、このブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」のタイトル文字を書いて下さっている方ですよ!
そして、僕はその店のそばをすでに食べている。タクパパがおくってくれたこのエントリだ!
■絶品沖縄そばとソーキのセットが届く。啜る。旨い、と鳴く。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2014/02/post_2071.html
そう、このお店にやっと行くことができたわけだ!
「こんなところ地元の人じゃないとわからないでしょうが!」というかんじの、住宅街の裏手にひょいとのれんの掛かったこの店。 「茉家」と書いて「まつや」と読む。こんな隠れ家的な立地なのに、入店すると常連のようなお客さんがいて、食べている。識る人ゾ識る店なのだ。
いろいろ頼もうねということになって、僕はソーキが旨いのを覚えていたので、炙りソーキそばに。タクは福幸豚の中落ち生姜そば。卓パパは限定の、キムチとゆし豆腐の載ったそばをオーダー。
店主の本村貞彦さんは石垣島出身。だから、ここのそばは明らかに石垣の流儀にのっとっているそうなだ(沖縄の人間でない僕にはそこはわからないのだが!)。
さあ、本当にほどなくして、参りました!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
透明感あふれるこのスープと麺の世界観を打ち破る、、、
このショッキングにテリテリ光るソーキはぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
素晴らしいプレゼンテーションっ!
これはもう全部のせるしかないっ!
ということではいここからほとんど写真ありません。ひたすらスープをのみ、ソーキにかぶりつき、麺を噛みしめました。
本村さんのそばのスタイルは、すべてにおいて優しく穏やか。スープは福幸豚という県内の銘柄豚で、「これ、他の豚肉とは全然違うんです」という。ソーキはほぐれるほどに煮込まれているものの、味が抜けている感は一切無く、やわらかな旨みに満ちている。脂も絶妙にトロ感があって実に美味しい。この店では圧力釜で短時間に仕上げることは一切しないそうで、一から煮込んでいるそうだが、そういう部分が味わいに反映するのかもしれない。
そうそう、大好きな沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」も美味しい。セットでどうぞ。
こちらがタクがたべた中落ち生姜そば。豚肉の中落ち部分をフレーク状になるまで煮込んだもののうえにこんもりと生姜が載っている。こいつはパワフルです。スープの味わいがまったくかわるので、「ソーキソバと中落ち生姜そば」のダブルオーダーしても飽きないね(そんなのする人いないか)。
こちらがゆしどうふキムチ煮込みそばみたいなやつ。冬場の限定メニューなのでいまはありません。パパが「全部は食べられないよー」といってたが、結局すべてパパが食べてしまった。それだけ食べやすく優しい味わいだったのだろう!
ちなみに、ここのそば麺は鹹水の使用量が非常にすくないそうだ。身体へのインパクトもあるし、味わいとしてもそのほうが本村さんの好みなのだそうだ。たしかに、強い味重視のひとにはわからないが、当たりが柔らかくデリケートな麺である。
極上のスープも一滴も残さずに飲み干すことができた。塩味もやわらかく、一口目の美味しさよりも、最後に飲み終わった後にちょうどよくなる、絶妙な塩梅である。じんわり旨かった!
実は本村さん、先日のGW中に湯河原にきて、コラボレーションイベントで沖縄そばを出していたらしい。Facebookで識らせてくれていたのだが、GW中は僕も体調を崩して寝ていたので、行けなかった!ゴメン本村さん。
という、喰いたかったぁの念を込めていま書きました。
この店に行きたい人は、レンタカーを借りて行くべし! 本村さん、また沖縄で会いましょう!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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