2014年10月16日 from メルマガ
今週の「たべもの最前線」、特集記事は佐藤達夫さんによる「和食は健康にいいか?」です。ユネスコ文化遺産に認定されたことで、食の業界すべてがうわーっと盛り上がっていますが、しかしその一方で、はたからみると「和食とは」の部分の整理はうまく落ち着いていないというような感じ。そして、大はしゃぎしている人達のなかの多くが、これを機にビジネスをしようという手合いだったりします。
また、「和食は世界で一番健康によい食事だ」という極端なことを言う人もちらほらいます。気持ちはわかるけど、それ、ホント?そんな視点でお読みください。
■「価値が高い」から登録されたわけではない
このメルマガの読者であればほとんどの人がご存じであろうが、2013年12月4日、「和食」がユネスコ(国連教育科学文化機構)の無形文化遺産に登録された。決定当時はマスコミがこぞってとりあげたため、日本中で(世界中で?)「和食ブーム」が盛り上がったようだが、1年近くたち、ブームは急激に冷めてきたように感ずる。
むしろ注目されたことで「和食」の問題点が浮かび上がってきた感すらある。ここでは、その問題点を整理してみたいと思う。
まず確認しておかなければならないことがある。それは、今回登録されたのは「和食 日本人の伝統的な食文化」であり、「無形文化遺産」であるということだ。世界遺産には「自然遺産」と「文化遺産」(とその両方を含む「複合遺産」)とがある。そしてその2つとは一線を画す形で、民族や伝統など「形のない物」を登録する「無形文化遺産」がある。
自然遺産と文化遺産が「顕著な普遍的価値を持つ物件を対象とする」のに対し、無形文化遺産は「無形の物を保護対象とする」のが目的であると考えられている。微妙ではあるが、両者の間には明確な違いが存在している。それは無形文化遺産のほうには「価値」という言葉が入っていないことである。
どういうことかというと、和食は保護の対象となりはしたのだが、その理由は「価値があるから」ということではない、ということだ。この点が、和食の前後にユネスコの世界遺産に登録された富士山や富岡製糸場との違いがある。
にもかかわらず、当事者(と自分たちが考えている人たち?)やマスコミは、「和食は素晴らしいから世界遺産になった」と大はしゃぎした。ここに大きな勘違いがあったろう。
■特定の個人・団体の利益に結びつけてはならない
昨年登録されたのは、上にも書いたように「和食 日本人の伝統的な食文化」である。つまり和食という食べ物ではない。もちろん、、、
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■食べもの最前線
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