2015年1月24日 from イベント,日本の畜産を考える
おかげさまで、23日(金)に開催した第五回赤肉サミットは、大盛況のうちに幕を閉じました。関わっていただいた皆様に心より感謝いたします。ありがとうございました!
朝8時に会場となる代々木の服部学園に入ると、間もなく高良シェフ率いるレカン軍団がドドドッと8人もご来場!この日のために服部学園の先生・アシスタントのみなさまもお願いしているのだけれども、これで足りちゃうんじゃないかってくらいの勢い!
マルヨシ商事より納品された12種類の熟成肉の状態をひとつひとつチェックしていく。
「こいつは水分がかなり多いな、、、こっちは、仕上がってるからこういう焼き方で、、、」と、後輩達にレクチャーしながらだ。
なんといっても今回は6品種の肉を2通りの熟成で仕上げた、総計12種もの肉をやいていただき同時に出すという荒技。入念にチェックしておられます。
これは十勝若牛。13ヶ月齢という若い個体だが、肉は充実している。十勝清水町の吉田さんが育てたものだ。
これは短角和牛のドライ。21ヶ月齢なので若すぎるかと思うが、意外に仕上がっている。さすがは名生産者の漆原さんだ。
そして、、、土佐あかうし!これ、赤身か!?とわらっちゃうほどに充実したサシである。これまた高知では有名な生産者・小原さんの手によるもの。
事前にこれらをカットしてものを、産地のみなさんとの交流ブースに持っていく。みんなわらわらと集まって「おおーーーーー!」っと。これだけの種類を熟成方式別に並べて見比べる機会なんて、普通無いですからね。
会場はこんなに美しい、服部学園のアネックス大講義室。
ここに、、、
100名を超える人が集まり、開講!
「さの萬」の佐野社長が熟成の基礎講座を行った後、おそらくこうした席に出てくるのは滅多にないマルヨシ商事の平井専務より、どうやって熟成したかの実践講座。
「これは、人前で初めて話すんですが、、、」という内容が非常に多く、平井君にしてはサービスしまくりだな!と思う内容。昨日いた人は、絶対に得してます。
そして、各産地からのプレゼンテーション。
前半だけで3時間。みんな疲れているだろうに、試食前の15分間、ずっと前に並べた肉をみようと長蛇の列が!
そして、テイスティング。
一皿に3種の肉。吊るし熟成とドライエージングの二通りが2セットで、計6種である。
ちょっと申し訳なかったのは、この日は気温が実に低くて、5Fの調理室であたたかく肉を盛りつけても、2階下がって配膳をするあいだにみるみると冷えてしまう。こればかりは仕方の無いことなのだけど。なので、口中温度でぬくめて味見して下さいとお願い。この辺の問題をクリアできるとホントにいいんだけどな。今後に期したいと思います。
みなさん、真剣な顔でテイスティング。
あの人やあの人もいらしてくれました。
テイスティングは軽く塩をしただけの肉を食べていただくので、モノクロームの世界。これがいっきにカラーの世界に変わる、高良シェフによる創作料理デモンストレーション!
肉焼きのポリシーから、丁寧に手順まですべてを公開してくれた!
もしかすると、これのためだけでも価値があったかもしれない(笑)
高良さんの言葉は実に明瞭で、あいまいなことがない。彼の中で料理の技術はすべてに理屈が通っているのである。
この日はフライパンで表面を焼き、オーブンで火を入れ、最後に油とバターでアロゼして仕上げる王道の火入れだったが、この段取りでも、どこに強弱をつけるかでまったく結果が変わってしまう。高良流のやり方の結果がこの美しいロゼだ!
この実演に併せて創作料理二種が配膳され、みんなに食べていただいた。
実は二皿目は僕のところにはこなかったので食べていない(涙)十勝若牛のコンソメ仕立て、美味しかっただろうなぁ、、、
瓢亭・高橋義弘君の嬉しそうな顔、ランベリー・岸本シェフの聞き入ってる顔。後ろの席には岩手の味を出しているヌッフデュパブの伊藤さんも。皆真剣に聞き入ってる!
高良さんの迫真のデモンストレーションに大きな拍手!そしてとまらぬ質問!
そうして6時間にわたる赤肉サミットは閉会!
一階上で今回出品した産地のみなさんがブースを作って、ここで交流の場。嬉しいのは、どのブースにもお客さんがあつまり、言葉を交わしてくれること。大きな展示会とはまた違う交流ができたはずだ。
そんなこんなで、一年に一度の大イベントが閉幕。肩の荷が下りました。ただしまだ今年は終わりじゃない。来週、都内某キッチンスタジオにて、料理研究家さん向けの赤肉サミットをカルネヤ高山シェフを講師に迎えて開催。その翌々週末は、一般の方にも赤肉サミットを味わっていただくイベントを実施!そちらはまた情報アップしますね。
赤肉サミットに関わっていただいた皆様、どうもありがとうございました!心より感謝申し上げます。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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