東京都も、23区を出てしばしすると畑が拡がる地域がまだ残っている。小平もそうした地域だ。「東京有機クラブ」の生産者である川里さんのところに、旬を迎えつつあるカブの撮影に行っていた。秋冬野菜で賑やかな畑をしばし探索。
「落花生がうまいぞぉ」 と掘り出してくれる。
落花生はその字が示すとおり、地上部に伸びた茎から花が地面に向かって落ち、地下に実をならすという不思議な生態を持つ植物だ。
川里さんの落花生の根には、ボコボコと根粒菌がくっついていた。
「どうせだったらよ、野菜の天ぷらとうどん食べてきな、うどん!」
とおっしゃるので、この辺の名物だという小平うどんをいただくことに。実はこの辺は昔、麦作地帯であった。僕の実家の埼玉もそうだったから、関東は広い範囲でムギ文化が拡がっていたのだ。だからこの辺じゃ蕎麦よりうどんの方がなじみがいい。
「ほれ、いまはうどんを買ってくるけど、むかしはこれをつかって自分ちで製麺してたんだ」
おおおおおおおおおおおおおおおっ
これはまさにパスタマシーン! これでうどんを打っていたのか! 食べたかったわ、、、
さて、抜きたてのニンジンとカブの天ぷら、薬味につゆ、そして一人分がカレー用の大きな皿にドンと盛られてやってきた!
ご覧の通り、中太のうどん麺の上に、ひもかわ状の切っていない麺がテロンと一枚乗っている。この日ぼくを連れてきてくれた広尾「山藤」の料理長である梅さんが言う。
「このツユにね、俺らはホウレンソウの茹でたのを少し入れるんですよ。これが旨いの!」
なぬ、ほうれん草が薬味とな!?
さて初めての小平うどんだが、美味しい!
さぬきうどんのよなツルシコではなく、ツルッとしてはいるけれども、質実剛健なうどんでもある。滑らかすぎないのがいいのだ。つゆも、甘きに走らず塩気も穏やか、おかみさんの抑えた作りがお見事。
これに川里農園のすりゴマを少し混ぜると、、、
絶品!
最高でした、、、
やばいね、どえらく旨かった! カブとニンジンの天ぷらはおかわりを所望(笑)
農家の庭先で食べる飯はどこよりも旨い。川里ご夫妻、ありがとうございました!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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