2015年1月27日 from イベント,ドライエージングビーフ
撮影:dp2Qattoro
大阪の中央市場内で各種肉を熟成する専門業者であるFeria(フェリア)の渡邊さんより、先日ここでも告知した若手シェフむけ赤肉セミナーで使用する熟成肉のサンプルが届いた。
■フェリアはこういうところ↓
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2013/04/feria.html
■若手向け赤肉セミナーはこういうイベント↓
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2015/01/225.html
事務所の給湯室の小さなIHヒーターにフライパンをのせて焼いてみたけどなり、かな~りいい感じで驚愕したのであった!
撮影:dp3Merrill
とどいたのは、熟成中の白カビのついた外側つきの、こんなかんじ。ストリップロインです。
撮影:dp2Qattoro
かなりいい感じに仕上がっているのがおわかりだろう。
ごらんのように、肉の中に含まれる自由水とよばれる、ドリップになる水分が引き出されているので、通常ならドリップが多いグラスフェッドのオージービーフとは思えないほどに適度なシットリ感の肉に仕上がっているのだ。
ちなみにこれ、オージーなんですよ、オージー。豊かな土質、清涼な気候が特徴のオーストラリア南部にて、牧草のみを食べさせ、全生涯を放牧で育った牛の肉です。これをグラスフェッドとよばずにパスチャー(牧草)フェッドと呼びます。
普通の輸入と違うのは、これは空輸で、と畜してすぐに持ってきてもらったこと。だから、真空パックを剥いての追熟だけども、酵素が出きっていないので、きちんと熟成ができる。特別版です。これでオージービーフのパスチャーフェッドの実力を識って欲しいのだ!きっとみな「これが輸入肉?」とビックリするはず。
ちなみに某イオンが宣伝してるタスマニアビーフとは違います。あれはたしか牧草100%ではありませんね。僕はこっちのほうを強く推す!
とりあえず仕上がりをみてみたいので軽く焼いて食べてみる。DABの火入れは難しいので、失敗しないように中火で脂面を焼き付けた後、裏表を少しずつ火入れして余熱火入れ。
実に素晴らしい仕上がり! 先日の赤肉サミットではマルヨシ商事の熟成だったが、その時もとてもよく仕上がっていた。そして今回のフェリア渡邊熟成は、またそれとも違う仕上がり。マルヨシ商事では、6種の肉をすべて同一条件で熟成するというのが主眼だったので、ひとつひとつを手をかけるという感じではない。フェリアでは、この肉に注力してもらったこともあってか、かなり完成度が高い。
ただ、個人的にはもう2週間ほどねかせて欲しい感じだ。その上で、2月後半のセミナーまで凍結保存してもらうことにしようかと思う。
ちなみに、自由水が出きっているドライエイジドビーフは、凍結したのを解凍しても、ほぼわからない。自由水が膨張して細胞破断することがないからだ。
ということで、まだ席数少しは空いているようなので、関心のあるシェフは先のエントリから申込みどうぞ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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