2015年1月30日 from カメラ
全国の産地を廻っていると、どかーーんと広い草原や海に面した美しい畑など、その広い眺望を一枚に収めたい衝動にかられるときがある。そういう場合に、広角端24mmまたは28mm程度までの標準ズームレンズだと、ちょっと不足を感じることもある。そういう場合は、24mmより短い焦点距離の超望遠域のレンズが必要になるわけだ。
僕はいまニコン純正の16-35mmf4というレンズを使用しているのだが、あまり満足はしていない。悪いということもないのだけれども、とりたててよいという気がしないのだ。だから、現像処理で色々テイストを加えて結果を出しているという感じ。
本当は単焦点でキレのよいレンズが欲しいのだけれども、ニコン純正はながらく24mm以下の単焦点が出てこなかった。関西でご活躍のカメラマン・ハリー中西さんの撮影を観ていると、AiAF20mmf2.8という、ちょっと古い単焦点が出てきたので「あっやっぱりそれですか」と伺うと、「店内はこれだよね」とおっしゃっていた。そこで、僕もポチリしそうだったのだが、、、
でも同じラインナップの単焦点24mmf2.8をD800で使うと、正直いって「うーん」と残念な結果になることが多いので、いまさら買うのもなぁ、とためらわれていた。
そこにようやく出てくれたのだ、新しい超広角20mmレンズが!しかもF値が2.8ではなくて1.8に明るくなりましたよ!
さっそく試用依頼を出して、現在短期滞在中。
すでに色んなひとが価格コムなんかに書いているけど、とにかく小さくて軽い。たった355g!これがズームレンズだとド級の重さになるだろうけれども、24mmまでは標準ズームで対応して、それ以上はこの一本だけでというのもアリかもしれない。
というのは、16-35mmを使っているけれども、広角端である16mmを使う機会は、そう多くないのだ。やっぱりスイートスポットというのがあるもので、20mmあたりで使うのがいちばん自然な感じになる気がする。
まだ借りたばかりなので撮影機会にも恵まれてないが、先日の料理研究家さん向け赤肉サミットの会場を撮影してみた。このレンズの使用目的の大きな部分として、店舗撮影などの屋内・外の写真が主になるだろうから、雰囲気をみるためにはちょうどいいはずだ。
手持ちなのでうまく水平がとれてなくてすんまへん。あと、この環境はミックス光がすごいんですが(室内に合わせると窓の外は真っ青)、時間なくて色補正もしてませんのでご容赦。
f8 1/100 ISO1000
f5 1/100 ISO2000
ド広角ですが、これが驚くほどに寄れます。
ただ、周辺減光はかなり大きいですね。ヴィネットコントロール機能で補正すればきっと大丈夫だと思いますが、レンズ自体の素性をしりたいのであえて補正しないと、これくらいの差が出ます。
こちらF8。
こちらF1.8の開放値。
縦位置の方がわかりやすいかな。
こちらF8
こちらがF1.8
ただ、周辺減光じたいはf3.5あたりから全然気にならなくなりますのでご安心を。超広角でf1.8とか使わなさそうなので、まあ問題は無いと思います。
それよりもですね、気になるのは歪みなんですよ、歪み。
実はこのレンズ出てすぐ、銀座センターで実機を触らせてもらったんだけどね。その際、室内を写したら、樽型ゆがみがけっこう出ているのね。あれ、最新設計なのにと思ったわけでした。
よく考えてみたら、発表されたばかりなのでまだカメラの側に、このレンズ用のデータが入っておらず、補正できてないんだなと。でもそこでふと思ったのは、補正必要なんだなぁ、と。
カメラ側で補正が出来てない場合、現像ソフトで対応することが出来る。ので、今回もそうしようと思ったのだが、ニコンのRAW現像ユーザーならご存じの通り、CaptureNXというソフトウェアが一新され、D810発売以降のカメラボディ・レンズの場合は、新しいCaptureNX-Dというソフトでしか現像できなくなった(裏技はあるようだけど)。
だから、新しい方のソフトで試しているのだが、慣れないので使い勝手が異様に悪い。バッチ処理をしたいのに、「ここの処理を選択した画像に全て適用して欲しい」という些細な願いがうまく処理できないことが多くて、悩んでいる。きっと使い方の問題なんだろうけど、直感的にわからんのですよ。
で、ゆがみ補正がデフォルトで入らないので、いみじくも素直なレンズ描写をみてしまってちょっとガックリ。
先に出した画像で比較しよう。
■ゆがみ補正前(天井の湾曲に注目)
■ゆがみ補正後
■ゆがみ補正前
■ゆがみ補正後
わかりますかね? やっぱり建築物だと気になりますね、、、
超広角レンズは設計が難しいのだろうけれども、補正機能なしでもある程度使えて欲しかったというのが正直なところ、ではありました。
でも、そうはいってもこのレンズ、他にはない単焦点での超広角が実現することもあり、この際しょうしょうの歪みには目をつぶってしまおうかと考え中。だって描写がすごくいいんだもん。
まだ返却まで時間があるので、じっくり触って考えます。同好の士のためのご参考まで!
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