2014年11月22日 from 出張
Clobertの食肉加工品のテイスティング後、生産部長のマキシム君と。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
アンジュのホテルIBISの朝食はパンとバターにカフェ、ヨーグルト。どんなホテルでも朝食が出てくるが、安いホテルだとそんな感じで、とにかく甘みのあるペイストリーやクロワッサンか、バゲットタイプのパンを食べるというくらいのイメージだ。ただしさすがフランス、チーズとバターは数種類おいてあって(しかも冷蔵ケース)選ぶことができる。
おかげですっかり、パンにバターとチーズを同量塗って食べるという、乳脂肪×糖質のイケナイ関係性を覚えてしまったのである。
さて二日目はGiffaud(ギフォー)社という、豚の解体から加工までを一貫して行う企業に視察。もしかすると日本向けに輸入するかもしれないという商品群を観に行ったわけだ。
同じ敷地内に豚の脱骨・解体を行うセンターと、
豚肉加工品を製造する工場がある。ここの豚肉加工品のブランド名がCLOBERTという名前なのだ。
厳重な洗浄・チェックを経て工場内へ。製造管理スタッフの姉ちゃんがカッコイイのです。
面白かったのは、日本ではこういう豚肉加工品はないなあ、というのが一杯あったこと。例えば上の写真は、バラ肉の塊を塩漬けつまりソミュール液につけ込んだものをパックしている。これを買って家で煮れば塩豚やハム、燻製すればベーコン、ただ単に焼いてもよしといった風に使えるわけだろう。
ちなみに、あたりまえのように皮付き豚肉です。もうさ、いいかげん日本も皮付き豚での流通を許して欲しいんだけどな。絶対についてるほうが旨いんだから!
こちらは北アフリカ系の、本来は羊肉を使ったソーセージであるメルゲーズ。スパイスが多用されていて刺激的な香りと味。これをフランス人は大好きなのだそうだ。言われてみると、このメルゲーズに使われているスパイスミックスの香りは、フランスのいろんなところで鼻に感じる。日本で言えばカレー粉のように、なんとなく輸入されたものがその国風にアレンジされて根付くというのはあるよね。
また、こんなふうなモモ肉の塊をみかけることがある。たこ糸で形成されているもので、周りを豚脂で覆っているのだ。
こういう加工の仕方もフランスでは一般的で、精肉店だけではなくスーパー店等でも売られている。このまま塩だけ振ってオーブンに投入し、焼き上げるのだという。オリヴィエによれば
「豚の脂が肉と同じ値段で売れるわけだから、肉屋としては嬉しいはずだよ」
とのこと。確かにね!
こんな風に、端肉をモモ肉で覆ったのを外から豚脂で包み、紐で結わえる。そうすると、、、
こんな、手の込んだ加工品になるのだ!旨そうじゃないか!
それにしても、、、
どんな味になるのか、食べてみたい、、、
もちろん製造過程はきちんとしたもので、清潔さとトレーサビリティシステムが完備されている。製造段階でIDが振られて、ロットごとの管理ができるようになっているのだ。
そう昔ではないけれども、トレーサビリティの仕事をずーっとやり続けていた頃を思い出してしまった。しかし、いい匂いが充満してて、腹が減ったなぁと思ったら、そろそろ食べられます(笑)
ブナのチップで温燻したソーセージ!できたてプリプリである!
皮を噛むとバリンッ!という小気味よい音!そして滑らかな肉ペーストの舌触り、ヨーロッパらしく日本国内の流通品よりハッキリとした塩味が旨い。できたてって素晴らしい味だなぁ、まだ冷やし込みしてないから、肉がほわんほわんですよ。
ここで目をきらきらさせて何本も食ってたのが目立ったのか、これ以降、僕に「ほい、これも食べな」と沢山ものが渡されるようになる(笑)
さて、こうした製品をぜんぶ焼いてくれるという! いわゆる、メーカーなら当たり前のテイスティングランチです。
若い衆がバンバン焼いてくれます。
皮を剥いて食べるこのソーセージ、いやー お菓子じゃないの!?っていうくらいにふわっふわしてて、味わいは実に甘やかに淡くて、美味しい!
そんで、そんで、、、
ブーダンノワールがぼぼぼぼん!と焼かれて出てきた!それも無造作に切り分けられる。うーん、嬉しくて気絶しそうだ、、、日本のビストロじゃ、たらふくは食べられないもんな、、、
あまりに僕が旨い旨いというので、スパイスが入ったブーダンも出てきた。
ちなみにこんな荷姿で、スーパーマーケットで売っています。ああ、なんていい国なんだろう。
日本では、国内の屠畜場では沖縄以外ではたしか豚の血をとって流通することができないということで、国産のフレッシュなブーダンノワールはあまりみたことがない。
僕が豚の血のソーセージを初めて食べたのは、大学生時代に近所の養豚農家さんの娘さんの家庭教師をしていたときに「山本君、これ持って帰りな」と山ほどくれたハムソー類の中にあったのだ。腸に血が詰まった中に皮やタンなどの刻んだやつも入っていて、激烈に旨くて感動したのをいまでも忘れられない。ちなみに関係ないけど、その家庭教師をした養豚農家さんである志澤さんは、いま日本養豚協会の会長だったりする(笑)あ、どうでもいい話でした。とにかくおれは豚の血のソーセージが好きなんだ!
こちらは、豚バラを豚脂でコンフィのように煮たもので、味付けは塩とコショウだけ。
こんな感じでパックされている。まるで豚の角煮!でも味は全然違うんだけど、これは日本でも違和感なく受け入れられそう。ビールのつまみに最適です。
ところで、僕がばしばし撮影していたら、CLOBERTの生産部長だというこのイケメン男、マキシム君がちょちょっと寄ってきて、「そのカメラ、どういうカメラだ?」と尋ねてくる。この旅にはOLYMPUSのE-M1とSIGMAのdp1quattroを持ってきているのだけれども、気になったらしい。
「実はおれもカメラ好きなんだよ、ほらこれ、俺の写真なんだ、、、(意訳です)」
ええええっ!?
なんだよ、商品の宣材写真、撮ってるのかよ!すごいじゃん!
ちゃんと定常光でのライティングをした写真である。いやー こんなところで同好の士に会えるとは!
フランスの職人たちはとてもいい顔で仕事してました。素晴らしかった!
ギフォー社の皆さん、どうもありがとう!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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