2014年8月26日 from メルマガ
メルマガ「たべもの最前線」の今週号は、佐藤達夫さんによる「食品の機能性表示はどうなるのか」。
■「アベノミクス」ありき
7月30日、消費者庁は「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の報告書をとりまとめて発表した。
この検討会は、消費者庁が平成25年12月から26年7月にかけてたびたび開催してきたもので、私も何度か取材した。たとえば6月16日に発表した第19号の「たべもの最前線」の「日記」でごく簡単に紹介し、「近いうちに特集で取り上げたい」と書いた。
消費者庁が「報告書」をまとめたので、このメルマガでもきちんと整理しておきたい。
そもそもこの検討会は安倍首相の「鶴の一声」で始まった。以前から「食品に機能性を表示したい」という業界の要望は、間違いなくあったが、消費者庁も厚生労働省もそれほど乗り気ではなかったし、消費者もその必要を感じてはいなかった、と私は思う。
ところが、安倍首相が打ち出した経済政策いわゆる「アベノミクス」の3本の矢の3本目として打ち出された「成長戦略」に、医療・介護・健康関連産業の規制改革が入っていた。平成25年6月14日には、この分野における「規制改革実施計画」が閣議決定された。つまり、「新たに食品に機能性を表示できるようにしろ」と決められてしまったのだ。
消費者庁は閣議決定に沿ってナントカしなくてはならなかった、というのがスタートだということを知っておく必要があろう。これが、ある官僚が非公式に発言した「B級トクホ」のスタートであった。
達夫さんは、これまで何度となく開催されたこの検討会に足を運び、傍聴してきた。その場に居合わせなければ感じとることのできない、空気が変わる瞬間を、まさに感じたという。今回の号は、僕が「早ければ早いほどいいと思います」とお願いして、特別にせかして書いてもらったものだ。今号だけでも読んでおく価値があると思う。
■たべもの最前線
http://ch.nicovideo.jp/tabemono
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
本サイトの著作権はやまけんが保持します。出版物・放送等に掲載される場合はご連絡を下さい。トラックバックはご自由に。